いつもトレンドに惑わされない服選びをおすすめしている大人になれる本ですが、
「どうしてもトレンドに則った着こなしをしたい!」「ぜひイタリアファッションのトレンドも解説して欲しい!」との声を頂きましたので、2016年最新のトレンドを紹介します!
実は昨年の秋冬のコレクションをきっかけに今までの流行から、少し主流ブランドの雰囲気が変化し始めているのです。
ちょうど2016年春夏の入荷が全国のセレクトショップで本格的に行われているところですので、それもチェックうえで記事にしていきます!
タイトフィット&幅広ラペルのテーラードジャケット!
今までの流行は、タイトなシルエットを基調として、それに合わせたスリムで細めのラペルがついたものでした。ボリオリやラルディーニ、タリアトーレ、ルビアム、カンタレリなど流行の最先端にいるブランドはどれも、細めのラペルが普通でしたね。
しかし2016年春夏からはそのタイトなシルエットはそのまま、ラペルがぐんと幅広に。クラシック、王道な幅を少し通りこして、ちょっとヴィンテージ感のあるような、太めのラペルが復刻してきましたね。
2016年の一番大きなトレンドセッターは引き続き、太いピークトラペルを大胆にシングルブレステットのジャケットに落とし込んだTOM FORD トムフォードでしょうか。ダニエルクレイグ演ずる007の影響もあって、GUCCI グッチから独立したTOM FORD トムフォードは破竹の勢いで世界一のデザイナーズブランドとなりました。
ちなみにこのデザインの源流は1930年代、40年代のスーツにあり、イタリアのテーラーがそれを1970年代に復刻させていたりもします。
それから2016年のシルエットの動向には、Sartorio サルトリオ、Stile Latino スティレラティーノといったイタリアのメンズファッションブランドの中でも最も注目されているブランドや、新進気鋭で「最新のヴィンテージ感」とも言うべきスタイルを提唱するエイドスといったブランドの影響があるように感じられます。
特に2016年最新のダブルブレステットはかなり太めで、バブルの時期にも通ずる太いラペルを高いゴージラインで採用するという、現在+昔といったシルエットです。
シングルブレステットのジャケットに関してはクラシックなラペル幅に回帰してきた、という程度の太さがメインで、稀に非常に太いラペルのものもあります。また2016年の最新コレクションではトムフォード風のピークトラペルのシングルも数多く見かけますね。
個人的に太めのラペルは好きなので、2016年に始まるこの流れは嬉しいトレンドとして受け取っています。
大人のスポーツMIXは流行から定番に!
2016年春夏に限らず雑誌レオンを代表されるようなジャケットやスーツを使って着こなすカジュアルなファッションが「イタリアファッション」として日本では紹介されていますが、これは厳密には「スポーツミックス」と言います。
スーツやジャケットをドレッシーに着こなすイタリアファッションに、アメリカのカジュアルやミリタリー、スポーツなどを混ぜたミックススタイルですね。
ちなみに英語では「スポーツ」を「カジュアル」と全く同じ意味で使います。テーラードジャケットと日本で呼ばれているものを、イギリスの人は「スポーツコート」と呼ぶわけです。
スポーツミックスの着こなしはもともとアメカジ文化が浸透している日本には非常に親和性が高かったこともあり、2016年にはもはや流行からスタンダードなファッションになりつつもありますね。
例えばスーツにダウンベストを着たり、スニーカーを合わせたり。また2016年春夏であればテーラードジャケットにカーゴパンツやハーフパンツを合わせたり、リュック、カモフラを取り入れたり……。
またカジュアルスーツの袖や裾をまくったり、Tシャツをスーツに合わせたりといったファッションも、広義ではこのジャンルに入るでしょう。
何でもありなこのファッション、個人的にカバーするところではありませんが、色気のある大人のカジュアルを着こなしたい人にとっては、永遠の「ジャンル」として、2016年春夏以降これからの定番になっていくことでしょう。
『ネイビー』のバリエーションがさらに豊富に!
2016年の春夏コレクションで特に目立つのネイビー。
若々しい印象のあるネイビーのトレンドはもう数年前からきていますが、2016年春夏ではさらに、豊富なバリエーションのネイビーが見られるのが特徴ですね。
色合いで言えば定番の鉄紺、ダークネイビーなどに加え、2016年春夏ではかなり青みが強いロイヤルブルーのような色だったり、海の色を感じさせるホエールブルーを濃くしたような紺だったりします。
また、少しどっしりとしたスモーキーな紺もここ数年でイタリアファッションと相乗効果を起こして、2016年春夏に俄然人気な色となってきています。
紺は無地であることも多いですが、柄が入ることもしばしば。
トレンドのウィンドウペンチェックは昨年までの流行であったはっきりした白の線ではなく、ライトグレーやベージュ、同系色で入るようになり、2016年では全体的にうっすらとした印象です。
また2016年春夏のコレクションを見ていると紺の爽やかさで生地感を生かしたものも多数見受けられます。
リネンのざっくりとした感じ、霜、シルクの光沢感、コットンの熟れ感。こういったものと若々しい印象の紺を組み合わせることで、マンネリ化を防ぎ、新しい表情のある2016年のトレンドを作り上げています。
立体感・表情のあるメッシュ織り生地が注目!
2016年の春夏になってジャケットやカジュアルスーツで俄然注目され始めたのが、立体感とネップ感のある表情豊かな生地。
今までは平面でしかなかった生地を、メッシュ織りやネップ、生地のでこぼこでもっと立体的なものにして、2016年はジャケットやカジュアルスーツをもっと楽しく、デザイン性の高いものにしよう!という感じですね。
ちょうどBR onlineさんの2016年春夏の新着ジャケットがその生地感でした。
2016年の春夏ものではちょうどソファやカーテンのリネン、春夏のコットンラグのように、荒っぽい織りのものをインポートの人気ブランド(ラルディーニ、ボリオリ、エルネスト、タリアトーレ、スティレラティーノ、ベルベストなど)で見かけます。
春夏の最新コレクションのうち、エディフィスなど様々なセレクトショップで見かけましたが、ほとんどがポリアミド(=ナイロン)を20%ほど混紡した生地で、ざらざらとした生地感です。スポーツウェアが好きな人には特にしっくり来るかもしれません。
これまではこういった生地を用いることの無かったイタリアの高級スーツ・ジャケットブランドも多くこれらの生地を採用するようになり、日本のセレクトショップの別注力の強さには脱帽ですね。
いかがでしたか?
是非早めに取り入れて、ファッションを先取りしていきましょう