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スーツ着こなしの基本

仕事先でスーツを着る人は、人生のうちの非常に長い時間をスーツで過ごすことになります。

人と出会うときはスーツのときであることが多いし、仕事をうまくこなすにはスーツの着こなしを大切にしたいところです。

今回はそういうわけで、スーツの着こなしをお洒落でスマートにするための、着こなしの基本を紹介します。

けっこう真面目に解説しますので長いですが、その分内容が濃く参考になる記事が書けたと自負しておりますので、ぜひ最後まで目を通してくださいね!

①グレーか紺のスーツに選ぶ

スーツの基本は国際的にも、紺かグレーがベストだと言われています。逆に日本で人気のある黒いスーツは冠婚葬祭用とされビジネスで着られることはあまりありません。

日本でも比較的最近になってから「スタイリッシュでモードだ」という理由でビジネスに取り入れられただけであり、正式とはいえないのが事実。

普段ビジネスで着るのはチャコールグレーか紺にするのがおすすめです。

またお洒落なスーツを探しているとストライプの入ったものを選びたくなってしまいますが、意外にもお洒落に着こなしやすいのは無地のスーツ。これは後で自由に柄物のシャツやネクタイを組み合せることができるからです。

ストライプの入っているスーツは常にそのストライプを意識しなければならないため、意外と着こなしの幅が広がりません。無地なら色の組み合せだけ考えればOK。

さらに無地のスーツでも生地が良いものを選べば、その高級感がそのままお洒落につながります。

スーツは積極的に無地の紺やチャコールグレーを選びましょう。

②袖丈はシャツが1〜1.5cm見えるように

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有名な話ではありますが、意外と多くの人が無視してしまっているのがスーツの袖丈。市販のスーツは長い分には着れない人がいないという理由から、どれも非常に袖が長くなっています。

手の甲が袖で隠れてしまうような状態で着ている人も少なくありません。

実際にはシャツが1〜1.5cmほど見えるようにするのがスーツ着こなしの基本とされてますし、実際に袖丈をその長さにしてみると気に入って、袖丈の長過ぎるジャケットが恥ずかしくて着れなくなってしまうほどです。

ぜひ調整しましょう。

袖丈の調整は洋服のお直し屋さん、洋服リフォームなどと呼ばれるところにお願いするのが一般的です。

袖丈詰めに掛かる値段は飾りが全く付いておらず、単にボタンのみが付いている下のようなジャケットの場合2000円〜3500円程度。

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さらにボタンホール風の飾りが付いている本切羽デザインのものは、少し高い3500円〜4500円ほどになることが多いです。

下のスーツのようなものですね。

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上の写真良く見ていただくと分かりますが、切羽の具合によっては縫いの跡が少し残ってしまう場合もあります。また

袖のボタンホールが空いてしまっている場合には肩から袖丈を詰めるので、6000円〜8000円ほどかかります。

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既製品のスーツを買う場合には、本切羽でボタンホールの空いているものを買ってしまうとお直しに余計なお金が掛かってしまうことになります。

気をつけた方が良いでしょう。

また開き見せの調整(袖の開く長さが、袖丈詰めに合わせて短くなってしまうので、それを調節する)も同時に行えば、細部へのこだわりが演出できますね。

個人的にはお気に入りのものだけ、開き見せの調整をしています。

③スーツのウエストは絞る

 

時々勘違いされていることですが、スーツのトラディショナルなスタイルはわりとタイトです。もちろん現代の流行のように着丈が短かったり、ラペルが短冊のように細かったりはしませんが、特にウエストはかなり絞るのが美しいとされています。

いわゆるイングリッシュ・ドレープと呼ばれるものですが、まあそんな言葉を知らなくても、ウエストが絞られたスーツは誰にでも美しく見えるものです。

ショップのウィンドウの飾られているトルソのディスプレイを見て、「なんだかやたらとシルエットのカッコいいスーツだな」と思ってスーツ屋に入ることがよくあります。

なんのことはない、裏からそのトルソを見ると、ウエストの部分を絞って(つまんで)クリップで止めているのですね。

実際にはトルソほどウエストを絞れる体型の人は多くありませんが、それでももっとウエストを絞れば良いスーツスタイルになるのに、という人はたくさんいます。

特に細くて身長の高い人や、肩幅が平均よりも広い人。身長の高い人は身長に合わせてサイズの大きいスーツを選ぶことが多いですが、そうすると多くの既製品スーツのウエストはゆったりとし過ぎています。既製スーツは皆の体型で使えなければならないので、必然的にゆるめに作ってあるのです。

