FOSTEX HP-A8 レビュー

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FOSTEX HP-A8 レビュー

ヘッドフォンアンプ機能付きDACとして人気の機種FOSTEX HP-A8。
何度かアップデートされて、かなり完成形へと近づいてきました。
ここ2年程で特にヘッドフォン&イヤホン市場も活気づいてきて、新しいユーザーが増えて来ています。
そんな中やはりシステムの上流であるヘッドホンアンプは外せないものです

そこでヘッドフォンアンプとしての性能も合わせて紹介したいと思います。

ベストセラーDAC「HP-A7」後継機の実力はいかに

折角ですのでパッケージの開封から書いていきます。
届いた箱には大きくHP-A8 MADE IN JAPANと書いてあります。
中国製と違って、日本製というだけでテンションが上がりますね。箱の重量は6,4キロと書かれています。

ダンボール箱を開けると、また段ボール箱(!)もしやこの中に化粧箱が入っているのか??と思いましたが、どうやらこれが外箱のようです。

HP-A8の開梱

HP-A7は光沢のあるブラックの化粧箱で観音開きする凝ったケースだったので少し素っ気無い感じもします。
なかにコピー用紙?をホッチキスで挟んだものがピラッっと入っているだけです。
中古品を買って空き箱に丁寧に梱包して、おまけで取説のコピーを入れておきました!って感じです。

箱は両面同じように見えますが、よく観察すると書いてある言語?が違って英語とフランス語に別れていて、「AMPLIFI CATEIR DE CASQUE FOSTEX CORP.FBRIQUE AU JAPON」と書いてあります。

あまりに豪華な外箱の場合、その分値段下げてよ。
と言ってしまいますが、もう少しだけでいいのでA7と同じ位のパッケージが良かったかもしれません。

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HP-A8のパッケージング、付属品

付属品ですが、こちらも簡素で、以前HP-A7に付属していたUSBケーブルは入っていません。
ONKYO ND-S1と同じようなプラスティックの質感の低いおまけリモコンが箱の隅にたたずみ、電源ケーブルだけが付属します。
ゼンハイザーのIE8やMDR-EX1000のようにあまりに多彩な付属品だと使わないものが多くて困りますがRCAのピンケーブルとUSBケーブル位そんなに費用が掛からないのでは?ともも思います。
だたFOSTEXのフラッグシップ機なので、ある程度機材を揃えてケーブルにもこだわる人が多いので簡略化したのかもしれません。

取扱説明書だけは酷くて黒一色刷りで項があっていません・・・。ようするに1ページ、5ページ、6ページ、3ページと・・・。
再生紙に適当に刷ってあり、まさか実売価格9万円の商品の取説とは思えません。

保証書も取説の巻末に印刷された簡素なものとなっています。
やはりこういったところはしっかりと行って欲しいですね。輸入品でしたら分かりますが、もともと国内流通を想定している場合は取扱説明書などは重要と言えます。

普通であれば、入出力や消費電力、寸法、重量、対応フォーマット、対応OSなどを記載した紙が入っていたり、取扱説明とは別に保証書があるはずです。
※この保証書と取扱説明書については後日、修正されました。友人が購入したモデルにはしっかりと取扱説明書と仕様書が書かれていたので今から買う人には問題がありません。発売延期を重ねた初期ロットのみのトラブルです。

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HP-A8の外観

HP-A8の外見ですがHP-A7と比べると2回りほど大きくなり、ハーフサイズとなりました。

横幅は210mmでA4の紙の幅と同じで、縦の幅も290mmほどですのでA4コピー紙をイメージすると殆ど同じくらいです、
寸法からすると、高さなどもONKYOのDAC-1000と同じような寸法になったので、以前のモデルの中では一番大きいサイズとなりました。

現在ではDAC・ヘッドホンアンプのラインナップがHP-V1,HP-A4,PC100USB,HP-P1と種類が非常に増えましたが、現在でもこのHP-A8が一番大きいモデルとなります。ですが、ラックスマンなどのフルサイズのモデルと比べると、それでもコンパクトとは言えます。

このサイズの場合はパソコンのミドルタワーやフルタワーケースの上に設置できるので、PCオーディオユーザーにとっては利点と言えます。
また振動を抑えるためのゴムのインシュレーターが標準で付属しています。

