前回は経営者が服を選ぶとき、また服を買ったらすべきことについてを解説してみました。
今回はより具体的に、経営者がどんな装いをすべきか、どんな着こなしを心がけるべきかについてを解説していこうと思います。
まずはチャコールグレーのスーツを着こなそう
どのくらいの日本人が知っているのかは果たして疑問ですし、その着こなしの価値を知る人間に出会えるかどうかは分かりません。ただこれは知っておくと良いでしょう。男の装いの中で最も相手に敬意を払っており、最上級の気遣いを持った装いの一つとされているのがダークグレー=チャコールグレーのスーツの着こなしです。
着こなしは非常にシンプルで簡単です。チャコールグレーのスーツに白やブルーの無地のシャツを合わせ、ドットや小紋柄のネクタイをします。白いリネンかシルクのチーフをジャケットの胸ポケットにTVフォールドで差し、一流とされる靴とそれと同じ革、色のベルトをすれば良いでしょう。
まずシャツは最上級のシーアイランドコットンなどを用いた、見るからに滑らかな生地を用いたものにします。胸ポケットや前立てはついていないものを選ぶのが良いでしょう。
またネクタイに関してはシルクが肉厚でボリューム感があり、光沢や色合いが控えめで上品なものを選ぶのが重要です。柄は大きすぎないものが良いでしょう。特にドット柄や小紋柄という小さな模様がドットのように入ったネクタイは非常にエレガントで、誰に対しても失礼がありません。
このようにして作るチャコールグレーの着こなしが出来るようになれば、あとはそのシャツをストライプにしたり、ネクタイなどを工夫することで、着こなしにバリエーションを作ることもできるようになりますね。
柄や装飾に頼らず一度でもチャコールグレーで完璧な装いができた人は、非常に自信を持って他の着こなしができるようになるはずです。
サイジングを完璧にしよう
スーツにしろジャケットにしろ、はたまたデニムやシャツにしろ、経営者ならば常にサイジングに気を配りましょう。サイズの合わない服を着た経営者はだらしなく見えるか、さもなくば滑稽に見えることでしょう。
逆にサイジングが完璧な着こなしというのはその人に「隙」が無いことを証明してくれますね。
まず注意すべきは、直すべきところをしっかり直してあるか。例えばスーツやジャケットの袖はシャツが1.5cmほど見える長さであるのが理想です。これが長過ぎると、そんな基本的なことにも気を使えないのか、と思われてしまうかもしれません。
スーツの着こなしとサイズ選びについては、こちらで書いています。
またスーツのサイジングが合っているかどうかだけでなく、それが自分に似合う着こなしなのかどうかについても確認が必要です。
例えばかの有名なネオヒルズ族である与沢氏を思い出しましょう。
この着こなしは恐ろしく滑稽ですが、それはなぜでしょうか。まずはシャツの襟に注目してください。首の短い人や顔の大きい人が、このように高い襟のシャツを着るのは、より顔を大きく見せてしまうので注意が必要です。
またそもそも太めの体型の人は、厚い生地で構築的なシルエットのベスト付きのスーツを着ると、よりずんぐりむっくりで太った印象になってしまいます。さらには明るく光沢感のある生地なので、膨張効果が出てしまっていますね。
例えば与沢氏のような体型であれば、芯地を用いない濃い色のジャケットを、襟の低めのシャツと合わせると良いですね。この際ネクタイをしないセンツァクラヴァッタの着こなしにして、首もとを大きく開ければ顔が小さく見えます。彼のような体型の場合には髪を短くし、リゾート感のある着こなしにすることで体型の大きさを親しみやすさに転換することも可能です。
繰り返しになりますが、サイジングは完璧にしましょう。サイジングが間違っていれば隙がある経営者に見られてしまいますし、サイジングが完璧なら隙の無い腕利きの経営者に見えるでしょう。