久しぶりにアンティークマーケットに行ってきました。
私の生まれた静岡市にはアンティーク店が少なく、市内に数店舗しかありません。アンティークというのは特殊な世界で、情報が欲しくても書籍も少ないですし、日本語の書物となれば初心者向けの本か、大きな図書館に行って専門書を眺めるしかありません。
そして体系的に学ぶのが難しいカテゴリでもあります。例えばガラスひとつとっても、日本、英国、米国、チェコ、イタリア、フランス、ベルギー、ドイツなど製造している国が数多くあり、数年前ならまだしも1990年代のシリーズでさえ情報が少ないです。
バカラやサンルイなど主要なガラスであれば、当時のカタログなどでギリギリ時代やシリーズを推測できますが、無名のブランドとなると材料やシェイプなどで予想するしかありません。
時代、国、用途、形状バラバラのものが世界中に積み重なっているのがアンティークです。今回行って思ったのが、良し悪しを見分けるのは本当に難しいということです。
私にとって「これはゴミだな」と思えるガラスも、ある人にとっては心を動かされる素敵なガラスに見えるかもしません。
ただ、それでもやはり、日本国内のイベントのためか安価に大量生産された「道具」が多いように見受けました。象嵌細工や精緻なガラスは少なく、イッタラやアラビアなどは1950年以前もありましたが、多くは「古い」量産品が多いです。
では掘り出し物は無いかといえば、必ずしもそうではなくアンティーク屋さんが出店するプロの店でも「不明」なグラスが出ています。
私は、ある狭い時代のベルギーのヴァルサンランベールのグラスだけ詳しいので見た瞬間に「Val Saint Lambert Haakon」だと分かりました。特徴的なエアステムに六角のプレート、カッティングでそれとすぐに判断できます。
着色の染料もあきらかにヴァルサンランベールのそれです。
これはeBayなんかでは1万円以上で売られていますが、蚤の市で3千円ほどで入手できました。
ガラスのボウル、こちらもスタンプがないのですが、恐らくVSLなのではと思っています。ネット上では同一品を見つけられなかったのですが、青の着色、ガラスの質感、ハンドカッティングの痕などから9割方でVLSだと思います。
最終日の午後に行っても入手できたので、初日の午前中なんかは、かなりの掘り出し物があったはずです。中々に面白いイベントです。
ただ、唯一気をつけた方が良いのは、夕方まで食べ物コーナーは大混雑。13時ころは100名近くがショップに行列をして、サンドイッチを手に入れるのに1時間近くかかってしまいます。
時間をズラして9〜10時のうちに食べ物を買っておく、もしくは食事をして入場するのをおすすめします。
名称:第18回 東京蚤の市
日程:2022年11月18日(金)~11月20日(日)
時間:9:30~16:00
場所:国営昭和記念公園 みどりの文化ゾーン
住所:東京都立川市緑町3173
※雨天開催、荒天中止。
▼交通アクセス・最寄り駅
・JR中央線「立川駅」徒歩10分
・多摩都市モノレール「立川北駅」徒歩8分