カラーバリエーションは黒色でフロントパネルはクリアパネルの光沢仕上げになります。
アルミニウムのノブは縁のカットがメッキ処理されているので、とても高級感があります。

それに合わせて、INPUTやヘッドフォン、アンプ切り替えのダイヤルも共通デザインになっています。
どの部品も一貫性があるので、デザインは良いです。また、下級モデルのHP-A4とはそういった部品の共有がされているようです。

発色の良い液晶パネルまでは距離が1,2センチほどあいているので表情に立体感があり好印象です。
天板はブラック塗装で、表面の仕上げが一眼レフカメラのボディのようにシボ加工が施されています。
光があたると僅かにディフェーズされて反射が抑えられるので、デスクトップパソコンに有りがちなツヤツヤな表面と違い高級に見えるのが特徴的です。現在発売されている他社のDACとくらべても格好良いのでデザインを重視する人でも満足できると思います。

サイドパネルは手前が斜めにカッティングされて、サイドパネルを特殊ねじで留めてあります。
いずれの部品もしっかりと拘って仕上げ・設計されているので、一貫性があり、とても良い感じです。
ただカラーが一色なので、一般的なシルバーのアンプやトランスポーターとは色があわないのが唯一の難点といえます。
例えばマッキントッシュのブラックパネルとはデザイン的に非常に相性が良いと思います。
ONKYOやデノン、マランツでもブラック仕上げのアンプやCDプレーヤーがあるので、黒系の機材とは合うと思います。

またA7の時は大きくて邪魔だった優秀なACアダプターが廃止されて、一般的な電源ケーブル1本で使えるようになりました。

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対応フォーマットと、インプット・アウトプット

HP-A8はHP-A7の入出力を更に拡張してあるのが特徴です。
内容としては、デジタルインの3系統(光デジタル×2、同軸デジタル×1)、デジタルアウト(光デジタル×1、同軸デジタル×1)、アナログイン・アウトに各1系統とセレクター機並に豊富な入出力を兼ね備えています。

ユーザーが多彩な機種に接続するというのを前提に作られておりI/O両方ともに充実した装備と言えます。

ピンコードに関しては、金メッキプラグだけでなく大型高品質ターミナルを採用して更に高級感を演出させています。
またAES・EBUというプロ用デジタル音声信号伝送規格も対応しているので、XLRケーブルを頻繁に使うプロ機材に合わせて汎用性を持たせたのかもしれません。

HP-A7と同じようにUSB接続にも対応しています。Mac使用時は、USB経由で192kHz/32bitの信号伝送が行えて(Windowsは24bitまで)、Windows 7の場合は192kHz/24bitまで、それ以外は96kHz/24bitまでの対応となるそうです。
アシンクロナスモード対応でUSB接続時にHP-A8側が独立して固定クロックを生成し、再生できるので低ジッターかできます。

USB接続を利用するにあたって注意点があり、指すだけでインストールが完了するというプラグアンドプレイが非対応で、メーカーサイトよりドライバをダウンロードする必要があります。
少し手間ですが、DSD再生など複雑なシステムに起因してこういった規格になったと思われます。

HP-A8専用ドライバーのインストールについて

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HP-A8 Windows用USB Audio Class 2.3 ドライバーダウンロードページ
32bit用と64bit用に分かれているので使っているパソコンのOSに合わせてインストールして下さい。

USBだけでなく、HP-A8からは更にSDカードの再生に対応していて、DSDを再生できるようですが、DSFのサンプリング周波数2.8Mhzと5.6Mhz両方共再生できず、DSDIFFのファイルも再生できませんでした。
オンキヨーのHD音源サイトで購入したデーターは24bit/96kHzのWAVですがこれも当然の如く非対応です。
mp3なんて野暮なことは言わないので、せめて44.1Khz1411kbpsのWAV位再生させてくれてもいいのでは・・?なんて思ってしまいます。

※この件に関しても、後日のアップデートでWAVの再生が対応可されました。SDカードにWAVファイルを入れるだけで、DAC本体のみの再生が可能となります。これによってトランスポーターさえ要らない完全な独立DACでの再生が可能となります。

