【入門】オーダースーツの作り方③(生地ブランド編)

オーダースーツの生地ブランド

前回はオーダースーツの生地選びにおいて、気をつけるべきことを解説してみましたが、今回は実際にどんなブランドの生地を選べばいいか迷っている人に向けて、生地ブランドの紹介です。

もちろんオーダースーツの生地はブランドで選ぶ必要があるわけではありません。手触りや柄が好みと合うか、耐久性や季節感がそのスーツの使い道と合っているかなどを検討した上で生地は選びたいところ。それでも、それぞれブランドを知っておくことで、生地の傾向が分かり選びやすくなるのは確かです。

そういうわけで、いきましょう。

是非チェックしたい一流生地ブランド

まずは、この生地ブランドがあれば是非チェックしておきたいという一流の生地ブランドを押さえておきましょう。これらの生地ブランドは絶対に一流の生地以外を扱うことがなく、どれを選んでも全て品質が保証されている、そのこと自体に価値があります。

カルロバルベラ

ハンガーに吊るされ並んでいる既製のスーツをみていると、ときどき恐ろしく上品で繊細な光沢感を放っている、まるきりグレードの違う生地を使ったスーツに出会うことがあります。そして、そういったスーツに使われている生地はさっぱりと、カルロバルベラ製だったりするわけです。

カルロバルベラの、特にReserva リゼルヴァというシリーズは、天然で取れる最も細くて長い上質なウールのみにこだわり、熟成をして作られる生地です。生地の売れ行きを大幅に良くしてくれるであろうSUPER表記さえも捨てたこのリゼルヴァからは、しっかりと純粋に原毛や生地の品質だけで判断して欲しいというカルロバルベラ社のこだわりが感じられます。

ロロピアーナ

ロロピアーナはイタリア屈指の生地ブランドですが、もう一つエルメネジルドゼニアに比べるとより女性的でエレガントさが際立つ生地を多く作っています。というのも、ロロピアーナはカシミアで有名なブランドでもあり、女性物のストールやコートなんかはセレブの間では定番のアイテムだからですね。

ロロピアーナの生地でおすすめは、強撚糸のウールの生地ですね。これは本来ざらりとした手触りで涼しげ、またシワになりにくい強撚糸が、ロロピアーナ製になると、涼しさはそのまま滑らかで光沢感のある雰囲気になり、独特の色気があるからです。

もちろんロロピアーナ得意のカシミア混の秋冬生地、またリネンのサマーツイードなども驚くほど滑らかで気持ちが良いですね。

アリストン

チェザレアットリーニ、キートンなどこのサイトに度々登場する世界最高峰と呼ばれる既製服ブランドに生地を提供している、知られざる一流生地マーチャントがアリストンです。

他の生地ブランドの多くが北部に拠点を持っているのに対し、アリストンはイタリア南部の街であり、スーツ仕立ての聖地の一つであるナポリに拠点を持っています。アリストンの生地は柄や色合いに独特の華やかさがあるものが多く、また生地自体は軽さが魅力的なものが多いです。

ドラッパーズ

「ビンテージのファブリックか、さもなくばドラッパーズのバンチから選べ」と言われるドラッパーズは、恐ろしく上質な選りすぐりの生地だけを扱うマーチャントですね。

ロロピアーナやゼニアの生地というのはいかにも贅沢な光沢感や滑らかさがあり、繊細な手触りが魅力となっていることが多いですが、ドラッパーズは少し違う。一見ではちょっと地味かな、と思うような生地は、実際に手に取ってみるとそれこそヴィンテージの生地のような目の詰まった上質さに驚かされます。

通な人に選んでいただきたい生地ブランドですね。

コスパ重視の生地ブランド

ついでに知っておいて欲しいコスパ重視のブランドも少し。

というのも、最近はブランド生地のスーツが一般的になってきたせいで、安いスーツ生地の中では、何ともないような生地や品質の悪い生地にそれっぽい名前を付けただけのものも少なくないからですね。そういうとき、コスパ重視の定番ブランドを知っておけば、外れを引く可能性が低くなります。

カノニコ

生地ブランドの中では入門ブランドとされていますが、安定した品質が魅力なのがカノニコ。

とりあえず選んで間違いはない、コストパフォーマンスに優れた生地ブランドです。ちなみに少し高級なリベンジというシリーズは、入門生地ブランドというポジションが定着してしまったカノニコが、「こういう凄い生地も作れるんだぜ」という主張を込めて作っている、恐ろしく上質な生地です。

これは値段からは考えられないほどの美しい光沢と滑らかな手触りが魅力的です。

レダ

カノニコレダと一つのブランド名かのように扱われてしまうほど、双璧を成しているブランドがレダ。こちら入門ブランドとして人気な生地ブランドです。

わりと「高級生地のデフォルメ版」というイメージの強いカノニコに対し、レダは独自の機能性を持った高機能な生地を得意としている印象です。

いかがでしたか?

今回はオーダースーツを作る際に覚えておきたい生地ブランドを紹介しました!

次回をお楽しみに。

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