ガットギターでボサノバやジャズをやっているんだけど、ライブに出演することになった。バンドの中でガットギターを使うフレーズが出てくる。マイクで音を拾う?いやピックアップが良いよね。
そんな風に思ったあなたのために、もともとピックアップがついているエレガットの中でも、非常に音が綺麗でおすすめな機種を紹介します。
Cordoba コルドバ 「GK studio」
ガットギターを用いたアーティストの中でも最も有名なグループの一つである、ジプシーキングスのためにデザインされたギターのリイシューであるコルドバのGKシリーズ。
その中でもstudioは5万円代という安価な値段設定ながら、マイクとピエゾをブレンドできるピックアップを採用しており、ヨーロピアンスプルースを用いて作られている、恐ろしくコストパフォーマンスの高いモデルです。
コルドバのエレガットの最大の特徴はボディの薄さ。フルサイズのギターに比べれば、3分の2ほどしかないそのボディ厚は、生音でこそフルサイズには及ばないもの、ピックアップで出力したときの使い勝手はピカイチです。
ジプシーキングスと言えば例のチャカチャカと歯切れよく気持ちのいいルンバというリズムが有名ですが、まさにああいった使い方に向いたやや軽やかな音色ですね。
ちなみに、ボディの薄いコルドバのエレガットでも、上位グレードになってくると、「その薄いボディのどこからそんな音出るの?」と疑問に思うほど音が出てきます。
この値段帯ではダントツでおすすめのエレガットですね。
ANTONIO SANCHEZ アントニオサンチェス EG-5
日本ではクロサワ楽器さんが輸入しているアントニオサンチェスは、スペイン製で本格的な作りながらも扱いやすさとお手軽さを備えた素晴らしいガットギターブランドです。
その中でもEG-5というエレガットは、50ミリ幅のネックにカッタウェイという非常にプレイアビリティに優れた仕様となっており、ライブでの仕様に非常におすすめです。ピックアップはフィッシュマンのprefix pro blend。ピエゾとコンデンサーマイクをブレンドして使うことのできるピックアップで、生音に近い綺麗な音が出ます。
アントニオサンチェスのEGシリーズはエレガットにしては極端に薄かったり、小振りだったりせず、わりとノーマルサイズに近いボディを持っています。
ともすると少しハウリングがしやすいかもしれませんが、その分生音が自然でアコースティック感が強いので、出力する音も柔らかく自然な音です。
どちらかと言えばボサノバやジャズなど、つま弾くようなジャンルにおすすめのエレガットですね。
Juan Hernandez ホアン・エルナンデス SAMBA サンバ
ホアン・エルナンデスは単板の木材を用いたハイエンドなギターばかりを製造するスペイン、バレンシアのギター工房です。ギターは全て定価20万円からという、やや高級なブランドではありますが、その分少数の職人でハンドメイドにて作られているギターは完成度が高く、バランスの良い音を出してくれます。
中でもSAMBA サンバは、日本で展開されているホアン・エルナンデス唯一のエレガットモデル。上のアントニオサンチェスと同じく、フィッシュマンのprefix pro blendが採用されており、これも生音に近い良い音を出してくれますね。
とはいえこのホアン・エルナンデスのギターのサウンドは、アントニオサンチェスのエレガットとはまるっきり違います。
恐ろしく歯切れがよく、パーカッシブな音色で、かき鳴らすようなラスゲアートやアポヤンドの素早いパッセージに向いている、つまるところ理想的なフラメンコギターです。これはシカモアという非常に軽い素材をサイドバックに用いていることが大きな理由でしょう。
またこのギターはややボディが薄いため、それも音の歯切れの良さに影響していると思います。それでも低音から高音までバランスよく出てくれるのは、作りの良さゆえですね。もちろんフルサイズのローズウッドを使ったクラシックギターのような音はでませんので、あくまでフラメンコや、ストロークメインの曲におすすめです。
いかがでしたか?
今回はおすすめのエレガットを3つ、紹介してみました。ぜひお店で試奏してみてくださいね。もちろん、モニタースピーカーやアンプで音を出してみるのもお忘れなく。