あと注意点としては、Windows7の環境ではパソコンが付いている状態でHP-A8本体の電源を切るとブルースクリーンで強制終了します。
症状を再現しようとしましたが、タイミングによってエラーが起こるようで、先程は曲を再生していない時に電源を切ると強制終了しました。
フリーズや「Operating System not found」なんてのは慣れていますが、ブルースクリーンはWindowsXP以来久しぶりだったので驚きました。
これも使う人の環境によって変わると思うので、一概に不安定とは言い切れませんが注意することに越したことは無いでしょう。
2014年になっても、まれにこのブルースクリーンエラーが起こるので、アップデートされた現在でも完璧な信頼性は無いようです。

執筆中に頻繁に上書き保存する癖が付いているので突然パソコンの電源が落ちても大丈夫でしたが、何か重要な作業している時にHP-A8の電源を落とすことは控えた方が賢明といえます。もしくは作業の保存をしてから電源をオフにすると良いかもしれません

HP-A7までは何をしてもエラーが出ることが無くて優秀だったのでこの点は少し残念です。

また、どのインプットを選んでも再起動すると再び選択しなければならないので非常に面倒くさいです。
A7の場合はコアキシャルならコアキシャル。オプティカルならオプティカルと、ダイヤルを自分で回さない限り勝手に変わることはなく使い勝手が良かったのでこの方法の方が良かったです。
朝起きて1曲聞きたい時にやらなければならない操作が多すぎます。UIはHP-A7の方が良かったです。

※この件もアップデートで、セレクター+ボリューム固定に対応されました。現在では初期と比べると、かなり使いやすい部類に入ると思います。
唯一の問題がSDカードで再生するとリモコンでないと曲のスキップが出来ないことです。リモコンの感度が非常に悪いため、本体側で再生・停止・戻る・次へをしたいのですが、現状では曲を変える事はできません。なんというかオプションの設定は1回きりの設定が多い筈ですが、こういった”曲を聞く”というのは毎度のことなので、こういった部分にもユーザビリティを最適化してもらいたいです。

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HP-A8の音質レビュー

音質や音の傾向というのは聞く人によって好みも大きく、聞くジャンルやアンプ、スピーカーによっても大きく左右します。
ですが、「128kbpsよりCDの方が音が良い」とほとんどの人が思うように、実際の演奏に近いというのを音の良いという定義で書いていきたいと思います。

HP-A8のファーストインプレッションですが、HP–A7の音場をより広くして、より音を細かくしたという印象を持ちました。
左右の2Chで再生しているにもかかわらずマルチチャンネルオーディオのように後方からも音が聞こえてくるような錯覚がします。
初めてHP-A7を聞いた時のような感動は薄いですが確実にグレードアップしています。

テスト環境ではONKYO ND-S1000 A-7VLにB&W PM1
DACはONKYOのDAC-1000、FOSTEX HP-A7 HP-A8、A-7VLの内蔵DAC(PCM1796左右独立)で比較しました。
試聴曲は霜月はるか、紘瀬さやか、Bill Evans、菅野よう子、フジコ・ヘミング、EGO-WRAPPIN’、Arthur Rubinstein、MRBIGなど多彩なジャンルで試しました。

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この4機種を比べるとHP-A8ドラムセットのバスドラや和太鼓の音が格別綺麗で、ヴォーカルの立体感があり細かな音まで聞こえました。
和太鼓の音は、A7、A8と似ていますが、この2機種を聞いた後にDAC-1000に切り替えると音量が小さくなったように感じます。
本体のゲインが違うのかなー。位はっきりと差があり、ついアンプのボリュームを上げますが、いつまで経ってもきっちりと輪郭のある音がでなく音圧で耳が痛くなります。
今までの経験上優秀なDACは音量を下げたままでも満足できるような音で、試聴中に音量の上げ下げをしなくて済みますが、いまいちなものだと頻繁にボリュームに触ってしまいます。

ONKYOのA-7VLのDACはあまり優れているとは言えません。解像能力が低く、音がかさなって聞こえます。
DAC-1000もA-7VLと同じ音の傾向で倍音成分が出てるけれど、奥行きが無くのっぺりとした音です。

金額的にはDAC-1000がDAコンバーターとしての専用機なので一番有利なはずですが何故かA7,A8には太刀打ちもできないような音質でした。
DAC-1000の方がHP-A8よりも専門機器のため音がいい!と思い込んで購入しているので、プラシーボ効果ではありません。明らかに性能が低いです。

