これからの時代、日本人は海外旅行に行けるのか?

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こんにちは、はっしーです。
ドル、ユーロ、ポンドがえらいことになってますね。去年、私がフランスに行った時も「かなり高いな」と思ったのですが、今はさらにユーロが高くなっているようです。

海外旅行に恵まれていた人生

私の周りには、年に何回も仕事で海外に行ったり、現地に何ヶ月単位で滞在するような人が多いので、 そうした人と比較すると少ないですが、普通の人よりは海外旅行をしています。
直近10年ではイギリスに2回、フランスに1回、イタリアに10回くらい、台湾にも何回か行きました。アメリカはハワイとグアムしか行ったことがありませんが、ドル圏は更に酷いインフレだと聞きます。

まさかこれほどまで円安になるとは思いませんでした。
1ドル140円になったとき「さすがにありえない」1ユーロ150円になったときも「さすがにありえない」と驚きました。そんな、これからの時代、日本人が海外旅行に行けるのか、少し考察してみたいと思います。

イギリス旅行は極めて難しい

「スイス旅行の費用が非常に高い」ということは聞いたことがあるのですが、スイスを訪れたことがありません。私が滞在した中で、最も費用が高いなと思ったのはイギリスです。

イギリスには2008年頃と2019年頃に訪れているのですが、どちらの旅行も物価がとても高かったです。とにかくホテルの料金が高く、 簡素な古いホテルでも日本の高級ホテルのような価格が必要です。

写真のような、美味しくなさそうなお店でも結構な金額を取られます。

外食が全然おいしくない粗末な店でも、 一人40〜50ポンドは必要になってきます。
2人で行ってドリンクを2杯ずつ頼むと、平気で夕食が200ポンド近くかかってしまいます。

少しオシャレなお店だと、このような大きなメニューから選ぶのですが、 スターター、フィッシュ&シーフード、ステーキ、サイドという風に、 前菜から魚料理、お肉、サイド、メニューを選びます。そして、お水やワインを注文するのですが、あっという間に一人100ポンドは突破します。

当時1ポンド130円程度だったので、1人13,000円から15,000円程度の感覚でしたけど、今だと1人2万円以上になっていくのは確実です。

写真のような、少しインスタ映えするような料理を頼むと、 2人でワイン代含めて4万円くらいは覚悟しないといけません。これは2019年の話なので、今行ったら英国のインフレによってもう少し値段が高いかもしれませんね。

では、「怯え上がって部屋でチーズとパンをかじっていれば大丈夫か?」というと、そうでもなく、 ロンドンには手頃なスーパーが少なく、テスコなど普通のスーパーでも、サンドイッチが日本円で1,000円以上します。 ですので、パンをかじって部屋で過ごしても、1人1,000円から2,000円程度はかかってしまうと覚悟した方がいいでしょう。

フォートナム・メイソンのような日本人に人気な百貨店も、 2019年当時、既に日本と同じかそれ以上の価格帯で販売されていました。「意外に日本よりも安くないなぁ」と思ったのが、その時の印象だったので。今行ったらびっくりするくらい高いんじゃないかなと思います。

ハロッズのアフタヌーンティーはこんな感じの料金で、ケーキとコーヒーが20から30ポンド程度で楽しめます。2人だと日本円にして・・・・・・(白目)

とにかくびっくりするくらいに現金が減っていきます。

イギリス・ロンドンの旅費を計算してみる

出典元:https://uk-trip.com/money/

他のサイトの方で、 総額20万円程度あれば旅行できると紹介している人もいますが、これは現在では厳しいと思います。為替の手数料があるので 20万円を210円で割るとすると、950ポンド……。

ロンドン市街は1泊180〜300ポンド程度のホテルが中心ですので、950ポンドでは、航空券どころかホテル代だけで1周間過ごせるかギリギリです。

https://www.booking.com/

安い時期のBritish Airwaysで往復24万円、2人で約50万円程度の飛行機代がかかります。

観光の入場券や交通費、食費を1人1日100ポンドと計算すると 1週間で700ポンド必要になります。2人で1,400ポンドです。約30万円。

旅費 2名分

  • 往復エコノミー航空券(東京ーヒースロー*2名) 約50万円
  • ホテル代(3万円*7日) 約21万円
  • 滞在費(2万円*7日*2名) 約30万円
  • 合計 101万円

つまり、なるべく節約して、それほど高くないところに宿泊してエコノミークラスで往復したとしても101万円、そこに海外旅行保険やお土産代、その他のコストを加算すると、 2人で120万円から130万円程度が最低限の費用となりそうです。

