自宅でアンティーク家具をやめた理由

ライフスタイル

日本の部屋のサイズが不足している

Instagramで流れてくる美しい外国の部屋、憧れますよね!
何もかもが違って、薄く少し歪んだ大きなガラスの向こうには庭が見えますし、室内には手刺繍のファブリックから、ベルベットの滑らかなソファやカーテン、オーク材の重厚な家具に、金に塗られた鋳物や、ガラスの調度品など。
何もかも違うのですが、もっとも異なるのが日本の部屋が絶望的に狭いんです……。
天井高が240~260cmの部屋が一般的ですが、イギリスでは270cm以上の部屋も多く、田舎では100平米以上が一般的です。ロンドンは狭いですが、郊外に行くほど広くなってきます。

リビングが20〜30平米以上が想定されているので、家具のサイズが大きいものばかりです。通販でいいな!と思って買うと「こんなでかいの……」とショックを受けることばかりです。キャビネットも1.8〜2メートルは普通、更に長いベッドルーム用も存在します。日本はコンパクトな部屋が一般的なので、相性が悪いのです。

他にも壁にマホガニーが貼ってあったり、 ファブリックの壁紙が貼ってあったり、 これでもかという風に豪華に作ってあります。 これらは湿度が高い日本には合わないこともあり、 そっくり真似るのはそもそも難しいというのもあります。

調度品の時代と国が合わない

TikTokで日本人のお金持ちの動画が流れてくると「うわぁ」と変な声が出てしまうことがあります。
成金趣味な埋め込み窓の高層マンションに、アンティーク家具を詰め込んでいるのですが、時代も国もバラバラなんです。

もっとも趣味が悪いなと思うのは、吹き抜け玄関用の大型シャンデリアをリビングに設置してしまうケースです。本来であれば、大きな郊外の一軒家で両開きのドアを開けた先にどーんとあるはずのシャンデリアを、六本木の狭いせいぜい合計100平米の部屋に飾ってしまうので圧迫感がえげつないです。
上下2フロア分をブチ抜いたり、最上階のペントハウスならまだしも、天井高が足りないとシャンデリアのビーズに手が届きそうな状態になってしまいます。巨大なもの憧れますが、素直に8灯〜12灯のこぢんまりとしたシャンデリアを選ぶのが良いですね。

また、動物の毛皮?を床に敷いて、真っ赤なイタリアソファーに、ゴシック様式にクイーン・アンなど、チグハグすぎるお金持ちも居て、見ていて恥ずかしくなってしまいます。
とにかく「楽天市場で家具を高いもの順にソートした!」みたいなセレクトはザ・成金スタイルです。

「普通に東武池袋の匠大塚で一式そろえた方が全然いいんちゃう……」みたいな動画が流れてきます。名前を出すと失礼になってしまうので具体例は挙げませんが、お金持ち部屋、セレブ部屋とかで動画検索すると色々と失敗パターンも見ることができます。

(かくいう私も昔の自室を見ると恥ずかしいほどに失敗を繰り返していました)

※ゴテゴテで悪趣味だった私の部屋の例

実は質が悪いものがある

「コレ可愛い!」とヤフオクで発見するアンティーク家具、実はアンティークどころかビンテージでもない1990〜2000年代の製造品で、イタリア家具に似せて中国で作っているようなものが、一定数あります。
ファイバーボード(中質繊維板)で骨格が作られ、表面だけ薄く突板が貼られています。突板だけは天然木材で、ちょっとした象嵌細工を施しているものも多いので、初心者は簡単に騙されてしまいます。

「なんで悪いの?」と思うかもしれません。可愛ければいいじゃんと、私も思っていたのですがいざ使っていると、日本の高温多湿環境ではボードが歪んできたり、表面の突板が剥がれてくるのです。1〜2年はキレイなのですが5年、10年と使うとボロボロになります。

アンティーク”調”であって、高品質でないとアンティークにはならないのですね。
伝統的な日本家屋には、角が鋳物で強化されたような桐たんす(桐箪笥)を見かけますが、これは正しく使っていれば何百年も持ちますし、実際に削り直して江戸時代から使われているようなものも数多く残っています。

こうしたものを見慣れている人からすると、アンティーク調で劣化しているものは、安っぽい地方のホテル部屋のように見えてしまうことがあります。

※ラッカー塗装でメンテナンスを断られ、仕方なく自分で塗り直す例

現代人には繊細すぎる

ウレタン塗装、ラッカー塗装でもアンティーク家具を分別できるのですが、肝心の本当に優れた優れたウレタン塗装の家具は、直射日光NG、エアコンNG、水NG、熱いコップNG、定期的な塗り直しと蜜蝋ワックスでの手入れ、などなど非常に現代との相性が悪いです。

英国のクリスティーズの家具を修理していたという人物に依頼したことがあるのですが、平然と「エアコンと直射日光当たらない場所で使用してください」と言われて唖然となりました。

現代人は直射日光バンバンあたって、エアコンがんがん効かせて、熱々のコップも濡れたグラスも起きたいですし、水の輪染みなんかできないゴリゴリのラッカー塗装の方が向いているんです……。

やるなら生産国と時代を合わせよう

まず、日本のフローリングとアンティーク家具の相性が絶望的に悪いです。
英国では最近でこそ、フローリングやリノリウムが増えていますが、従来の家は厚手の総絨毯が一般的です。そうした厚手の絨毯に重厚なアンティーク家具の相性が良いです。

フローリングでも日本のようなペラペラのプリント木目ではなく、天然木材の木の密度が高い床材が多いです。イメージでいうと、革靴で歩くとコツコツ鳴るような床です。
裏を返すと、こうした絨毯や天然木材の床であれば、アンティーク家具が自然と映えます。

また英国ではなくイタリア家具であれば、床は天然大理石も合います。
磨かれた輸入大理石の床がすでに敷いてあるのであれば、全てをイタリア家具で揃えても良いかもしれませんね。

そうはいっても、どちらも難しいと思うので、そんなときはサンゲツの業務用・ホテル用の厚手のタイルカーペットを敷き詰めれば、ちょっとした豪華なシティホテルくらいにはなると思います!

引用:https://www.sangetsu.co.jp/digital_book/carpet.html

サンゲツのモリス・クロニクルズ・デジタルカタログなんかを見ると分かるのですが、床材を天然突板張りの幅が広いものを使っていたり、ヘリンボーン折りにして英国風にしています。そして壁紙の下の巾木(はばき)も輸入だったり少し装飾があるものにしています。

これと天井高さえ工夫して、カーテンレールをポール式で天井スレスレに設置。この程度で、英国っぽさが演出できそうです。

参考にしてみてくださいね。

 

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