ただ、この4機種だけで時間をかけて視聴しているのでミニコンポーネットや入門用の安価なCDプレーヤーと比べれば圧倒的に優れているというのは言うまでもありません。
DAC-1000が有利な曲が有るはずだ。と思って色々試してみたのですが、上記の環境では比べれないほどの結果となりました。

HP-A7とHP-A8との比較だと音の傾向が似ていて、差はほとんどないとも言えるかもしれません。
A7とA8を一瞬で切り替えれる環境にして視聴をしていたのでその差が大きく感じ取れますが、15分休憩しながら聞いた場合は判断できないと思います。
なので下の解説は「小さな差を大きく引き伸ばしたもの」だと思って下さい。

A7はボーカルの声が小さく音のなっている範囲が少し狭く感じます。それに比べてA8はボーカルがもう少し手前に出て、ベースの音も前方に出ているように聞こえます。
A8はレコーディングで言うコンプレッションがかかって大きな音が抑えられて、小さな音がひっぱられる。というような特徴で音を真ん中に集めて、心地の良いコンプレッション感。
定位が中央に音が集まる感じです。

収録が新しければ新しいほどDACによる差が顕著に出ます。
マスタリング時のコンプレッションの掛け方が大きいほど、差が実感できると思います。

曲のジャンルで言えば、ピアノや弦楽器、太鼓など音数が少ないものだと差が出にくいです。
クラシックの場合も総じて差が出にくく、よく聞きなれたリストのラ・カンパネラや泉のほとり、愛の夢だけでなくベートーヴェンのバイオリン協奏曲や、ドビュッシーのベルガマスク組曲、バッハの無伴奏バイオリンなどもHP-A7とA8の差はあまり感じられませんでした。
ただ、意外なことにノイズが多い収録の場合はDAC-1000の方が「聴きやすい」曲もあり、そこに限ってはFOSTEXの特徴が裏目に出たといえなくもないです。

冒頭でも書いたようにヴォーカルが入った曲は差が大きく出るので、自分の好みな音楽ジャンルによってHP-A8がお勧めできるとも言えますし、お勧めできないとも言えます。

全てスピーカーでの視聴の感想なので、ヘッドフォンを使う場合は下記のヘッドフォンアンプの音質も合わせて参照下さい。

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HP-A8のメニュー設定

セレクターはレバーで切り替えという、シンプルな構成となっているHP-A7と違い、HP-A8は操作が複雑で液晶パネルによるメニュー設定ができるようになっています。

AMP GAIN
ヘッドホンアンプのゲインが設定でき、ゼンハイザーHD650のようにインピーダンスが高い機種は予めゲインを高く設定することによって丁度良い音量で聞くことができます。
0dB-12dBまで0.5dBステップで選べるのでヘッドフォンの感度に合わせて設定するといいと思います。

UP SAMPLING
整数倍アップサンプリングが×1~4まで設定できます。
余り効果は無いように思えますが、CDの音源などでもアップサンプリングする事によって滑らかな音質になる。
かもしれません…。DAC-1000にもありますが、気分的に良いです。

DIGITAL FILTER
デジタルフィルター特性が選択できます。

SHARP ROLL-OFF( 初期設定 ): 従来からのデジタルフィルター。
MINIMUM DELAY: 旭化成エレクトロニクス(AKM) が開発したプリエコーの無いタイプ。

ミニマムディレイの方がより生音に近い音らしいです。
レコーディングする人にとってはディレイは馴染みのある設定なので、好みの方を選ぶと良いと思います。
ただ、僅かに音質が変わったかな…?程度で実感するほどの差は少ないかもしれません。
高価な再生環境によっては劇的に変化する。かも。

MSCK SEL
DAC のマスタークロックを選択できます。
・DIR( 初期設定 ): 外部デジタル音源のクロックを使用します。
・XTAL: 本機内部の高精度 TCXO クロックを使用します。

なんとマスタークロックが設定できるようになっています。
この選択は実感できるほど音質に差があり、
XTALはドンシャリ気味で、3hz少し抜いた感じでスネア、ハイハットは心地良いです。
DIRは中域に寄ってて聴きやすい音質で気持ち良く聞けます。
自由に設定できるので好みによって変えればよいと思います。

