La Vera Sartoria Napoletana 本物のナポリ仕立て① ラベラ サルトリアナポレターナ

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本物のナポリ仕立て La Vera Sartoria Napoletana

本当のナポリ仕立てというものは非常に厄介なもので、イタリア人でも用事がなければ足を運びたくないというイタリア南部の物騒な都市ナポリに行き、危険な地域に足を踏み入れ、看板もろくに出していないサルトリアをやっとのことで見つけ出し、気前良く数十万円を払ってナポリ人の職人を味方に付けない限りは、採寸さえしてもらうことができないという代物です。

流石にナポリ仕立てに興味があるとはいっても、そこまで出来る人間は限られている。そこで日本で本格的なナポリ仕立ての中で最も手に入れやすい物の中で買おうとすればチェザレ・アットリーニを、キートンを買うことになるわけですね。

しかしそんなこんなでナポリ仕立てを日本で手に入れようとしている人に、絶対に見落として欲しくないブランドがあります。それが今回するLa Vera Sartoria Napoletana ラベラ・サルトリア・ナポレターナです。

Kiton キートンのマスターカッターを創業時から務めたオラツィオ・ルチアーノ氏が独立して立ち上げたこのブランドは、La Vera すなわち本物のナポリ仕立てを自称するブランドです。

そしてその仕立ては世界的なラグジュアリーブランドとなったKiton キートンとも、ナポリが誇る一流サルトリアであるチェザレ・アットリーニとも違う、本物のナポリを感じさせるブランドなのです。

手縫いとサルトの手の通った跡

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まずラベラサルトリアナポレターナのジャケットやスーツを手に取って目を取られるのは、その甘く繊細なステッチです。現在世に出回っているジャケットのほとんどがAMFステッチ、手縫い風のスッッチによるものです。

日本で手に入るものでラペルやジャケット全体、パンツのステッチを実際に手縫いで行っているのそれこそ、ナポリで言えばキートンやアットリーニといったごく一部のサルトリア系のラグジュアリーブランドや、アントニオパニコやダルクオーレといったサルトリアのものに限られてきます。

そしてこのラベラサルトリアナポレターナも、そういった希少なブランドの一つです。

しかし手縫いのステッチとひとことで言っても、実際にはそのニュアンスはブランドによってかなり異なる。 例えばダルクオーレの手縫いステッチは恐ろしく精巧で、洗練された印象です。

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このサルトリアのスーツやジャケットは全体的に洗練されていて、シャープな印象がありますね。アットリーニのジャケットやスーツのステッチはややこれを大まかに、良い意味でラフにしたような印象であることが多いですね。

それに対し、ラベラサルトリアナポレターナのステッチは非常に甘い。上の写真を見直してみてください。ジャケットを引っ張ると、糸が伸びてステッチのところで伸縮しているのが見えるほどに、甘めに縫ってあります。

なのでステッチの一つ一つは大きさが少しずつ異なります。それが可愛らしいし、ナポリ仕立てらしい手縫い感が出ていて素敵ですね。

しかしここで勘違いしてはいけないのは、ラベラサルトリアナポレターナの「手縫い感」が縫いの甘さによって着心地を良くし、またジャケットを柔らかく自然な仕立てにすることを追求した結果生まれたものであり、「手縫い感」を狙って行っている装飾ではないということです。

ナポリ仕立てを自称するマシンメイドの一部のブランドでは、手縫い感を演出するためにステッチの幅を極端に長くし、縫い目を揺らしていたりしますが、それは装飾に過ぎません。そういうブランドは「見た目が良ければ良い」という考えでスーツやジャケットを作っていつので、本当に良いものは作っていません。

それに対し、ラベラサルトリアナポレターナは非常に誠実に良いものを追求している証拠として、手縫い感が出ている。ここが魅力なんですね。

もちろん星ステッチ以外にも様々なところに、この追求の証拠があります。例えば襟の縫い付け。

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手縫いによって丁寧に縫い付けられている襟は、別に外から見てよく見えるというわけではありません。しかしラベラサルトリアナポレターナのジャケットは、見える部分に限らず全体がこのように手縫いによって仕上げられていて、その一つ一つが非常に丁寧です。

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こういった部分を眺めてみたときに、職人が縫っている姿をなんとなく思い浮かべることができる。服を着るときにそれほどまでに嬉しいことは、他にないと思います。

次はラベラサルトリアナポレターナのもう一つの魅力を見ていきましょう。

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