ラドワ シャン・ピュシュエ 2008年 ルー・デュモン クルティエ・セレクション

ワイン

ラドワ・シャン・ピュシュエ 2008年
ルー・デュモン・クルティエ・セレクション
Ladoix Champ Pussuet 2008 Lou Dumont Courtiers Selections AOC Ladoix Rouge

開栓直後は海の香り
漁港の潮ではなく、沖縄の砂浜のような乾いたサラッとした海の匂い。とても涼しげで夜の砂浜を思い起こさせるような香り。
ルーデュモンやクルティエセレクションは難解な絵を見せることが多いけれど、これも例外ではなく、定型的なブルゴーニュワインかた外れた存在。
アーモンド、チェリー、カシスなど多彩な香りが隠れている。ショレやサヴィニー、アロースコルトンとは似ても似つかず、どちらかというとシャサーニュの方が系統は同じ。
味わいは、極めて強い酸性で飲むことのできる限界ギリギリを攻めている。お酢でうがいするほど口腔がギシギシで歯が溶けそうなほど。
それでいて香りは酸化(劣化)してないので、意図した味わいだと思われる。百貨店なら返品されるレベルの酸味。

〜3日後〜

初日の酷い酸は抜けてまろやかになる。変な喩えだけれどメルローちっくというか、乳酸発酵な香りが出ている。

1秒だけ匂いを嗅いだらメルローといってしまいそう。アラサーにはトップノートに頼りすぎているので悩ましい。というか飲んでもなおメルローの若い酸味と乳酸発酵の味わいがする。

ピノ・ノワールというのは本当に難しく、一瞬でわかるものもあれば枯れてくると、一発で確信を持てなくなるものまである。

テイスティングにいくと、ミネラルや海の香りは続き、そこにレモンやグレープフルーツのような常識的な酸味が出る。タンニンはいささかメルローちっくで、アルタエゴパルメや先のサントリー塩尻 岩垂原メルロ 2017のようなニュアンスさえある。

タバコや葉巻のような香りも出ている。奥行きが立体的で余韻も長いけれど、酸味と余韻でギリギリのラインで、シャサーニュ・モンラッシェの赤と答えそうな味わい。

もう一本買うかどうか聞かれるとNOだけれど優れたピノ・ノワールなことは確か。

ちなみに酒石酸の量がすごく、ガムの噛んだあとのようにびっしりとついている。最後の1杯は酸味が弱まったように感じ、ミネラルの奥行きを感じるがライト。

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