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「ヤフオク」「メルカリ」で中古ワインは買ってはいけない

今の時期しっかり熟成したボルドーワイン飲みたいですよね!ワインショップだと販売しているのは近年のビンテージが中心で、どれを選んでも「10年ほど寝かせると美味しいですよ」とアドバイスをいただきます。心の中では、「10年後じゃなくて今晩美味しいワインが飲みたいの」なんて思ってしまいますが、貯蓄と同じで買って保管していない自分が悪いんですが。

ワインショップで3~4年前に収穫されたボルドーを選ぶのを諦めて、帰路につく途中こんなアイデアが出てくるかもしれません。

「そうだ!ヤフオクやメルカリで熟成したボルドーを買うのはどうだろう!」

なろう系主人公になった気持ちで、自分のアイデアに陶酔してすぐさま検索してみると次から次へと魅力的なワインが出てくるではないですか!

「いや〜オレってやっぱ天才だったなー」と、相場より安いボルドーを買ってしまうのです。
これが地獄への片道切符なのです。

個人売買の中古ワインで美味しいワインに出会うのは、ノルマンディー上陸作戦でオマハビーチを攻略するより難しいです。成果を出さなければと、人員投入(福沢諭吉)を続けて多大な犠牲と代償を払うことになります。

1994年と1970年のシャトー・ローザン・ガシー、左はレオヴィル・バルトン。
きれいな顔してるだろ?全部死んでるんだぜ……。
「長期熟成ボルドーの魅力」とでも銘打って大人になれる本にドヤ顔記事でもあげようと画策していたのですが、とんでもない地雷を踏んでしまいました。2本で2万5千円というゴミを手に入れてしまいました。

ワインのコンディションですが、「キャップシール」「エチケット」からは絶対に予想できません。
大切なことなので2度言います。写真でキャップシールやエチケットがきれいに写っていても、中身が美味しいとは限りません。

ヤフオク中古の怖いところは、出品者が法人で古物商許可を得ているようなショップが堂々と傷んだワインを売っているところです。遺品回収などで格安で引き上げてきたワインを、ワインショップのような雰囲気で売っていて「味に関しては分かりません」「開栓後のクレームはお受けできません」といった具合で100%購入者の責任となるようにして販売しているところです。
中には美味しいワインが混じっているかもしれませんが、古酒になるほど保管状況が怪しくなっていきます。

中古ワインは長期熟成ほど危険です。逆にワインショップに並んでいるような2~3年前のビンテージであれば、傷んでいるリスクは低いです。放置されていることも少なく、日陰や冷蔵庫に突っ込んであったようなワインだと”まだ”健康的に飲めることがあります。

こちらが、戦果の一部です。
コレ以外にも「ボルドー古酒10本セット!人気赤ワイン1円スタート!」を2セット買って20本全て傷んでいました。

今回は合計で30本近くヤフオクとメルカリで入手しましたが、美味しく飲めるものは1本あったかどうかで、ほぼ全てが熱劣化、ブショネなどで飲めるコンディションではありませんでした。口に含むのも難しい状況のワインばかりでした。お風呂の入浴剤にもならないレベルです。

怖いところが液面低下しておらず、キャップシールのコンディションも良いものがおおいのです。
ワイン入門〜中級者になると液面やキャップシール周りをみて、「いけるかな?」と判断しがちですが、乱暴された古酒は外見がきれいでもダメなんです。

化粧箱・桐箱に入って状態も良い、美味しいのでは?

コレ、初心者が失敗しやすい中古ワインあるある。
大抵の場合出品者がこのように自慢します「三越扱いの正規品です」これ気をつけた方が良いフレーズですね。「え?それ100%彼氏さんが悪いわぁ〜、俺ならそんなコトしないのに〜」くらい気をつけた方がいいです。

化粧箱や桐箱に入って出品されるということは、それすなわち常温保管をしている証拠です。
ごくごく稀にウルトラ級ワインマニアが、地下セラーや部屋をまるごと1,000本以上のワインセラーにしていることがありますが、普通のワインマニアは贈答でボトルをもらうと箱を捨ててワインセラーに保管します。
私でもそうします。シャンパーニュのボランジェRDやドンペリニヨンP1など、豪華な化粧箱がついている場合は中身だけセラーで保管するかもしれませんが、桐箱や百貨店の箱はヤバいです。

出品者が北海道民であればワンチャン飲めるかもしれませんが、本州以南は夏場の温度に耐えきれず、四季の温度変化でワインが熱劣化している可能性が高いです。
温度変化がゆるやかなのがたちが悪く、ボトル内の気圧変化がすくなく吹き上がることが余りありません。箱の中で液漏れしているワインなんてのは論外で絶対に飲めません。液面がネックより下でショルダーというのもNGです。

どうしても欲しいワインがある場合

保管状況を確認することです。
出品されているボトルが、ワインマニアが収集している品でワンオーナーであれば飲める確率が急激に上昇します。「購入後すぐにロングフレッシュにて保管」というのは安心材料になります。
マニアでも怪しいのが「フランス現地の商社で購入、その後セラーで保管」これはちょっと怪しいです。

最も安心できるフレーズは、「購入してそのまま某倉庫にて保管、出品のため手元に持ってきました」この某倉庫は「エノテカセラー」か「寺田倉庫 WINE CELLAR」を指しますので、どちらの倉庫でしょうか?と質問すれば教えてくれるかもしれません。この2つの倉庫は、購入後にそのままセラー直行で所有者は一度もワインを見ていないということもあります。
購入から某倉庫に直行しているワインに関しては、実店舗と同等の品質管理がされていると思っても良さそうです。

とはいっても本当の事を書いているか分からない時点でリスク有ることに違いはないのですが。
そんなワケで本当に美味しいワインを飲みたいのであれば、10年20年後の自分へのプレゼントとして自分のワインセラーに保管しておくのが一番良さそうですね。

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