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ジャイエ・ジル JAYER GILLES ブルゴーニュ・コート・ド・ニュイ2016

エノテカで試飲させてもらいました。
口開けのテイスティングですが、古典的な作りの長期熟成を前提とした味わい。

開封直後は香りは弱いですが、タンニンの骨格がしっかりとしていて酸化や劣化のニュアンスは全くありません。口当たりも滑らかで、ありがちなアルコールの棘や嫌味がなく、極めて滑らかな飲み口。

まだまだ10年は熟成させることのできる気品を感じさせました。少し時間が立つとエレガントなコート・ド・ニュイの香りが立ってきて、それは典型的なヴォーヌ・ロマネというよりは、どちらかというとアルヌーラショーのエシェゾーのような、スパイスが全面に出るもので、完全除梗でありながら底から沸き上がる力強さを感じさせます。

8千円でこのレベルのブルゴーニュが飲めるとなると、名前では村名以下のイメージがありますが、出来の悪いヴォーヌ・ロマネよりも遥かに秀でています。ブシャール・ペール・エ・フィスの買付ヴォーヌ・ロマネなんかを1万円出すのであれば、ジャイエ・ジルの方が感動は高いです。

ジャイエ・ジルは、アンリ・ジャイエの従兄弟ですが、エマニュエル・ルジェやメオカミュゼと異なり弟子ではないため、ブルゴーニュ愛好家からの評価はあまり見かけません。
雑誌やSNSでもあまり出ていないのですが、実際に飲んでみると名前関係なしで優れた生産者だと思います。最近はやりの色が濃くてアメリカのような”ジューシー”なブルゴーニュとは正反対で、少し古典的でテナールほどではありませんが古風な作りになっています。

その作りと、スパイスが強めな今回のオーコート・ド・ニュイ2016年が感動的なワインでした。

 

ヴィンテージ情報
2016年のブルゴーニュは4月の霜害と5月の2度の雹害に襲われ、収穫量が非常に減少したことで、ブドウの生命力と栽培家の力量が試された年となりました。しかし8月から収穫までは天候も回復し、暑い夏となったことで果実はしっかりと成熟。収量は低かったものの、生命力豊かでエレガントな酸とミネラル感を備えたブドウが収穫されました。良年の2015年のワインがしっかりとした果実味と豊かな糖分を備えたスタイルであるのに対して、2016年のワインは上質な酸を伴うフィネスに富んだ、まさに真のブルゴーニュ愛好家に飲んでいただきたい味わいに仕上がっています。
味わい
外観は深みのあるルビーレッドの色調。グラスからは、完熟したラズベリーやチェリーなどの赤系果実や、スミレや牡丹などの華やかなアロマが広がります。口に含むと、滑らかな口当たりと豊かな果実味に白コショウのアクセント。熟した果実味に新樽の風味が溶け合い、やや熟成感のあるニュアンスを伴った風味が印象的です。複雑味のある余韻が長く続きます。

ジャイエ・ジルはグラン・クリュのエシェゾーや、ニュイ・サン・ジョルジュのプルミエ・クリュであるレ・ダモードなど素晴らしいワインを造り出しますが、隠れた逸品として知られるのがオート・コート・ド・ニュイやオート・コート・ド・ボーヌ。こちらのオート・コート・ド・ニュイは現在のジャイエ・ジルの名声を築いたと言っても過言ではない高水準のものとなっています。

ブドウ樹が育つのは石灰粘土質土壌の畑。収穫した果実は100%除梗を実施し、セメントタンクにて32~33℃で発酵させます。オート・コート・ド・ニュイでは珍しく、新樽比率100%にて17~18ヵ月熟成。こうして造られるワインは、深みのある黒い果実に滑らかなタンニン、甘やかで香ばしい樽の風味が見事なバランスで調和した味わいです。

出典元:https://www.enoteca.co.jp/item/detail/020931001

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