また、肩幅が広い人。私なんかもそうですが、身長やウエストなどはサイズ44で十分なのに、肩幅が入らず腕が太いために46を選ばなければなりません。

そういう人は何となく野暮ったい印象のままスーツを着ていることが多い。そんなときに袖丈をびしっと合わせて、ウエストをしっかりと絞ると非常に美しいシルエットになります。

これもお直し屋さんで4000円〜7000円ほどで出来ますので、ぜひ挑戦しましょう。

④着丈は体型に合わせる

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一般に「尻が隠れるくらい」と言われている着丈については、本当にそれで良いのでしょうか。

これは私の思うところでは、スタイリッシュに装うためには「半分無視すべき」ものです。

トラディショナルな着こなしとはいえ尻が隠れる長さのジャケットをするのには足の長さが足りない私のような人もいますし、あるいは「尻が半分隠れる」では既につんつるてんに見える人もいます。

ですから着丈は基本的に、体型に合わせていきましょう。

例えば足の長さに悩んでいる人や身長が低い人は、着丈が長いジャケットではスッキリとして見えません。そういう人は尻が4分の3ほど隠れるような着こなしが良いでしょう。

また既製品のスーツを買った場合には2〜3cmほど着丈を詰めても、お洒落に決まる場合が多いです。

逆に身長が高い人や足の長い人は積極的にトラッドな着丈に挑戦しましょう。非常に堂々とした着こなしになりますし、誰に対しても失礼がなく、流行に左右されないという利点もあります。

⑤パンツはしっかりウエストで履く

 

足がもっと長ければ良いのに、と思う人が多いわりには、パンツ(スラックス)を履く位置が低過ぎて、足がずいぶん短く見えてしまっている人は意外と多いです。

日本では中学校や高校で、パンツをしっかりとウエストで履きベルトでとめている人を、「上げパン」などの呼び名で馬鹿にすることが多いですから、みんな高校のときにはずいぶん低く履いているものです。

そういうこともあって、社会人になってもパンツを腰で履いてしまう人は少なくありません。非常に多くの人が少なくとも、あと3cmから5cm上の位置でベルトを締めるべき、という状況です。

特に今主流の先端に向けて細くなっていくテーパードパンツは、腰の位置がしっかり決まってこそシルエットを美しく見せます。

もう一度、ウエストの位置をしっかりと確認しましょう。

⑥ボタンを全部は止めない

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これはもうすごく有名な話なので、知らない人はそれほど多くないでしょう。スーツのボタンを全部とめるは非常に野暮ったいので気をつけましょう。

具体的には左のスーツジャケットのように2つボタンの場合には上のボタンだけ、右のジャケットのように段返り3つボタンの場合には真ん中一つだけをとめます。

ちなみにこの段返り3つボタンというのは今イタリアを中心に流行しているかたちで、一番上のボタンが襟の裏に返って隠れるようになっているもののことを言います。襟が立体的になり、また熟れた雰囲気があるため個人的にもおすすめ。

また段返りではない3つボタンというのは、少なくとも今は時代遅れとされていますので、気をつけましょう。また5年ほどしたら、ダブルのスーツの完全復活に合わせて3つボタンも復活するかもしれません。

普通の3つボタンのスーツは上の2つのボタンをとめ、一番下を外します。

⑦座っているときにはボタンを外す

 

これは上のボタンのとめ方に比べると、知らない人が多いですね。スーツに限らずジャケットのボタンは、椅子に座ったときには外すというのが正式なマナーです。

マナー以前に、座ったときにボタンをしているとジャケットが不自然な具合に引っ張られて、着心地もよくなく、外見もよくありませんね。

スーツのボタンの使い方について、より詳しく説明しましょう。

シングルのスーツ

・立っているときはとめる

・座っているときは外す

・ベストを着るときには外す

・(お洒落テクとして)ベストを着てもとめる

・カーディガンなどを着るときはどちらにしてもカジュアルなので自由

ダブルのスーツ

・立っているときも座っているときもとめたまま

・ベストはあまり一般的ではない

ボタンのとめかたはともかく、ベストを着たときに締めるか締めないかというのは、ほとんど人によるといっても良いくらいです。

⑧ジャケットを脱ぐならジレを着る

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ワイシャツ=ドレスシャツというのはもともと下着だと言われており、スーツの上着を脱ぐのはつまるところトランクス姿で歩くようなものだ!とヨーロッパ諸国では言われています。

とはいえそんなのは寒々しく広々としたヨーロッパに限っての話で、実際には我が国日本の亜熱帯ばりの湿気とゴビ砂漠並みの日光、そして狂気ともいえる東京の群衆の中を歩けば、イタリア人だって思わず上着を脱ぐでしょう。

