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Bouchard Pere & Fils. (ブシャール・ペール・エ・フィス)のワインは教科書的?それとも凡作?

初めて飲んだブシャール・ペール・エ・フィス(以下ブシャール)は、「ブシャール・ペール・エ・フィス ボーヌ グレーヴ ヴィーニュ ド ランファン ジェズュ」という中国人が描かれたボーヌでした。このボーヌは自社畑で生産するキュヴェで、同社のシャンベルタン、ボンヌ・マール、エシェゾーといったトップキュヴェとまではいきませんがドメーヌの本拠地だけあり、滋味深い味わいでミネラルやタンニンの質感は、小規模のドメーヌと比べても引けを取らないような仕上がりでした。

しかし、ブシャールはブルゴーニュ最大級のネゴシアンということもあり、自社畑や買い付け含め相当のワインを量産しています。そのせいか、安いワインの方は画一的なつまらないワインという印象があります。
日本のちょっとした酒屋に置いてあるのがブシャールまた、ルイ・ラトゥール、ルイ・ジャドだと思うのですが、どこでも見かけることができます。そこで少し高級な価格帯、つまりムルソーであれば6,000~7,000円、シャンボール・ミュジニーであれば、8,000~9,000円というプライスがついているものを選んでテイスティングしてみました。

参加してくれた、りんりん氏にはブライドで感想を書いてもらいました。
最初にわたしの感想を書いてみます。

白ワイン ムルソー

シャブリのようなミネラル由来の香り、甲殻類と白い花、バターブリオッシュ
ボーヌの白ワインのような、あっさりとしたミネラル。新樽の香りがする。
クリーンであっさりとしたハチミツの味。VVではないし若い。複数の畑が混ざった。
温度が上がると甘さがチープで駄菓子っぽい

赤ワイン シャンボール・ミュジニー

ローズヒップティー、梅、すもも
ボーヌロマネの開けたてみたい、酸度が高い、クリーン
余韻はやや短い、戻ってくる香りが優しいブーケ
完全除梗で濾過しているからかタンニンが少なく、ワインの骨格がない
キンキンに冷やしても飲めるようなワイン、超熟とはいえずに今がピーク
洗練されているといえなくもない。骨格はない。

どちらも見本のような仕上がり。
ソムリエ試験に出てきてもおかしくないようなシンプルな仕上がりで個性は乏しい。

どちらも物足りない、なんでだ。こんなに美しいのに。
ゆらぎがない、これでは工業製品みたい、強烈な個性が欲しい
ただし品質は安定している。抜栓直後からパフォーマンスを最大まで発揮している。

りんりん

白ワイン ムルソー

有名なドメーヌのAC オリヴィエフレール風
塩っぽい ビスケット ショートブレッド 海鮮系の海を思わせる
シャブリではない ムルソーだと青さが引き出す 高貴な香りが立つはず
ピュリュニーモンラッシェのしょぼいやつ? 醸造アルコール臭い ピノ・グリっぽい
グレイスの甲州?表面が糖でコーティングされたアーモンド、みかんの花。
表面的な甘さ、

予想 ボーヌ? 2014年 3850円

赤ワイン シャンボール・ミュジニー

グロ・フレール・エ・スールの濃密に、ルー・デュモンのようなあっさりさ。
ハイビスカス、ローズヒップ、グロのマンゴーのたねぎし、ドールアンローズほどではないけれど梅酢、香木っぽい香りもある
ヴォルネイっぽい。ヴォーヌ・ロマネ香り。シャルロパンが広域でACっぽい。

予想 ヴォーヌ・ロマネ 2017年 12,000円

ブシャール・ペール・エ・フィスは教科書的?それとも凡作?

どちらも面白い結果でした。りんりん氏にいたいっては白ワインをボーヌ産だと錯覚していました。
このブシャールのムルソーは爽やかの若い草の香りはなく、エレガントでもないので、ボーヌ周辺の安い白ワイン。
またはブレンドされたACブルゴーニュだと錯覚するのは無理ありません。

実際に、私自身が飲んでもこれでムルソーというのはいささか無理があります。
教科書的といえば聞こえが良いですが、広域の畑を混ぜた大衆ワインの粋を出ません。
これならば4,000円以下で購入できる、ミッシェル・グロのブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイ・ブラン フォンテーヌ・サン・マルタンの方が遥かに透明感がありピュアな果実感でテロワールが反映されています。ムルソーだからといって無理に倍近い金額を払うのはバカバカしいです。

まだ上位キュベのシャンベルタン、ボンヌ・マール、エシェゾーを飲んでいないので正確な答えを出すことはできませんが、現時点では低価格から中価格帯のブシャールはハズレという印象を受けます。
今回飲んだワインはやや高額ですが、コルクは形成された合成コルクで長期保管には向きません。せいぜい5年熟成程度を想定しているのだと思えます。ただメリットとしては、形成したコルクはブショネになる可能性が低く劣化が少ないことです。

またワインの特性は抜栓した直後に美味しさのピークが来るように計算されているので、レストランでカジュアルに昼から飲むのであればブシャールでも良いのかもしれません。
ただ凝ったブルゴーニュワインを頻繁に飲んでいるワインマニアであれば、やはり模範生の粋を出ないややつまらないワインが多いといえそうです。

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