【入門】オーダースーツの作り方(オーダーの種類・店選び)

いつも既製品のスーツを買うけど、どうも思うように決まらない。例えば筋肉質な人であれば、肩のサイズに合わせるとウエストや着丈が余ってしまうという経験をしたことがある人も多いでしょう。

また色々とスーツにこだわったから、そろそろオーダースーツに挑戦してみたい!という人もいるはず。しかし初めてオーダースーツを作るときには、分からないことだらけ。どの店に行けばいいのか、どんなものを選んで、どう注文すればいいのか。

「店に行ってよくわからないままスタッフの人に任せていたら、好みと違うスーツができてしまった」なんてことを避けるために、今回はオーダースーツをこれから作る人への入門講座です。何回かに渡って書いていこうと思います。

 

 

オーダースーツは大きく分けて2種類ある

実は一口にオーダースーツと言っても、実際には色々なかたちがあります。それを大きく分類してみると、最終的には二つの種類に落ち着く。

①サイズと色柄を合わせてもらえるという意味でのオーダースーツ

②自分だけのスーツを作り出すためのオーダースーツ

細かく解説していきましょう。

①サイズと色柄を合わせてもらえるという意味でのオーダースーツ

現在主流になっていて、皆さんがまず挑戦していくだろうオーダースーツは前者です。

①のサイズと色柄を合わせてもらえるという意味でのオーダースーツですね。パターンオーダーと呼ばれているものは、このタイプですし、大手の百貨店や大手チェーンのオーダースーツ店はこの形をとっていることが多いです。

このオーダースーツは、つまるところ「出来上がっているスーツの形をベースに、自分のサイズと好みの色柄に合わせておさめてもらう」というものです。それほどスーツにこだわりの無い人でも既製服にサイズが合わないという悩みは持ちますし、あまりスーツに詳しくない人にとってはむしろ、できあがりが想像できた方がありがたい。

そういうわけで「型紙」という、言わばいくつかの種類のスタイルの見本が用意されていて、その中から自分の好みに近いものを選び、生地=色柄を選んで自分のサイズでスーツを作ってもらえるシステムが人気になったわけです。

ですから①のサイズと色柄を合わせてもらえるという意味でのオーダースーツは、

①型紙=スタイル選び

②生地=色柄選び

③採寸=サイズ調整

④詳細=ディティール(装飾など)選び

この4つから成り立っています。

②自分だけのスーツを作り出すためのオーダースーツ

それに対して②の方は、スーツをおよそ一から作り出すような代物です。

①が既製服をベースにして、パターンから自分の好みに合わせて選んでいくのに対し、②はもちろん見本やスタイルのベースこそあれど、ほとんどは客が「こういう物を作って」と頼んで作ってもらうものです。

そういうところに行く顧客は「カジュアルで着るスーツを」「ビジネスで着るスーツを」とお店の人に一任して見立ててもらったり、あるいは何度も何度もスーツを作って、自分で好みのスタイルを追求していったりします。いずれにしても、既製服ではできないこだわりや、自分の哲学を持っている人が多く、値段も30万〜というのが普通です。

こういったスーツを作る場合にはスーツを作る客のほうもある程度知識があった方がうまくいきます。そうでない場合には、丸投げで作ってもらうことになるでしょう。いずれにしても、「サイズが合えばいい」「好みの色や柄ならいい」という人にはあまり適していません。

オーダースーツの店選び

 

オーダースーツを作るうえで最も重要なのは、店選びです。特に採寸をする人のセンスというのは、仕上がるスーツの出来に大きく関わります。

例えば極端な話をしてしまえば、1980年代からスーツの勉強をしていない人が採寸をしたなら、そのスーツが1980年代風になってしまう可能性は低くないわけです。

またあまり愛想の良くない人や、自分の話に耳を傾けてくれないような人だったりした場合、いくら値段が安かったりと他の条件がよくても、結局自分のスーツの好みや理想像が上手く伝わらなかったり、上手く汲み取ってもらえなかったりしてオーダーしたスーツが全然気に入らず着ないというもったいない状態にもなりかねません。

大げさに思われるかもしれませんが、これは本当にある話です。スーツの採寸を行う人は職人なので、自分の「これが正しい」という考えを持っている人が多い。あまりに頑固な気質の人の場合には、いくら自分好みのスーツを作ろうとしても、その「これが正しい」を押し付けられてしまって好きなスーツが作れない場合は少なくありません。

例えば今風にショート丈、タイトなジャケットを作ろうとしても、その職人が「正統なトラッドは着丈が長く、ウエストは極端に絞らない」という頑固なこだわりを持っていたら、結局出来上がってくる物はそういうスーツになってしまうことが多いです。

もちろん百貨店などのパターンオーダーでそこまで極端なこだわりを持った人に当たることはそれほど多くありませんが、多かれ少なかれそういうものはあります。

なので簡単に身も蓋もない言い方で表現しまうなら、柔軟な思考で話の分かる、息の合う気持ちの良いスタッフのいる店で作りましょう。若いスタッフでしっかりとスーツのことを勉強している人はトラッドもトレンドも知っているので、どんなスーツも作ってくれます。また思考が柔軟なので、好みを反映してもらいやすいし、感じの良い息の合うスタッフならばなおさらです。もちろん歳の上の人でも柔軟な思考を持っているスタッフなら全然良いし、むしろおすすめです。

いかがでしたか?

次回は具体的なオーダーについて書こうと思います。

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