【レビュー】Antonio Sanchez アントニオサンチェスのガットギター

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Antonio Sanchez アントニオサンチェスとは?

わりに狭いナイロン弦ギターの世界では、エレキギターほど選択肢が多くなく、実際にはいくつかのブランドを並べてその中からギターを選ぶということが多いです。

そしてクラシックギターやフラメンコギターが欲しい人で、スペイン製のギターを使ってみたいなと思った人が一度は目にするブランドが、スペイン製クラシックギターの代表的なメーカーであるアントニオサンチェスです。

このメーカーは入門グレードのギターから、プロが使っていても違和感のない手工物までを幅広くカバーするスペインのギターメーカーです。もちろん安いモデルは機械生産のラインを用いて作っているものかと思いますが、それでもしっかりとしたギターばかりを作っているため、定評があります。

今回はそんなAntonio Sanchez アントニオサンチェスの中でも使い勝手が良く、さらに手が届きやすい値段で人気のエレガットモデルEG-1をレビューしてみます。

Antonio Sanchez EG-1の概要

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このアントニオサンチェスのエレガットEG-1は、スプルースの単板をトップに、マホガニーの合板をサイドバックに用いたモデルです。上位グレードであるEG-5などに比べれば木材のグレードは落ちるかもしれませんが、堅実で量感のある木材を使ったギターですね。

エレガットとは言え、有名なコルドバというメーカーなどのエレガットとは異なり、フルサイズに近い厚さです。

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見た目の印象は落ち着いており、やや寒色なトーンのスプルースが甘いサウンドを想起させます。サイドバックのマホガニーは標準的なマホガニーよりもやや暗い色合いで、少し甘めのサウンドを目指した木材選びが感じられますね。

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ヘッド部分、ペグなどの仕上げを見ても綺麗に作られています。

エレガット大事な部分であるピックアップには、フィッシュマンのClassic IIIがついています。ピエゾタイプのピックアップで、イコライザーとチューナーが付きます。

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またケースはクロサワ楽器のクラシックギターに標準でつけられる、非常に軽量なセミハードケース。わりとざっくりとしたケースではありますが、とにかく軽いのが持ち歩く人間にとっては非常にありがたいですね。

それではアントニオサンチェスの音についてもレビューしてみましょう。

柔らかく甘さのある生音

まずアントニオサンチェスのEG-1を弾いてみると、その生音の綺麗さに驚きます。普通エレガットはピックアップで音を拾ったときのことを考えて作られているため、あまり生音が綺麗ではないことが多い。特に硬く軽い音になってしまっていることがほとんどです。

しかしアントニオサンチェスはほとんどフルサイズのギターと同じ音量、そして優しく甘いサウンドを特徴としています。弾いているときのテンション感もやわらかいため、あまり強く弾くようなスタイルではなく、ボサノバのようにつま弾くような弾き方が合いますね。

コンサートギターのような圧倒的な音量や迫力、フラメンコギターのような歯切れの良さを期待してはいけませんが、クラシックギターを使ってのささやくような弾き語りや、リラックスした音楽にはこの甘いサウンドが非常に効果的だと思います。

ピックアップはDIやプリアンプを通そう

次にピックアップで音を拾ってみました。なるほど原音の甘さや柔らかさが生かされたサウンドではありますが、流石にピエゾだけあってデジタル臭さが抜けません。今回はフィッシュマンのアコースティックギター用アンプでの試奏でしたが、少し不満が残ります。

ですのでアントニオサンチェスEG-1のピックアップを使って音を出すなら、L.R. BaggsのGigProなどのプリアンプを通してつないでみましょう。するとなるほど、なかなか丸みが出ながらも音に芯が出ていい感じになるはずです。

それにしても生音が綺麗でサイズの大きなギターなので、流石にハウリングはわりとしやすいほうではないかと思います。この辺りもやはり、プリアンプやDIを使うことで解決できるのではないでしょうか。

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いかがでしたか?

アントニオサンチェスのギターは値段相応の品質をしっかりと持っていて、その音色には日本製のクラシックギター入門モデルには中々ないような個性があります。このEG-1もスプルースにマホガニーという明るい音色を特徴とする木材を使いながらも、非常に甘くメロウなサウンドを奏でてくれます。

楽器屋さんで見かけたら是非チェックしてみてくださいね!

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平成3年生まれ。
2017年春頃より、二代目ライター田中に就任しました。メンズファッションを主に執筆しています。
以前のライターとも仲が良いので、様々なことを聞いて書いています。

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