しかしお洒落な着こなしをするのであればシャツで歩くのは避けたいところです。そういうわけでお勧めなのが、ジレ(ベスト)を着たスタイル。

近年ではトラッドブームもあり、3ピースのスーツも増えていますね。ジレを着ていればジャケットを脱いでも恥ずかしくない他、凛々しい姿になり、さらにジャケットほどには暑くないという利点があります。

そういうわけで、積極的にジレ付きのスーツを手に入れてくださいね。

⑨スーツに合うドレスシャツを選ぶ

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消耗品であり、毎日洗うものであり、しかも見える面積の狭いワイシャツ=ドレスシャツというのは、なかなか投資をしにくいアイテムではあります。

しかし逆にこのドレスシャツに気を使っている人はまだまだ少ないので、お洒落なドレスシャツを選べば、着こなしで周りの人と差をつけられる可能性が高いです。

そういうわけで、出費としては大きくなりますが、是非ドレスシャツにこだわりましょう。

おすすめのドレスシャツについては、以下の記事で紹介しています。

【おすすめ】本当にお洒落なYシャツはこのブランドで買え!!

ちなみに今選ぶとお洒落なドレスシャツのディティールは以下の通り。

・襟形=ワイドスプレッド

・前立て=裏前立て

・カフス=何でもOK

・胸ポケット=無し

・サイジング=ややタイト

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特に、全体的にすっきりとしたデザインが好まれる時代なので、胸ポケットや前立ては無い仕様のシャツの方がおすすめです。

また形状安定のシャツは避けた方がお洒落です。それはなぜかというと、形状安定シャツやノンアイロンのシャツに使われているような生地はポリエステルがメインとなっているからです。

ポリエステルの入った生地というのは、コットン100%に比べて格段に風合いが悪くなります。

具体的には襟や袖など縁がばさばさとして仕上げが汚くなっていたり、また立体感のない貧相なシルエットになったりします。逆にコットンにはシルエットを丸くふんわりと作り上げる特性がある。縁も丸くしっとりと仕上がり、着心地も柔らかい。

また色合いもコットンの方が自然で、高級感がある色をしています。

だから、コットンのシャツを着ていると少し大人びているような、余裕のあるようなお洒落さが演出できるわけですね。

ぜひ、次のシャツはコットン100%のものを選びましょう。

⑩靴は茶色を基本にする

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紺のスーツを着るにしても、グレーのスーツを着るにしても、茶色の靴ほど使いやすいものはありません。逆に紺のスーツと黒の靴はそれほど相性が良くありませんので、ぜひ茶系の靴を合わせたいところ。

グレーのスーツであれば黒の靴でもかっこ良く締まりますが、それでも茶系の靴をおすすめするのには理由があります。

それは茶系の革靴が、カジュアルな服装でのドレススタイル=ジャケパンスタイルなどに非常に使いやすいことです。特にデニムと茶系の革靴は相性が良く、イタリアファッションのようなお洒落さがあります。

また茶色の靴はいざ他の人と靴が並んだときにも、少しあか抜けて見える。いつも綺麗にして履けば、「お洒落な靴を履いている人」というイメージが付きやすいです。

逆に黒い靴というのは、普通の人からすると20万のジョンロブでも、1万のビジネスシューズでも違いが分かりにくい。

おすすめは断然、3〜4万円の茶系の靴です。

ちなみにベルトと靴の色を合わせるというのは有名な話ですね。スーツスタイルではもちろんのこと、カジュアルでもさりげなく革製品の色を統一していると結構お洒落です。

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こんな感じですね。

ちなみにベルトはFAUSTO COLATO ファウストコラートで、靴はTitlo Classic ティートロ・クラシックのものです。イタリア製とスペイン製ですが、どちらもラテン的な雰囲気を感じられますね。

⑪色使いは2系統3色を目安に

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スーツを着こなすうえで難しいのが色使いで、これはかなり多くの人を悩ませています。もちろん無難に同系色でまとめるのもいいですが、ともすると三回振り返っても今一思い出せない、印象の薄い人になってしまいます。