DIRECT
ONにするとボリュームノブ関係なしに最大音量(バイパス)で出力できます。
HP-A7にもありましたが、今度のは複雑で、LINE OUTでもヘッドフォンでも
自分で設定しなければいけません。

以前はヘッドフォンアンプ機能にすると、自動的に自分で音量操作して、
LINE OUTだとダイレクト。という非常に便利な機能があったので、
スピーカーでダイレクトで聞いていて、ヘッドフォンに切り替えてボリュームMAX!
なんて事故も起こり得るので十分に気をつけたほうが良いです。

※※訂正※※
HD650で試しましたが、ヘッドフォンアンプ部分は強制的にダイレクトオフになりました。
ダイレクトオンの際に毎度必ず確定するか尋ねられるので勘違いしていました。申し訳ないです。操作が複雑なので、HP-A7の時のように本体背面にDIRECTのハードスイッチがあったほうが理解しやすいです

SYSTEM INFO
ヴァージョンが確認できます。 多分アップデートするとバージョンが上がるはずです。

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HP-A8のヘッドフォン端子 ヘッドフォンアンプの音質

HP-A8のヘッドフォンアンプですが、すこぶる音質が良いです。
この部分に関してはHP-A7の面影(ヘッドフォン部、酷い違和感の残る音)も無く、完璧な仕上がりになっています。
MDR-Z1000で聞いてみましたがノイズが全く無いというのは勿論のことギターのリフから、スネア、ベースまで 空気や距離までもが伝わってきます。
レンジが広くドラムのアタック感もしっかりとしていて、高域からローミッドまで全て質量があり、解像度が非常に高いのが特徴です。
ギターのディストーション(歪み)がメザブギーのチューブアンプで鳴らしたような、芯のある硬く、それでいて音が汚くならない周りと馴染んだ音で、好きな曲のギターがこんな音だったのか、と思うほど感動します。

バランスが非常に良く、兎に角心地良いです。
ただ初音ミクであるような完全打ち込みのデスクトップミュージックは耳に突き刺さるようなきつい高音が目立つ部分もあり、密閉型の高音域のぬけが良いヘッドフォンを使っている人は注意が必要です。
そういった曲はDTM製作者がYoutubeやニコニコ動画を通して、アクティブスピーカーで再生されることを想像してあえてドンシャリにミックスダウンしている可能性があります。

スピーカー再生の時には高音が刺さる感じは少ないです。

HD650で聞いてみると以前とは全く別物に感じられます。

ヴォーカルのダイナミクスも感じ取りやすく、HP-A7だと聞き取りにくい抑揚がついた歌声もきっちりと聞き取れます。
ハイハットもリアルで、ヘッドフォンをグレードアップしたように錯覚するほどで、すごく心地よいです。

サイトによっては高級ヘッドフォン本体ばかりプッシュしていてヘッドフォンアンプとDACを蔑ろにしていますが、ヘッドフォン以上にアンプとDACは重要です。
仮に安いヘッドフォンやイヤフォンでも再生環境が良いと割かし気持ちよく鳴るもんです。

オルトフォンのe-Q7はリバーブが硬く、モニターよりのソニーのヘッドフォンと比べると独特な残響。
濃厚な味噌ダレのようなもったりとした濃口ですが、それでいて鋭利に鳴るので、これもまた一興、聞く価値有りです。

MDR-EX1000はインナーイヤーヘッドホンとは思えない音像で、開放型のオーバータイプのヘッドフォンを出力に余裕のあるアンプでゆったりと鳴らしたように感じて本当に何度も驚きます。
ウォークマンのNW-Z1000と、このイヤホンの相性は抜群に良いですが、それでも感じられなかった部分がA8だと体験できます。

IE80は低音の質感が高くなり、高温域を邪魔しない仕上がりになります。
クリーンな低音というのはソリッドバスや今どき流行りのイヤホンとは一線を画する音質と言えます。
ゼンハイザー系のイヤホン&ヘッドフォンとHP-A8の相性はかなり良いと言えます。

まだ試していないイヤホンもたくさんありますが、ほとんどの機種がイヤホン本体の限界に近い性能を引き出してくれるのでは、と思います。
LINEOUTのDACの音質もさながらヘッドフォンとしてのHP-A8。侮る無かれです。