全くもって意味不明なくらい高いですね。

2012年頃であれば、上記の予算で、プレミアムエコノミーもしくは経由でのビジネスクラス。
ホテルは中2泊をリッツカールトンなど可能なほどの予算です。12年ほど前であれば、相当豪華なロンドン旅行を楽しむことができる価格です。

ちなみに、Booking.comで、ザ リッツ ロンドン(The Ritz London)が出てきたのですが、一番安い部屋で422,122円です。私が旅行していた時期は、16万円から18万円程度で泊まれたような気がします。

いつかツイッターでこんなような内容を読んだことがあります。

「一流のホテルに泊まったことがない人は、一流のホテルのサービスができるわけがない。日本の高級ホテルのレベルが低い理由がそこにあるし、 一人、2000円以下の時給で良い仕事ができるはずがない。」

多分原文は違うんですけど、こんなような雰囲気でした。(意訳)
確かにその通りだなとも思うのですが、現在の日本を考えると、このようなホテルに泊まるのは本当に難しいことです。

イギリス・ロンドン旅費の目安

日本のお嬢様が想像するような、理想的なイギリスの豪華な旅行をするには、現在の日本円で、1人当たり200万円から300万円以上は必要になってしまいそうです。

逆に、なるべく費用を安く旅行するには、リックサックを背負って、治安の悪い地区の格安のホステルに泊まって、 日本から持って行ったカップ麺を食べるようなひもじい旅行をすれば、なんとか一人当たり40万円程度に抑えることが可能かもしれません。

ちなみに、ロンドンから離れれば物価が安くなるかと言われれば、そういうわけではなく、 別に湖水地方に行っても野菜や生鮮食品が少し安くなるかなという程度で、 劇的に安くなるわけではありません。ホテルは少し安くなります。スコットランドのエジンバラに行っても、ロンドンよりは少しマシですが、8割から9割程度の予算が必要になると思います。

フランス・パリ旅行も中々難しい

【2023年秋】フランス ブルゴーニュ地方ボーヌ滞在記」でも紹介しているのですが、フランス・パリは信じられないほどに物価が高いです。

全世界から観光客が集中するので、 パリの駅から近いホテルは一泊3万円以上という強気の設定になっています。日本であれば、5,000円あれば泊まれそうなアパホテル程度の客室でも、200ユーロ程度は取られてしまいます。
1ユーロ=100円なら良いのですが、両替所なんかだと1ユーロ=185円くらいで換金されます。クレジットカードを利用しても180円程度で決済されます。
そのため、200ユーロの部屋を7日取ると、25万円になり無事死亡です。汚い部屋でもこれくらいの価格なので、 駅からかなり遠いところのもっと汚い部屋であれば、 100ユーロから120ユーロ程度で取れるかもしれません。ヤバい国の観光客が多く、トコジラミや病気のリスクなども増加します。

昨年の旅記で紹介しましたが、 ルーブルのブランチは30ユーロ(5,400円)、水は3.3ユーロ(600円)です。東京ディズニーランドを2倍にした感じの予算感になります。

ちなみにサラダ(2,000円)とサンドイッチ(2,500円)程度なので、 もし4人家族が旅行したら、軽食で2万円程度になってしまうかもしれません。スターバックスのコーヒーもとても高いので、 結局、ルーブル美術館では何も飲食せずに、 駅の近くの安売り店でお水を1本1.5ユーロで購入して飲みました。

パリだけでなく、リヨン市街も観光したのですが、空港からリヨン市街を結ぶ30分程度のしょぼい電車があるのですが、これもまたチケット代が高く1人16.30ユーロもします。
2人で往復だと65.2ユーロ、約11,736円です。

京成本線アクセス特急なら、日暮里→成田空港(61km)を1,267円で移動できます。
京成特急スカイライナーでやっと2,567円です。半分以下の距離をトコトコ走る電車で片道3,000円はエグいです。

貧乏旅行なので、なるべくお金をかけずに移動して、ホテルも格安の宿をとりました。まともなレストランに行ったのは滞在中3回程度で、残りはホテルでパンをかじったりと、かなりひもじい旅行をしたのですが、それでも50万円程度の費用がかかりました。

今回は現地で友人達と待ち合わせだったので一人で行ったのですが、 二人で旅行するとしたら1周間で70〜100万円程度が予算となりそうです。

イタリアはやや行ける

イタリアのローマは、パリと同じように物価が高く、レストランの費用もとても高いです。

ただ、幸いにもBAR(バール)の食費は元々そこまで高いものではないので、 パンとエスプレッソで5ユーロ、1,000円以下で収まる感覚です。

物価の高いローマでも、スーパーに行くと、パンが1キロあたり3.5ユーロで購入できます。これにチーズや生ハムなどを合わせても15ユーロ以下に収まりますし、ワインやビールを購入したとしても30ユーロ程度で収まります。

