MacBook Pro 2018 Core i9 レビュー

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超弩級フラッグシップモデル! Macbook Pro

流行のCore i9と2TBのSSDを備えた最新の超弩級マックブックを貸し出しされたので、過去のマックブックと何が違うのか、使いやすいのかをレビューしてゆきます。

仕様
Apple MacBook Pro Touch Bar 15インチ
2.9GHz 6コアIntel Core i9プロセッサ
SSD 2TB メモリ32GB カスタマイズモデル
MR972J/A 価格: ¥552,740(税込)

ハイエンド デスクトップPCに迫る2.9GHzの6コアCPU

驚くほど進化を遂げたMacbook Pro、デスクトップPC並のスペックを誇ります。
歴代マックの中でも優れたベンチマークの結果を出しています。

 

MacBook Pro (15-inch Mid 2018)

Intel Core i9-8950HK @ 2.9 GHz (6 cores)
5345

しかし価格コムのレビューでも話題になっているように発熱が凄まじく、イラストレーターで簡単な作業をしただけでも、鉄板のように熱々になり手のひらを焼くことになります。
同じように6年前の「MacBook Pro (15-inch, Mid 2012)」でも発熱問題がひどく、Macs FanControlでファンの回転数を手動で設定しなければ熱すぎて使えませんでした。

主にイラストレーターとフォトショップによる画像処理や紙面制作、音楽、動画などに使っていますが、思いの外に動作が早くなった印象はありません。
イラストレーターの起動時に掛かる時間は7~8秒とアプリケーションの起動は以前のMacBook Proとそれほど変化はありません。
2000年頃からアプリケーションの起動の時間が変わらないというのが逆に信じられません。ソフト側も性能が上がっているとはいえ1秒以下で起動してほしいものです。

驚くほど使いにくいTouch Bar

「慣れれば便利」と自分に言い聞かせて使い始めたTouch Bar、これがまた不便な代物でタイピングをしていると上のスライドに触ってしまい、音楽が突然再生したりします。検索窓などを追加できたり、アプリケーションによって表示が変わるのですが、とても操作しやすい場所にあるとは言えません。

結局Touch Barの設定で、誤タッチしやすい「Delete」ボタンの上を空にして事なきを得たのですが、ボタンが無ければ使いにくいのです。
本当にTouch Barが使いやすいのであれば、タイピングするキーも全てタッチパネルにすることでしょう。

また軽量化の弊害でキーストロークが浅くなり、「パチャパチャ」になってしまいました。Macbook AirならまだしもProは仕事で長文をタイピングする人も多いはずなのに、なぜ改悪を続けるのか理解に苦しみます。
スティーブ・ジョブズが好きな訳ではありませんが、彼が生きていない事を今もまだ悔やみます。

Retinaディスプレイの画面の発色が良い!

これ以外に利点はあるのか…?と思えるほど唯一の良い点は解像度が上がったことと、画面の発色がよりリアルになったことです。
15.4型Retinaディスプレイ(2,880×1,800ピクセル)と、既存のマックブックから大幅に広くなり作業もしやすくなりました。プライム・ビデオなどで定額課金制の動画を見る人も多いと思いますが、デスクでビールを飲みながら映画が楽しめるほどです。

これなら軽量化しないで欲しかった

ティム・クックが誇らしげに軽量化を謳ったかは分かりませんが、確かに昔のMacbook Proと比べると1/3近い薄さになり、持ち運びが非常に楽になりました。
そして左右のジャック類が排除され、全てのポートがUSB-Cに一新されました。

右の「MacBook Pro (15-inch, Mid 2012)」と比べると驚くほどにスマートになっています。大学生がスターバックスで自慢するのであれば、これほど美しいガジェットは無いのですが大人が仕事をするのであれば、残念ながら2019年も有線LANで大容量ファイルを急いでアップロードしたり、USB-Aにプリンターを接続して印刷したりすることでしょう。

更には毎日使っているiPhone8 Plusでさえ、付属の標準ケーブルがUSB-Aなのです!外付けハードディスクや、SD/CFリーダー、ラベルプリンター、モバイルチャージャー身の回りの全てがUSB-Aになっています。もちろん時代の先取りをして率先して規格を新しくするのは必要ですが、サードパーティが付いてきていません。

