どのジャケットにどのパンツを合わせれば良いんだ??
ジャケパンスタイルの永遠の課題がそれです。「失敗しないジャケットとパンツの組み合わせ方」講座ではそのヒントになるように、あえてNGも含めて具体例を出しながら、ジャケットとパンツの合わせ方を解説しています。
シリーズ『失敗しないジャケットとパンツの組み合わせ方』
これから使うパンツは6種類。
①ベージュのチノパン
②ウール生地スラックス(グレー)
③ワインレッドのスラックス
④紺ストライプのチノパン
⑤グレンチェックのチノパン
⑥白のジーンズ
これらを、ひとつのジャケットに合わせてみながら、どんな組み合わせが良いのか、何が悪いのか解説していきます。
今回使うジャケットは……
【スーツ生地の黒のテーラードジャケット】
ウーステッドのウールを使った、スーツのジャケット。
ツヤ感は少なく、カジュアルな印象のあるPaul Smithのジャケットですが、真っ黒に控えめなシャドーストライプなのでちょっと難しさもあります。
①ベージュのチノパン
評価 ◎
ベージュのチノパンは万能で、このように真っ黒のテーラードジャケットと組み合わせてジャケパンにしても違和感なく着こなせます。
だいたいどんなネクタイを組み合わせても、カジュアルなものであればうまくいくはず。
また、この場合はトップス(上半身)が暗めでボトムス(下半身)が明るめの色合いなので、ジャケパンの全体的なバランスも良いです。
チノパンにはセンタークリースと呼ばれる、真ん中の縦線があるものとないものがあります。
チノパンの場合はセンタークリースがあった方がややフォーマル寄りでスーツっぽさのあるジャケットと相性が良く、センタークリースのないチノパンはややカジュアルなのでカジュアルジャケットと相性が良いと言えます。
ジャケパンに使う場合はセンタークリースがあった方がぴしっと着こなせるのでおすすめです。
②ウール生地スラックス(グレー)
評価 ◎
やや冬っぽさのあるウールの起毛生地を使ったスラックスですが、ジャケットがオールシーズンの素材なので違和感なくジャケパンが決まります。
ジャケットが麻混であったり、トロピカルと呼ばれる夏向きの生地であった場合には避けた方がいいでしょう。
色のコーディネート的にはかなり良いです。
黒のテーラードジャケットとグレーのパンツの組み合わせは、良い意味でフォーマルっぽさがあり、綺麗に決まります。
この場合にはチャコールグレーなど、濃いめでモノトーンなネクタイを合わせるのがおすすめ。
全体的にシックなジャケパン着こなしができます。
③ワインレッドのスラックス
評価 △
このワインレッド(エンジ)のスラックスは綿素材の、細かいコーデュロイ生地。
素材やシェイプ的にはスーツ系のテーラードジャケットと組み合わせてもそれほど違和感があるわけではないのですが……。
正直ワインレッド(エンジ)と黒のジャケットのジャケパン着こなしはちょっとおすすめできません。ワインレッドと黒の相性があまり良いものではないからです。
というのも黒は存在感の強い色で、それがテーラードジャケットのサイズともなればかなり主張します。
ワインレッドもまた派手な色ですが、独特の気品がある色。大きい面積の黒と組み合わせてしまうと、互いが主張しあい滑稽になってしまう。またワインレッドの美しさと気品が失われて、品がなくなってしまいます。
このパンツを使う場合、ジャケットをグレーや紺などにすると良いですね。
④紺ストライプのチノパン
評価 △
綿100%のチノパンは、素材的にはテーラードジャケットと相性が良いアイテムだと言えるでしょう。ジャケパン着こなしに使うにはおすすめのパンツ。
また、ジャケットが無地に近いので、チノパンに入った派手なストライプもジャケパンにするうえで問題はありません。
でも色の相性がよくありません。
黒と紺の相性には気を使う必要があります。
例えば紺のスーツに黒いバッグと黒い靴、というような黒と紺の組み合わせであれば問題はありません。しかし今回のジャケパン着こなしのように、全身の半分を紺、もう半分を黒というような組み合わせをしてしまうとよくありません。
なぜか。
それは黒と紺がどちらも暗い色で、メリハリがないのがひとつ。メリハリがないのに色相が違うので、チグハグな印象になってしまうというのも理由のひとつです。
例えばジャケットがグレーやブルー、ベージュなどであれば相性は抜群です。
ブルーのジャケットで着こなせばこんな感じになります。
⑤グレンチェックのチノパン
評価 ◎
先ほども書いた通りですが、グレーと黒は綺麗目に決まるジャケパン着こなし。非常に相性が良いです。
このチノパンはセンタークリースが入っているので非常にドレッシーに決まりますね。また英国調のグレンチェックもお洒落です。
今回はジャケットが無地に近いシャドーストライプなので、こういった派手目のチェックと組み合わせても非常にお洒落に決まります。
逆にあまり派手なストライプの入ったジャケットの場合は、無地のグレーパンツにした方が無難です。
このジャケパン着こなしの場合にはノーネクタイでも十分インパクトがあります。綺麗目に決めたければ黒いアスコットタイなどがおすすめ。
せっかくモノトーンで決まっているので、色物のネクタイを入れてしまうのはちょっともったいないです。
⑥白のジーンズ
評価 ◎
黒のテーラードジャケットは大胆に白のジーンズで着こなすのもおすすめ。
上の写真は白シャツをそのまま使っていますが、白シャツの代わりに柄シャツを入れればかなりお洒落でレベルの高い上級なジャケパン着こなしができます。
かなりカッコいいです。
ベージュのチノパンと白パンでは、黒と合わせたときの印象が違います。ベージュのパンツはやわらかめで、無難な印象。基本的にどんな場所でも、どんな人でも着こなせる。
それに対し白いパンツは洗練され、ヨーロッパ的でモードなイメージ。
ファッションに自信がある人は試してみて。
いかがでしたか??
ちょっとずつ、どのジャケットにどのパンツを組み合わせて良いかが分かってくると思います。
それでは次回の記事で会いしましょう。