建国記念日を祝って、久々にりんりんさんが遊びに来てくれました。
美味しいブルゴーニュが飲みたいというので豪勢にヴォーヌ・ロマネ名門グロ・フレール・エ・スールのワインを開けることにしました。「シュマン デ モワンヌ ド ヴェルジ 2018」「グロフレール ヴォーヌロマネ プルミエクリュ 2018」
この2種類をテイスティングすることに、感想は#りんりんワインメモからお伝えします。
グロフレール ヴォーヌロマネ プルミエクリュ 2018
2014年植樹のEchezeauxの若い樹で構成されたプルミエクリュをコンクリートタンクで醸造した逸品。 濃密なミルクとカシスのエッセンス。厚みがあって奥行きもあるボリューム感と深く根が張る根菜のようなミネラル感が広がる。
#りんりんワインメモ
里芋や牛蒡、自然薯に近い。 水蓮の香り。 深くて黒い森を走っているような疾走感をもたらすエネルギー、筋肉がついた獅子に追われている。 濃くて黒味がかった薔薇のブーケ、タイムシフトで夕方のロマネコンティ村の十字架のモニュメントのサンバーストが浮かぶ。
アルマジロ系の甲殻類の獣、オブシディアンが熱された香り、菊の花、ひまわり畑、完熟の岡山の白桃、わずかにししとうのような青唐辛子、甘栗、マロングラッセ、にんじんのバターソテー、カンスタブルの絵、乾燥デーツ・ナツメヤシ、ザクロ、タイ産マンゴー、陳皮、たけのこの穂先。
2日目 やはり微かなブショネであることを確信。 とにかくエネルギーが凄まじい、飲み手への体力を求める。 濃いミルク、発酵バター、エシレへの変遷はブショネがあってのもの。 すももキャンディー、ブラックベリー、クコの実、杏仁豆腐、中国製BB弾、ジュニパーベリーと松脂、マリーゴールド、ポピー
躑躅、山茶花の蕾、赤土、落葉樹の枯葉、ウォールナット、ピスタチオの香り。 荒いタンニンが果実味や透明感のある甘味にマスクされているものの境界線が判ってしまうのが、洗練されていない印象を与える。エシェゾーとしてはド三流。 青銅系のブショネと生ゴミ系のブショネのハイブリッド。
シュマン デ モワンヌ ド ヴェルジ 2018
LA TACHEのわずか500メートル上のクリュで造られるブルゴーニュは、シルクロードを介した異文化との交流、その終着点イスタンブールに漂うオリエンタルなハルフェティ。 ベルナールが有する1200年もの歴史を有する修道院への道。 #りんりんワインメモ
干した安納芋の香りに、鮮やかなトルコの黒い薔薇が朝露に濡れる香りと洗練されたサンダルウッドの香りが静かに横たわる。完熟したミラベル、ミラクルフルーツ、月夜に涼しい風に吹かれる大輪のカサブランカ。 厚みがあるが極めて細かい微粒子レベルのタンニンの舌触りはまるでシルク。
唾液との境界や舌の境界面が感じ取れなくなるのはまさに未知の侵略。 とうもろこしのような穀物的な甘み、極めて上質なバニラビーンズ、グァバやパパイヤのトロピーな印象、角ばったミネラル感 、スノードロップ、夜のカフェテラス、火打石、スパーク花火、熱された瓦の香りが複合的に襲いかかる。
2日目 液体の粘度と輪郭、そして硬い若さを感じる。 ピーマンのワタ、スイカの皮、白桃、ピオーネ、水量が少ない渓流、濃縮カシス、黒胡椒、枝付き生山椒、加茂茄子の皮、ブラックカラント、エクアドルのビターチョコレート、ザクロ、なめたけ、濡れた犬、純ココア、あんまん、蒟蒻、とちおとめ、石炭
ヒメネススピノラのようなシェリーの余韻。隆々としたボリュームで、ブルームまみれの黒葡萄。
まさかの2本ともブショネ
若いエシェゾーの木を使ったヴォーヌ・ロマネの方は抜栓前からコルクにブショネの香りがついていました。シュマン デ モワンヌ ド ヴェルジのコルクは甘い香りで当初はブショネが気づきにくい状態でした。
グラスに入れた瞬間に立ち上がる香りから、どちらのワインも健康的とは言いがたい状況でした。
抜栓直後は一応飲めるレベルの軽度なブショネなので試飲を進めることに。
3日目にはヴォーヌ・ロマネは完全に生ゴミ系のブショネの香り、シュマン デ モワンヌ ド ヴェルジは青銅のようなブショネの香りが出ていました。ヴェルジの方はまだ飲める程度のわずかなブショネです。
瓶詰めしてから時間が経ってないので飲めるレベルのブショネでしたが、これが数年するとどんどん悪化していくのだと思います。最近はなぜかブショネを引くことが多いですが、名門ドメーヌの高級ラインナップでもブショネを連続発生するということが証明されました。
ちなみに最近飲んだシャルロパン・マルサネや、ドルーアン・ラローズ、フーリエもブショネだったので閾値が下がって検出しやすい嗅覚になってると思います。
もし今回のワインが健康的だった場合は、「シュマン デ モワンヌ ド ヴェルジ 2018」がお勧めです。
柔らかい酸味と舌触りはテーブルワインとはとても思えないほどの仕上がりです。