【入門】オーダースーツの作り方②(生地選び編)

前回はオーダースーツの作り方①として、オーダーの種類や店選びについてを解説してしみました。基本的なことながら、意外と失敗の原因になりやすいオーダーの店選びについて詳しく書きましたので、読んでいない人は是非チェックしてくださいね!

今回はオーダースーツを実際に作る際に、まず重要になる生地選びについてを書いていきましょう。

オーダースーツの生地選び

オーダースーツを作るということは、半分は生地を選ぶということだといっても過言ではありません。スーツというのは生地で出来ているものですから、その生地を気に入っていれば気に入ったスーツになる可能性は高いし、逆もありえます。

そういうわけでまず生地を選ぶわけですが、生地を決める上で気にするべきことは以下の通りです。

 

①スーツの用途

間違いなく気にしなければならないのは、スーツの用途です。

例えばスーツの用途がビジネスならド派でなチェック柄のスーツは使えないことが多いですし、逆に遊びで休日に着るスーツなら細いストライプではむしろ使いにくいでしょう。またちょっとしたパーティなど特別な日に着たいスーツなら、それなりに華やかなスーツであることがむしろ「礼儀正しい」ことも少なくありません。

なのでオーダースーツの生地を作る際にはまずスーツの用途をはっきりさせましょう。意外と色々欲張ってしまうと、何にも使えないスーツができてしまうこともあります。ビジネスならビジネス、カジュアルならカジュアルという風に振り切ってしまった方が意外とうまくいくことは多い。

例えばカジュアルに使うならベージュのコットンのスーツにしたり、派手なチェック柄のスーツにしたりして、休日にカットソーやタートルネックのニットなどで着こなしたりするのもおすすめです。

②欲しい季節感

次に気にすべきは季節感ですね。

どの季節に着るスーツを作りたいかによって、選ぶ生地は相当変わります。例えば真夏にだけ着るスーツを作りたければモヘヤ混の生地や、麻の入った生地の中でもかなり薄手の物を選ぶのが良いですし、逆に真冬専用なら分厚いツイードの生地を選ぶのが良いかもしれません。

ですがもしそれが「春〜夏にかけて着たい」となったならば、選ぶ生地は少し変わってくるでしょう。「秋冬にオールラウンドで着たい」ともなれば、秋に重すぎる分厚いツイードは早速候補から外れて、重ね着やベストの着用を前提とした薄めのフランネルやサキソニーなどの起毛生地が有力候補になりますね。

このように、まずは欲しい季節感をはっきりさせます。年中使いたいスーツの場合には一般的に「オールシーズン」と呼ばれている生地よりもやや軽め、やや薄めの春夏生地を選び、スリーピース(ベスト付き)でオーダーするのがおすすめです。

③スーツの使用頻度

さて、生地を選ぶ上で意外と重要なのはスーツの使用頻度です。なぜなら生地によってスーツの耐久性はずいぶんと変わるからですね。

例えば冬向けのごわっとしたツイード。これはハリスツイードのようなヘビーなものであれば10年に渡って毎シーズン毎日着用しても、おそらく味が出てくる程度です。

しかしそれがカルロバルベラ社のリゼルヴァ、カノニコ社のリベンジ、エルメネジルドゼニア社の15milmilなどのかなり繊細なウーステッドになったならば、毎日着用したらワンシーズンでダメージが目立ってくる可能性も少なくありません。

このようにオーダースーツを作る際に選ぶべき生地は、求められる耐久性によっても変わってきます。作りたいスーツは毎日職場に着ていくためのビジネススーツなのか、特別な日に着る一張羅なのか、そのあたりも合わせて採寸スタッフに伝えることで、適切な生地を選んでくれるはずです。

④生地の柄

これは当たり前のことではありますが、改めてしっかりと検討すべきことですね。生地の柄というのは、ともすると「なんとなく」良さげに見えるストライプなんかを選んでしまいそうですが、実際にそれがスーツになったとき、着こなしやすいのは、気に入るのは本当にその生地ですか?

スーツをお洒落に着こなそうと思ったら、もっともセンス良く簡単に着こなせるのは無地です。無地のスーツはどの柄のシャツとも着こなすことができ、そのためネクタイの幅も広い。すると自然とバリエーションが増えますし、組み合せを作りやすいんですね。

それに対しストライプは、まずストライプの種類いかんでは、そのストライプ自体があまりお洒落でなかったりもします。さらにシャツやネクタイは柄が合わせにくく、着こなしのバリエーションが一向に増えていかないというケースは少なくありません。

逆にチェック柄は?これは意外と着こなしやすい。例えばシンプルな格子柄、いわゆるウィンドウペンなんかはストライプよりもよほどお洒落に着こなすのが簡単です。

suit hanger

このように色々な柄を検討し、出来上がったときに本当に着こなしやすく、自分の好みになりそうな生地を選びましょう。

いかがでしたか?

今回はオーダースーツの作り方、生地選びのコツを紹介しました!

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