結果として何が起こるかと言うと、見栄えの悪いUSB-C変換ハブをパソコンからプラプラと下げて使うことになり、少し引っ張られただけで機器が抜けてストレスが増したりデータの損失のリスクを負うのです。

小さな改悪と高音質のイヤホンジャック

また他にも小さな改悪として、光デジタル出力とマイクのインプットが廃止されました。光デジタル出力でDACなどオーディオ機器と簡単にハイファイ接続できましたが、これではUSB-Cで繋がなければいけません。小さな改良としてはイヤホンミニジャックの音質が改善されて音楽が心地よく聞けることです。

ひと昔のUSB-DACであるFOSTEX HP-A8(7~8万円程度)と同等か、それ以上の音質の良さです。先ほど光デジタル出力がなくなって良くないと書きましたが、イヤホンジャックから出力してアンプに繋げても耐えうる音質の良さです
音の解像度が優れて分離して聞こえます。小さい音量で聞いても心地よいです。

 

顧客が本当に必要だったもの…。

  • 最大4Kの映像出力が可能なHDMIポート

  • Ethernetポートを搭載

  • SDカード + microSDカードスロット

  • USB-Aポート

充電ケーブルもUSB-Cに統一されることに

これに関しては、やや便利になったと言えます。4つあるどのポートに挿しても充電ができます。しかし以前のマグセーフのような機能は無く、ケーブルに足を引っ掛けるとパソコンは真っ逆さまに落ちてしまいます。また出っ張りが垂直で少々邪魔になります。

MacBook Proはどこを目指し、どこに行くのか?

年々改悪されていくiPhoneと同じように、MacBook Proさえも迷走を続けています。とにかく安定性がなく、アップデート表示も頻繁になりウィンドウズのように不便です。

例えばイラストレーターで作業中に突然画面が真っ白になり、保存も閉じるも押せなくなりました。こういった致命的なエラーはWindows XPのAdobe Creative Suite2以前にしか起こりませんでした。CS3~CS6まで驚くほど安定していたにも関わらず何故かハードもソフトも改悪されてしまいました。
他には、OSXが突然英語になったり、起動時にセーフモードのようにカクカクになるなどバグの宝庫です…。

趣味でヤフオクやアマゾンをする程度であれば、全然問題ないのですが仕事で使う”プロ”の道具としては信頼性が無く、作業中のデータが消えたりと不完全すぎる製品です。未だにWindows7に執着するユーザーのように、Macbook Proでも一定数が昔の機種に依存してゆくと思います。
ソフトウェアアップデートやOSXのバージョンアップも、バグの修正と同時にインターフェイスをがらっと変更するので昔のままアップデートせずに使うユーザーも多くいます。

もし2018年や2019年モデルの最新Macbook Proに仕事の環境を移そうとするのであれば、店頭のデモ機や知り合いに借りたりなどで充分にタイピングや操作性などを確認してから導入することをお勧めします。

2020年9月19日追記

2年間ずっと使い、すっかり慣れました!
それでも未だに思うのがタッチバーは物理キーの方が良かったですし、USB-CからUSB-Aへの変換コネクタは一日中差し込まれています。ずいぶんとUSB-Cが普及しましたが、それでもまだ前時代的な周辺機器がおおいのも事実です。

ただ確実に良くなった点は、USB-CでのiPhoneの充電時間が非常に早くなったことです。そして最近普及してきたSSD2TBなどの大容量ストレージもUSB-C接続によって飛躍的な転送速度を実現しています。一昔前であれば自作PCでS-ATAで接続していたような速度をノートパソコンのポート一つで実現しているのです。
そしてパソコン自体の処理速度も高速化されているので、外付けHDDから外付けSSDにデータを転送しても高速に利用できます。

イヤホンの音質が非常に良い、画面の発色が素晴らしい、バッテリーの持ちが良いなど、利点はいっぱいです。

ただ今年の7月にコーヒーを少しキーボードにこぼしたときは、少量だったのに液晶ディスプレイが故障して8万円以上もの修理費を請求されたということです。今までのMacbookは良くも悪くも隙間があり、少量の液体で壊れることは少なかったので、薄型化の弊害といえそうです。

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