店舗デザインの基本~照明編~

今日は店舗デザインの基本について説明したいと思います。

店舗デザインというのは、店内のレイアウト(配置)、什器や備品の手配だけではありません。
そのお店のコンセプトによって、柔軟にデザインや配置を替えていく事が大切なのです。

例えば雑貨屋さんの場合は、「いかに多くの人に商品を見てもらえるか」というのが最大に重要です。
ですので、入り口やショーウィンドウに小物を沢山並べる必要があります。

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対称的に例えば、オーダーメイドのスーツを販売するテイラーなどは、もともと「スーツを作りたい!」と思った人をターゲットにするので外から見える対外的なディスプレイや展示よりも、中でセッションを行う顧客に合わせたレイアウトになります。

独立した店舗の場合は、店内の半分は外から見えないようにして、お客様のプライバシーを守り、ゆったりと商談できるスペースを設けたりします。
ですが、「どんな物を作れるか」や、「どんな商品が」といった事も分かるように、実際の商品(スーツ)を店舗入り口に1つだけ配置したりします。これにはスポットライトを用いる事が多いです。

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このスポットライトや照明というのは、とても大事なもので商品のイメージを印象付ける為に最重要な課題です。

真ん中の青みがかった照明。そこに影が付いていて貧相で安いスーツに見えてしまいます。

右の白い照明は、オフホワイトといって僅かに黄色みがかった優しい白色です。
このオフホワイトの照明では、スーツに清潔感が出て安心したイメージを醸し出す事ができます。
この色合だと、既成品のスーツや量販のスーツを販売するときに、爽やかに印象付けることができます。

最後に左の照明ですが、この暖色のスポット照明は高級品や、仕上がりの良いものを映し出すのに向いています。
真ん中のスーツが19800円だとしたら、右のスーツは29800円、左の暖色照明で当てたスーツは62000円にさえ見えます。

つまり、お店のコンセプトに合わせて照明を選択する必要があるのです。
ですが、ここで注意が必要なのが必ずしも全てに、この黄色い高級に見える暖色照明が必要ではないのです。

例えば、商品が一般的な価格、つまり29800円のスーツを売っているのであれば、購入する層から考えて右の白いオフホワイトの照明で販売するのが理想的なのです。
あまり高級そうに見えても敬遠されがちになってしまいます。
上の写真を見ても分かる通り、左のスーツの色だと販売の対象年齢が40代以上に見えてしまうので
若い人をターゲットにしたショップであれば、どんな商品でも爽やかな印象を出すことが大切です。

例えば、ビームスという洋服のお店はとても高級ですが、若い年齢層がターゲットのためにオフホワイトの照明になっています。
そのことからも、高級=暖色という構図で決めつけてしまうことはいけないのです。

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このように電球色によってイメージ作りが異なります。
一般的には、暖色はリラックス。寒色はリフレッシュといった意味合いがあります。
デスクワークや家での作業をするときは、昼光色のライトが向いています。

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(配色&カラーデザイン デザインラボより抜粋)

 

色温度といってこのように、色味によってケルビン数が割り当てられています。
このような色合いが店舗デザインに与える影響は大きく、例えば飲食店が青みがかかったライトを使ったりすると、落ち着いて食事が出来ずにリラックスできません。
なので、高級飲食店は暖色の店舗照明にプラスして、電球色のスポットライトを利用するのです。
ただ、長居してほしくない飲食店や、社食・食堂の場合は、僅かな寒色照明や昼光色でも良いと思います。

他にも大切な事があり、光が回らない箇所への対策です。
店舗デザインに置ける光というのは、基本的に天井に設置されるシーリングライトによるもので、横からのライティングというのは少ないです。

つまり、什器などの影で商品が隠れてしまう事が多々あるのです。
これではせっかく良い商品でも本当のディティールをお客さんに使える事ができません。

そういった場合は専用のスポットライトや、ディフェーズされた柔らかく白い光を商品に当てる事で解決できます。

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この写真を見ると分かる通り、実は棚の天板にライトが設置されていて、白い食器を美しく照らしているのです。
ディフェーザーで柔らかくなった白い光なので、ごくごく自然に見えて、実際に見ても照明が当てられていることに気がつかないほどです。

こういった工夫によって下の段にある商品までお客様の目に入ることになり、結果商品の売上や、店舗の印象アップにも繋がるのです。

もし、仕事でお店のレイアウトを少し行ったりすることがあれば是非とも意識してみて下さい。

 

 

店舗デザインの基本~顧客編~