このように購入したものをダラダラと部屋で食べていれば、 意外に安く滞在することができます。
昔の物価が安かった時代のように、何度もレストランに入れないので寂しいかもしれませんが、 イタリアであれば、予算が少なくてもギリギリ楽しめるかもしれません。

そこそこのホテルの朝食会場はこんな感じで、 だいたい安いところでもこの程度は揃っています。

イタリアの人は食事にこだわりが強いので、 一泊一万五千円程度のホテルでも朝が豪華に出てきたりするので、とてもありがたいです。

ちなみに2014年から何度か泊まっているローマのヒルトン系列の某ホテルに泊まると、このような可愛いティーセットやビュッフェが豊富に揃っています。
当時は一泊一人250ユーロ程度でしたが、徐々に値段が上がっていき、最後に泊まった時は2倍程度したと思います。 今はユーロが高いので、これから泊まれるかどうかは怪しいです。

インテリアはとてもかわいいですが、ホテル代もそこそこします。

話がぶれてきたので、まとめてみると、旅費は体感的にはロンドンの0.6倍、フランスの0.7から0.8くらいでしょうか。残念ながら日本よりは物価が高いですが、それでもロンドンに行くよりは遥かに安い予算で済みますし、フランスよりも少し安い感覚があります。

ローマではなく、トスカーナの田舎の方で、個人がやっている民宿に泊まりつつ、 スーパーで買ったものを自分で料理してみたいな、ちょっと牧歌的な生活をしつつ回るのであれば、かなりコストが抑えられると思います。

航空券が高いので残念ですが、1周間で一人であれば30〜50万円程度、二人で旅行するとしたら60〜70万円程度が予算となりそうです。

貧乏くさいことはしてはいけない

今の日本で海外旅行に100万円単位でかけられる人は少ないと思います。

貧乏旅行などは、特に恥ずかしいことではありません。 ただ、間違ったタイミングで貧乏な振る舞いをしてしまうと、とても恥ずかしい思いをするので気をつけてください。

例えば、いろんなレストランに巡って、いろんなものをちょっとだけ食べてみたいから、最小限のオーダーだけして何軒も巡る。これはフランスやイタリアではかなり嫌われます。

レストランで食事をするんだったら、ちゃんと最初から最後まで注文するのが現地のマナーです。

「バルセロナでアジア人差別されて緊急で動画回してます。」

TikTokを見て、めちゃめちゃ恥ずかしい動画を発見してしまいました。

出典元:https://vt.tiktok.com/ZSYCWqGf8/

ある旅行者たちがアジア人差別をされたという内容のもので、 どんなひどいことをされたのか気になって見てしまいました。
対応がとてもひどいという内容だったのですが、 最後まで見ると、なんと2人で注文が合計62.5ユーロです。アスパラ?とパエリアを各1人前、サングリアのハーフデキャンタを1個……

これは……塩対応されて仕方ないです。

入店時の挨拶もスペイン語でしていないんじゃないでしょうか?
この手のある程度の格式のあるレストランだと、 前菜、スープ、肉料理、米料理、デザートなどを注文します。もちろん、それプラスで炭酸水などを注文します。

日本のサイゼリアと違うので、 最低でも前菜と肉料理を来た人数分頼んだ方が良いです。シェアするのはそこまで問題ないのですが、 一人前を想定されているものを 二人で毎回分けているというのは、 マナーのないアジア人だなと思われても仕方ないです。

もちろん最もスマートなのは注文時に「2人で食べたいから2つのプレートに分けてくれ」などと説明できたら最もスマートです

飲み物の注文で足元見られる

また、飲み物の頼み方も絶望的です。とりあえず席についたらボトルの水と、食前酒。ビール(Cerveza)でも良いですが、シェリーやベルムー(ベルモット)なんかを頼むと、「理解のある客が来た!」と思われます。

残念ながら今回注文したサングリアは、観光客向けで現地の人はあまり飲まないものですし、ハーフをシェアするのは御法度です。これならまだティント・デ・ベラノ(Tinto de verano)なんかのカクテルを頼んだ方が良かったです。

なかでも食前酒は、フィノかマンサニーリャのドライ・シェリーを選べば確実です。アモンティリャードは少しクセがあるので飲み慣れてないと不味く感じるかもしれません。

その後に、カヴァの泡、もしくはリオハの赤ワインをボトルで注文すれば、どんな服装をしていて、どんなアジア人だろうと、まともに接客してもらうことができます。

仮にアルコールが体質的に飲めないのであれば、 少なくとも人数分の水を注文しておくと良いです。

日本人はお客様神様だ精神が強く、どれだけ注文が少なくても 全員同じ対応しろという感覚に陥りがちです。また、大きな声を出してスタッフを呼ぶのではなく、テーブルに回ってくるタイミングがあるので、そのタイミングで全て言いたいことを伝えるのが大事です。

