お金が掛かってもいいから、本当にカッコいいスーツを着たい。下品にならず、だけど地味すぎないお洒落なスーツが欲しい。今回はそんなあなたのために、センスが良くてお洒落な高級スーツの選び方を紹介します。
かっこいいスーツとは何か
かっこいいスーツというものを思い浮かべたときに、どんなものがイメージの中に出てくるでしょう。意外とイメージできないのが普通です。なぜかって、スーツというのは元来「目立たないこと、失礼のないこと」を目的とした非常に退屈な服だからです。
そういうわけで、お金に余裕ができたときにスーツを選ぼうとすると、その中でなんとか奇抜で目立つものを選びたくなってしまうのが人の心というもの。ですが実際には失敗して、下品だとか成金臭いだという悪評を作り出してしまう人は少なくありません。
例えばネオヒルズ族として週刊誌を騒がせた与沢氏のスーツを見てみましょう。
ロールスロイスに7000万を掛ける与沢氏ですから、スーツにもずいぶんとお金をかけているはずです。しかしその着こなしはといえば、下品と言われてしまうものですね。
上の写真の着こなしについて冷静に見てみれば、以下のようなことが言えます。
与沢氏の首の長さに対して襟が高すぎることで顔が強調されてしまっています。また襟の形も奇をてらっているせいで、あまりスマートさがありません。またスーツ自体も、与沢氏の体型に対してラペル(襟)が細すぎるために、なんとなくつんつるてんなような、滑稽な印象になってしまっています。
また生地感についても、ぎらぎらとし過ぎて品がありませんよね。また白シャツに明るいシルバーのスーツのスリーピースということで、仕立てや着こなしはまったくクラシカルではないのにも関わらず、フォーマルさばかりが強調されてしまい、チグハグな道化的な印象になっています。
もちろん与沢氏の場合には、キャラクター作りや演出として奇抜さが必要なのかもしれませんが、うっかりお金に余裕ができたからといって、彼のようなスーツを着てしまっては、かっこ良くありません。
ではカッコいいスーツとはなにか。それはまさに、クラシックなスーツです。
クラシックというのは、古くさくて普通なスーツのことではありません。圧倒的な研究と努力、そして職人としての意識が作り出す「王道」と呼ばれるほどのクオリティを持ったスーツが、クラシックなスーツです。
上の写真のスーツはわりと派手で、同じようなグレーのスリーピースですが、なぜか与沢氏のスーツとは違いかっこ良く決まっている。それはこのスーツがブリオーニという一流のサルトリア(仕立て屋)ブランドが、研究しつくしたバランスで、最高級の生地を用いて作ったローマ仕立てのクラシックスーツだからです。
ダンディでかっこいいでしょう。こちらもまた、一流のサルトリアが作ったスーツです。
このように、クラシックで研究され尽くされたシルエットのスーツはかっこいい。そしてだからこそ高級です。普通の人にはまったく手のでない値段です。高級なスーツを買おうという人は、同じ値段で素晴らしいスーツも、センスの無い成金臭いスーツも買えてしまう。
だからこそ、高級スーツの選び方をしっかりと知っておきましょう。
老舗のスーツ屋で選ぶこと
高級スーツを選ぶときに重要なのは、まずスーツ屋の作るスーツを選ぶことです。
ともするとドルチェ&ガッバーナやプラダなどのスーツを選びたくなってしまうところですが、それらはデザイナーズブランドであって、堂々とした風格の、圧倒的な品質を持つスーツを得意としているブランドではありません。
世界にはスーツをメインとして作り、スーツで評価されて世界的に認められたスーツブランドがあります。まずはそれらのブランドを知っておくのが重要です。
スーツには大きく分けて、3つの伝統的なスタイルがあります。
・ブリティッシュトラッド
・アメリカントラッド
・イタリアンクラシコ
この3つですね。これらはすでに様々なスーツの本や雑誌などで解説されているために、知っている人は多いでしょう。さらに具体的に説明していきましょう。
ブリティッシュトラッド
日本で手に入るブランド
・ダンヒル(オーダーメイド60万程度)
イギリスに行く場合
・サヴィルロウのテーラー(60万〜)
英国の伝統的なスーツは、軍服を模範として発展しただけあり、非常に力強くて構築的なラインなのが特徴です。しかし構築的なスーツゆえ、少しでもサイズがあっていないとボロが出やすく、既製服としてはあまり見つからないのが実情です。
本物のブリティッシュトラッドスーツが欲しければ、ロンドンのサヴィルロウという一角に行き、ビスポーク(オーダーメイド)で作ってもらうしかないのです。
もちろんブリティッシュテイストのスーツは日本にもあるので、好きな人は探してみる価値があります。
アメリカントラッド
・ブルックスブラザーズ(10万〜)
・ラルフローレン(10万〜)
もともと機能的なものが好きなアメリカ人は、スーツの中に必ず着るべきだとされていたベストを無くし、さらに動きやすくリラックスした非構築的なスーツを発明しました。
それがブルックスブラザーズを代表とする、アメリカントラッドのスーツです。
このスタイルが好きであれば、ブルックスブラザーズ、ラルフローレンなどと言ったブランドをチェックするのが一番です。
基本的に実用的、機能的なことがトラッドのアメリカのスーツは他のイタリア、イギリスのスーツに比べると華やかさはありませんが、安く手に入るのは魅力ですね。
またブルックスブラザーズの場合、廉価ラインはタイ製のものが多いです。
イタリアンクラシコ
既製のスーツの中で最も選択肢が広いのが、イタリアンクラシコのスーツです。
イギリスのスーツを見本とし、そのエレガンスを保ちつつも着心地を良くしていったイタリアのスーツは、ナチュラルでありながらお洒落で身体に沿ったシルエットが特徴のかなり万能なスーツとなっています。
特に北部ミラノを中心としたスタイルは、世界のスタンダードになり得る万能さを持っています。それに対し南部のナポリを中心としたスタイルは独特の個性「洗練された野暮ったさ」とも言えるものががあります。
続き↓
センスが良くてお洒落な高級スーツの選び方②
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