私がなぜ今更になって、イタリアオヤジになる方法についてを書いているかと言いますと、これは知り合いの女性から頂いたとっても上質なイタリアワイン、バローロを飲んでいるからです。
酔っぱらって記事を書くというのはブラック企業である『大人になれる本』編集部では大変に推奨されているところでありますが、それはなぜかといえば「夜遅くまで働くから」というところ。
まあせっかく夜に照明を落として、キャノンボール・アダレイの色気あるサックスの音色を聴き、バローロをあおっているのに、「白パンを使ったジャケパンコーディネート」を書くのも面白みがないので、今すぐ簡単「イタリアオヤジ」になる方法についてでも書こうかと思ったわけです。
ではさっそくいきましょう。
1. コーヒーと決別してエスプレッソを飲む
もしかして、まだカフェに行って「ドリップコーヒーのホットをトールサイズで」と頼んでいる?
イタリアオヤジになりたいあなたは、とにかくドリップコーヒーなんていうものとは決別しましょう。イタリアオヤジからするとドリップコーヒーは「そんなドロミズを飲むくらいなら、テヴェレ川の水(注:絶対飲みたくないものの意)を飲むよ」というくらいのもの。
イタリアオヤジになるには、エスプレッソをシングルで頼んで、シュガーをたっぷり入れて、スプーンでかき混ぜ、混ざりきらなかったシュガーをバリボリしながら飲みましょう。
ちなみにその際、話が弾んでそっちに意識を取られ、いつまでもスプーンでシュガーを混ぜ続けると、より本物のイタリアオヤジに近くなるでしょう。クレマが沈んでいくよ、アミーコ。
ちなみに更に上級イタリアオヤジになりたければ、頼んだ飲み物をそっちのけで、話に夢中になり立ち上がって店の入り口付近で話し始めればOK。
まあ日本ではちょっと理解されにくいので、やるならSolo Pizza Napoletanaでやるのがおすすめですね。
2. Arrivederci Romaを歌いながら家に帰る
何をやけくそになっているんだ、というくらいの量のキャンティクラシコを飲んだあと、ピッツェリアはとっくに軒並み店じまいして、バーさえも追い出されるような時間にフィレンツェのアッレ・グラツィエ橋を渡っていると、大抵1人くらいは飲んだくれたオヤジが「アッリ〜ヴェデルチ〜ローマ〜。バイバイローマ〜」と歌っているものです。
もっとも、Arrivederci Romaは「バイバイローマ〜」なんていう雑な終わり方をする曲ではありませんが(というか、メロディラインが17時のチャイムと同じになっているような気がしますが?)、まあその辺りはだいたい省略、改変されることが多いみたいですね。
イタリアオヤジは酔っぱらっていると特に、誰とも構わず挨拶をして「じゃあねー」と言ったあげく、お家に入って行く老夫婦に「Have Fun!!(なぜ英語?)」とヤジを飛ばしたりするものです。
3. スペイン語の物まねをする
本当にイタリアオヤジになりたいと思ったら、まずは現地流のスペイン語の物まねを覚えるのが一番!この物まねを覚えておけば、イタリアオヤジの輪に一瞬にして入って行くことができるでしょう。
ちなみにその物まねとは、ちょうど日本人が「〜アルよ」と日本語につける程度のステレオタイプな雑さで、全ての言葉に「ス」を付けるというもの。
あなた:Hai capitos? アイ・カピートス(分かったかい?)
イタリアオヤジ:オー!ブラーヴォー!ベーネベーネ!オレー!ピッツァあげるネ!
という具合で、大変良くしてくれること間違い無しです。
4. ナポリをネタにする
まあ、いつの時代もどこの地域も共通の「ヤバイネタ」があるというのは、現地民と親しくなるのに大変役立ちますよね。
イタリアオヤジを目指し、ぜひともイタリアオヤジの輪にナチュラルに入りたいあなたであれば、ナポリをネタにするのが一番。早速ボローニャのサン・ピエトロ大聖堂の裏のバルに行って、一発すっぱぬいてきましょう。
あなた:ナポリって、マジやばいよねー!
イタリアオヤジA : わっかるー!マジやばいよネー!
イタリアオヤジB : ナポリとかマジ難波だよネー!
という具合で話が弾み、次にはナポリがいかに危ないかという話になり、今度はいかにボローニャが安全で清潔で、お肉が美味しくて文化度が高いか、という話になり、いつの間にか彼らの仲間に入っているでしょう。
5. 手ぶらでジェラートを食べながら歩く
いや、イタリアに行くとなぜこんなにも多くの男達が「何も持たず」にぶらぶら歩いているのか、ほとほと不思議に思います。大きなビジネスバッグを持って会社と家を往復する日本人にとっては、彼らが何をしてどう生きているのかまったく理解できません。
そういうわけで、イタリアオヤジになりたかったら、とにかくiPhoneだけ尻ポケットに入れて、手ぶらで歩くようにしましょう。日本のセレクトショップではトラモンターノだのザネラートだのイタリアバッグブランドのクラッチバッグが定番!といって売られていますが、現地のイタリアオヤジ達はそもそもバッグなど持っちゃいないのです。
持っているのはジェラート。そこらのジェラテリアで買ったジェラートを持って闊歩するイタリアオヤジの颯爽さと来たら、まあほれぼれしてしまうほど。
ぜひとも真似して生きたいですね。
これら5つが実践できれば、間違いなくイタリアオヤジになれるはず。
ぜひ試してみてね!