日本は390円居酒屋でも「ピンポーン!」「はい!ただいまお伺いします!」と、接客慣れしすぎています。スペインの高級店で、別のテーブルの忙しい担当者に声をかけるのは失礼にあたります。そもそも、一人前も注文していないのを二人でボソボソと食べているようなお客さんは、塩対応されてしょうがないです。

大げさに例えるならば、外国人観光客が日本の高級寿司屋さんに行って、「とりあえず、ウイスキーとカルフォルニアロールを1人前、2人でシェアします」と注文しているようなものです。

塩対応されても仕方ないです。

「あー、日本酒の純米を2合、おちょこ2つ。それと何かお任せつまみと、焼き物。その後に、上にぎりを2人前お願いします。」と注文する外国人観光客が居たら、確実に日本人の常連さんと同等の良い対応を受けることができます。

現地のルールや文化を理解していないと、アジア人差別されたと、謎の被害妄想になってしまいます。

予算が少ないのであれば、滞在中の大半の食事をスーパーなどで節約して、 良いお店に行くのであれば、ちゃんとお客さんと見てもらえる程度の注文をするのが大切です。

スペインのことは詳しくないのですが、イタリアであればトラットリアといった手軽な価格帯のレストランもありますし、ピザを売っているピッツェリアなんかは、ピザ1枚とビールだけで全く失礼ではありません。事前にどんなお店なのかを調べておくのが良いと思います。

話が脱線しすぎてしまいすみません。

台湾に行った方が良い

台湾旅行したのが2019年なので、 もう5年ほど前の情報となってしまい、今と違うかもしれません。

現在は1ニュー台湾ドル=5円と、以前と比較すると2割程度上昇してしまっていますが、それでもかなり安いです。

これだけ円安ですが、直行便が5万円を切っていくことができます。 数年前までは2万円台があったのですが、さすがに世界的な燃料の高騰やインフレにより高くなっているようです。
ホテルの方も7,000円から13,000円程度あれば、大変綺麗なホテルに泊まることができます。

台北に3回行った程度で、あまり地方の方は行けてないのですが、 一番高い物価の台北でもこの程度なので、 飛行機代とホテル代だけでも10~15万円程度あれば1週間くらい行けるのではないでしょうか。

食費の方も、ちょっと良いレストランであれば1食2〜3千円しますが、 屋台のような安いお店では、一食50台湾ドル程度で食べれたりします。ビールと軽食で500円を切ったりするので、かなり日本に似た物価だと思います。

私が初めて行った10年以上前と比べると色々なものが高くなっているなと思いましたが、それでも東京の物価と比較すると大体同じくらいになるんじゃないでしょうか。2008年頃に電脳街に行ったときはいろんなものが安く大量のお土産を買ったのですが、さすがに今は都内と同等の物価です。

BELLAVITAという台湾の高級百貨店に行ったのですが、こちらは三越より若干高いラインナップがありました。ヨーロッパのブランドも豊富ですが、 価格は日本と同等か少し高いくらいです。

そこまで買い物しないのであれば、 1週間の滞在で1人20万円あればかなり楽しめると思います。そして、相当きれいなところに泊まることができると思います。2人でも、毎回ちょっと良いレストランに行っても、30〜40万円あれば、全然お土産までまかなえてしまうと思います。

飛行機のフライト時間も短いので時差も少なく、移動ストレスも軽いです。

これからの時代、日本人は海外旅行に行けるのか?

イギリスは無理だと思います。 よほど資産がない限り、 ロンドンで十分な待遇を受けて楽しく観光するのは不可能です。2人で200万円くらい使う覚悟で行けば、ちょっといい感じの旅行ができると思います。

フランスはそこまでは行かないですが、 2人で120〜150万円くらいあれば、ちょっといい感じのレコードができると思います。

イタリアは場所にもよりますが、田舎を旅行するのであれば、100万円くらいあれば、2人でかなり楽しい旅行ができると思います。

台湾は本当に最高で、30万円くらいあれば2人で1週間、とっても楽しい旅行ができると思います。

台湾は隣にある、たいへんたいへん大きな国が、とても怖い目で見ているので、今後何十年先まで安全に旅行できるとは限りません。私は個人的には台湾が大好きなので、行けるうちに旅行したい思います。

そんなわけで覚悟を決めてヨーロッパに行くのもよし、東南アジアを限りあるコストで楽しむのもよし、沈みゆく日本円を抱えつつ、楽しく生きていきたいですね。

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