高級スーツに合わせるべきもの
お金が掛かっても良いからかっこ良いスーツを着たい。そんなあなたに送る、センスが良くてお洒落な高級スーツの選び方講座の第三回です。
最初から読みたい人はこちら→センスが良くてお洒落な高級スーツの選び方①
第二回はこちら→センスが良くてお洒落な高級スーツの選び方②
それでは今回は、高級スーツに合わせるべきシャツについてを考えていきましょう。というのもせっかく良いスーツを着ているのに、合わせているのが2980円のポリエステル混のシャツという惜しい人は非常に多いものです。
せっかく高級なスーツを買うのであれば、他のアイテムもそのグレードに合わせていくのが良いでしょう。今回はシャツを考えていきます。
高級なシャツの特徴
高級なシャツというのは、一般的なシャツと何が違うのでしょうか。もちろん違いは枚挙できないほど沢山ありますが、ここでは代表的なものを紹介していきましょう。
生地
お洒落なシャツを選ぼうとするのであれば、生地は綿100%のものが当たり前とされています。ポリエステルの生地のシャツは風合いや色合い、シルエットの美しさ、カーブや断面などの仕上がりの綺麗さで綿100%に適いませんし、何より着心地が良くありません。
そういうわけで生地は綿100%のものを選びましょう。また綿の中でも品質の良し悪しがあります。例えば産地で言えば上質な綿として定番なのがエジプト綿です。さらに希少でより良い風合いを持っているのがシーアイランドコットンすなわち海島綿です。
また綿も他の生地と同じく、基本的には番手の高い生地が高級とされています。高級スーツに合わせるシャツとはいえ130〜160番手のものを探せば問題ないでしょう。
実際には全てのシャツに「160番手 シーアイランドコットン」と書かれているわけではありません。その辺りは色々と見ているうちに、手触りや見た雰囲気で良い綿が分かるようになってくるので、心配はありません。
シルエット(動きやすさと美しさ)
また高級なシャツは往々にして可動域に関わる重要な部分の縫製が手縫いであったり、生地の裁断自体が立体的であったりして、動きやすいことが多いです。
見た目そのものも、美しいシャツの特徴を知り尽くしているブランドが作るシャツですので、無駄な部分が一切なく、襟周りや全体的なシルエットも美しい。
この辺りは写真で一度見ても分からないので、実際に高級なシャツを着てみるのが良いでしょう。他にも高級シャツの特徴はありますが、何よりも着てみれば違いはすぐに分かるので、このへんにしておすすめのシャツブランドを紹介しましょう。
高級シャツのおすすめブランド
シャツブランドについては、良いとされるブランドが非常に多く存在していますので、ここに紹介しているブランドを扱っているようなセレクトショップに行って、似た値段帯の様々なシャツを試着するのが良いでしょう。
FRAY フライ
マシンメイド最高峰と称されるFRAY フライのシャツは、少し値段が高騰し過ぎな印象もありますが、それでもやはり高級シャツの定番のブランドです。ジャケットでいうBelvest ベルヴェストに近い位置づけのシャツブランドでしょうか。
縫製こそミシン縫いですが、計算されつくされた縫製のおかげで着心地は開放的。着た時のシルエットもまた、他のシャツでは中々見ることのできない立体的な良さがあります。
それでいて繊細さを感じされる各部の仕上げが、FRAY フライをマシンメイド最高峰にしています。例えば生地と生地を縫い合わせる部分ですが、できるだけ薄く、狭く、できるだけ縫い合わせを感じさせないようにという努力が目に見えるようですね。
ちなみにこのFRAY フライのシャツに勝るとも劣らないシャツをさりげなく作っているブランドが、日本に何気なく存在します。アリストクラティコですね。
Luigi Borrelli ルイジ・ボレッリ
ルイジ・ボレッリのシャツは、世界最高のハンドメイドシャツと言われています。
上質な生地、素晴らしい鋭さと滑らかさを両立した襟のシェイプ、手縫いによる柔らかな着心地。どれをとっても、確かに世界最高と言われるだけの手がかかったシャツです。
これを超えるハンドメイドシャツは、アットリーニのシャツのOEMを手がけたヴィンチェンツォ・ルジェーロやマリア・サンタンジェロなどごく一部の小規模なカミーチェリアだけではないでしょうか。
ちなみにハンドメイドのシャツであるボレリはマシンメイドのフライよりも安い。しかしそれでもフライ=最強の神話が崩れないのは、ひとえにその耐久性ではないかと思っています。
ハンドメイドのシャツはつまるところ手縫いなので、洗濯を繰り返せばほつれる。そのデリケートさは、多忙でハードワークなエクスクリューシヴ達には向いていないのかもしれません。
Turnbull & Asser ターンブルアッサー
あんましイタリアばかり紹介しているとMI6の諜報員がやってきて、消音器付きのワルサーで消されてしまいかねないので、英国の老舗シャツブランドも紹介しておきましょう。
ターンブル&アッサーですね。
イギリスのシャツにはイタリアのシャツのような軽やかさはありませんが、その変わり重厚感と威厳のある襟元が非常に美しく格式高い印象です。生地は少し厚手で、ハリコシのあるブリティッシュトラッドのスーツ生地に相性が良いものが多いですね。前立てあり、ポケット無しのディティールもまたクラシカルな雰囲気です。
ちなみにイタリアのシャツは前立てがないことが多いですが、これは国民性でしょうか。シンプルさを追求したイタリアと、左右対称の威厳を優先したイギリス、ってなほどのものかもしれません。
縫製のレベルは高く、方向性こそ違えどフライのシャツにも近い完成度と、わりとリーズナブルな値段を両立しています。
イギリスのシャツの魅力はなによりネクタイをしたときのVゾーンの美しさですから、量感のあるイギリス製のシルクネクタイを合わせて着こなしたいものです。
いかがでしたか?
今回は3回に分けて、高級スーツの選び方を紹介しました。ぜひお金の掛け方に気をつけて、センスよくお洒落な高級スーツを手に入れてください。
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