HP-A8まとめ

HP-A4を試聴していないので、ラインナップ全てについては言えませんが、少なくとも実際に所有したことのある「HP-A3」「HP-A7」「HP-A8」「DAC-1000」の中で言えば抜群にベストバイと言えます。

ユーザビリティと安定性については未だ難がありますが、音質については完成度が非常に高くピュアオーディオとして楽しめます。
また耐久性は高く、予約して発売日に購入したため、既に1000時間を優に越す運用をしていますが、未だに本体の故障はおきていません。

ただ、欲を言えばもう少し良いリモコン(感度の良く、バッテリーが持つ)ものが欲しいです。
N-50のリモコンの方が格別に高級感があり、反応も良いので、HP-A8のリモコンは価格に見合っていない感じがします。

ですが、本体の故障は今のところ一切ないのでその点は評価すべき点です。ONKYOとDENON、FOSTEXは故障に見舞われたことがないので安心して長く使うことができます。
余談ですがパイオニア製に関しては不満が強く、過去に買った5種類の機材(全て新品交換品)が保証期間が終わった頃に壊れだして、結局全て一部だけ故障してしまいました。

FOSTEXは初期ロットでも故障がないので、もし今後HP-A9やHP-A12が出るとしても新品購入しても大丈夫だと思います。
またポータルDAC・ヘッドフォンアンプ、アイフォンハンディマイクなど面白い商品が続々ラインナップされているので、今後も目を離せません。

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主な仕様

<入力>
USB 端子
・コネクタ :Bタイプ(標準)
・量子化、サンプリング周波数 :16/24/32bit(Windowsは24bitまで)、44.1kHz/48kHz/88.2kHz/96kHz/176.4kHz/192kHz
・インターフェース :USB High Speed
DIGITAL INPUT-OPTICAL(1, 2)端子
・コネクタ :角形オプティカル
・フォーマット :S/P DIF
・量子化、サンプリング周波数 :16/24bit、44.1kHz/48kHz/88.2kHz/96kHz/176.4kHz/192kHz
DIGITAL INPUT-COAXIAL端子
・コネクタ :RCA ピンジャック
・フォーマット :S/P DIF
・量子化、サンプリング周波数 :16/24bit、44.1kHz/48kHz/88.2kHz/96kHz/176.4kHz/192kHz
DIGITAL INPUT-AES/EBU端子
・コネクタ :XLR-3-31タイプ(2番ホット)
・フォーマット :AES/EBU
・量子化、サンプリング周波数 :16/24bit、44.1kHz/48kHz/88.2kHz/96kHz/176.4kHz/192kHz
ANALOG INPUT(L, R)端子
・コネクタ :RCA ピンジャック

 

<出力>
PHONES(1, 2)端子
・コネクタ :ステレオ標準ジャック
・最大出力 :700mW (32 Ω負荷)
・適合負荷インピーダンス :16 Ω〜 600 Ω
・THD :0.002% 以下(at 1kHz、32 Ω負荷、1Vrms 出力時)
・周波数特性 :10Hz 〜 80kHz ± 3dB
ANALOG OUTPUT(L, R) 端子
・コネクタ :RCA ピンジャック
・適合負荷インピーダンス :10k Ω以上
・THD :0.002% 以下
・周波数特性 :10Hz 〜80kHz ±3dB(192kHz 使用時)
DIGITAL OUTPUT-OPTICAL端子
・コネクタ :角形オプティカル
・フォーマット :S/P DIF
・量子化、サンプリング周波数 :16/24bit、44.1kHz/48kHz/88.2kHz/96kHz/176.4kHz/192kHz
DIGITAL OUTPUT-COAXIAL端子
・コネクタ :RCA ピンジャック
・フォーマット :S/P DIF
・量子化、サンプリング周波数 :16/24bit、44.1kHz/48kHz/88.2kHz/96kHz/176.4kHz/192kHz

 

<一般
・付属品 :電源コード(x 1)、クイックマニュアル(x 1)*1
*1:バージョンアップでメニュー等が追加された場合にはバージョン毎の追加版を発行いたします。
・外形寸法 :213(W)x 78(H、足含む)x315( D、突起物含む)mm
・本体質量 :約3.8kg
・電源 :AC100V
・消費電力 :24W