そこで色使いを考えるのですが、おすすめなのは2系統3色でまとめること。

例えば上の写真では、グレー系のスーツにブルー系のシャツとネクタイを合わせていますね。

他にも紺スーツ+白シャツ+赤ネクタイであれば、白は実質的に系統を持たないので、紺と赤の2系統3色になります。

このようにして作っていく着こなしは統一感があり、それでいて無難すぎずお洒落です。あとはネットなどで個々の色の相性を調べても良いでしょう。

おすすめは以下の組み合せ。

グレースーツに青シャツと紺ネクタイ

グレースーツにベージュシャツとブラウンネクタイ

グレースーツに青シャツとシルバー系ネクタイ

紺スーツに白シャツとベージュネクタイ

紺スーツに青シャツとグレーネクタイ

などなど。

⑫柄は1〜2箇所に使う

 

スーツの柄は一カ所だけに使おう、というのは聞いたことがある人は多いでしょう。

例えばスーツがストライプであれば、シャツとネクタイは無地で。スーツが無地ならシャツを柄に、ネクタイは無地で。と言った具合ですね。

確かにこの1カ所だけ柄を入れる着こなしというのは失敗しずらく、おすすめです。

しかし厳密には柄と柄を組み合わせるのも、イタリアなどでは定番の着こなしとされています。もちろん彼らは常にお洒落なファッションと隣合わせに生きており、常にお洒落な着こなしの手本を見て育っているからこそそういったことが出来るのですが……。

そういうわけで全てを柄でお洒落に決めるのは無理としても、柄を2つくらい組み合わせて着こなすのは十分に私たちでも出来ます。

例えばスーツやシャツが柄ものであるなら、ネクタイをドットや小紋柄してみるのが良いでしょう。

 

そこで色や柄のサイズにしっかりと差があれば、全然くどさの無いお洒落な着こなしになります。

また他にも小さめの幾何学模様のシャツなど、そういうものをメインに選んでおけば、色々なスーツやシャツに合わせてスタイリングができるはずです。

また、レジメンタルより小紋柄を選ぶ方がネクタイはお洒落です。

斜めのストライプ=レジメンタルはもともと所属を表すものであったため、国際的な場ではあまり用いないのがルールとされています。

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もちろん日本であればマナー違反ということはありませんが、せっかくなので世界的にも認められているドット柄や小紋柄を選ぶのがお洒落です。

⑬良いネクタイを知る

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ネクタイといえば、一本の棒状に作られたものというイメージが強いですが、もともとはスカーフを適切なかたちにたたんだアイテムです。

そのため本当に良いネクタイというのはスカーフのように軽やかで、自然で柔らかい風合いを持ったアイテムなのですね。

そういうわけで最高級のネクタイは裏地がついていない、シルクを折り畳んでハンドメイドで作る「7つ折」を意味する「セッテピエゲ」という製法によるものだとされています。

また「トレピエゲ」という「3つ折」を意味する製法のものがありますが、こちらはセッテピエゲに比べるとボリューム感がやや乏しいという欠点があります。その代わり、風合いはまるきりスカーフといった感じです。

今スーツ店などで売られているネクタイのほどんどは、裏地にぺったりと縫い付けたネクタイです。またネクタイに用いられるシルクも安いものは質が悪く、定価1万円以上でないと、あまりポリエステルと変わらないようなクオリティであることも多いです。

なので一度は高級なネクタイというのがどういうものかを見て、それに最も近い風合いや手触り、雰囲気をもったものを選べるようになるのが良いでしょう。

まずチェックしておきたいネクタイは下の物。

・マリネッラ

・アンジェロフスコ

・タイユアタイ

・キトン

もちろん他にも様々な良いブランドがありますが、これらのブランドのネクタイを一度見たら、格安のネクタイとは違うんだなあとちょっと感動すること間違いなしです。

⑭ポケットチーフは積極的に

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ちょっと使いこなすのが難しいということで、なかなか挑戦している人の少ないポケットチーフ。

もちろん必ずしも必要というわけではありませんし、やはり気取っているイメージをもたれてしまうかもと恥ずかしくなってしまうこともあるので、無理に使う必要はありません。

しかしもし余裕があるのであれば、また今のスーツスタイルが少し物足りないという風に感じているのであれば、ポケットチーフには積極的に挑戦してみてください。

挑戦しやすいのはパフドスタイルとTVフォールド。

ポケットチーフの差し方については色々なサイトで解説されているので省略しますが、上の二つが失敗しにくいためおすすめです。

また柄や色使いが難しいようであれば、シルクの単なる白いポケットチーフから始めるのも良いですね。

 

いかがでしたか?

今回はスーツの着こなしで重要なことを、まとめて紹介してみました。どれも基本的なことばかりですが、ぜひ知っておきたいものです。

これからのスーツスタイルをよりスマートなものにしていくよう、お洒落なブランドを見に行く、ファッション雑誌に目を通すなど、常にお洒落な装いを意識していきましょう。

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