ジャケパンとは?
まずはジャケパンとはなんぞや、という所から解説していきましょう。読んで字のごとく、ジャケット+パンツの着こなしのことをジャケパンと呼びます。具体的にはこれはテーラードジャケットというアイテムを、チノパンやデニムなどに組み合わせて着ることです。
こんな感じですね。テーラードジャケットはスーツと同じような形をしたジャケットのことですが、スーツの上着ではありません。もちろん物によってはスーツの上着でもジャケパンに使えるものがあったりしますが、ごくわずかなうえ現在の流行とは異なるスタイルになってしまうことが多いので、基本的には専用のテーラードジャケットを用意しましょう。
最初に買うならどんなジャケット?
これからジャケパンスタイルを始める人にとって、最初の難関は「どんなジャケットを買えば良いか」ということです。これはもちろん予算との兼ね合いもあるので必ず「これ」ということはできませんが、しかしおすすめの色や形はあります。
言い切ってしまいますと、“3つボタンの紺ジャケット”です。え?3つボタンって古くさくない?と思う人がいるかもしれませんが、現在お洒落なお店に並んでいるジャケットの多くは3つボタンで、真ん中のボタンを一つだけ掛けて着るようにデザインされています。これはジャケパンの本場であるイタリアでのトレンドを考えておすすめしているので、ご心配なく。
ちなみに黒のテーラードジャケットじゃだめなの?という声も聞こえてきそうですね。カジュアルで着こなすだけならば黒のテーラードジャケットも良いのですが、ちょっとしたパーティや少し上品なレストランに行くときなどには黒よりも紺の方が使いやすいですね。また、黒のジャケットはシャツやネクタイの色が浮いてしまいがちで、マッチングがしにくい。カラーコーディネートの感覚も身に付きにくいので、個人的にはあまりおすすめしません。
ジャケットはどこで買えば良い??
ちなみにジャケパンに使うテーラードジャケットはどこで買ったら良いか。これはセレクトショップに行くのが間違いありません。具体的には以下の3ブランド。
BEAMS F (ビームスエフ)
TOMORROWLAND(トゥモローランド)
SHIPS(シップス)
少し値段は張りますが、品質の良いジャケットなので、長く着ることができる。5年も着れば、結果として安物のジャケットを買うよりもずいぶん安上がりになってしまいますので、おすすめです。
もう少し安く欲しければ、スーツセレクトやスーツカンパニーなどでも良いでしょう。こういったところで買う場合にはスーツを買ってしまわず、必ず店員さんに「ジャケパンに使うテーラードジャケットが欲しい」と相談しましょう。
ちなみに、お洒落な人たちがこぞって買い求めているのは、イタリアから輸入されてくるインポートのブランド。値段的には定価で10万円近く、セールで半額になっても5万円代とかなり高価なものが多いですが、こだわっているといずれたどり着くのがこのあたりのジャケットなので、「品質にこだわりたいなあ」と思っている人は最初からこちらに挑戦しても良いかもしれません。
今ジャケパンをお洒落に着こなしている人なら必ず知っているイタリアの人気のブランドは以下の通り。
BOGLIOLI ボリオリ
LARDINI ラルディーニ
もちろん絶対高い物を買わなければいけないというわけではありません。手持ちで使えそうなジャケットがあれば、一度それで試してみるのもよし。とにかく挑戦してみるのが重要です。
それでは、実際にジャケパンを着こなしていくうえでのポイントを7つ紹介していきましょう。
①ジャケットとパンツの色合わせに気をつける
ジャケパンを始めるとき、最初に悩むのはジャケットとパンツの組み合わせです。
ジャケパンで調べてみると「まずはグレーのウールスラックスを」なんていう情報が出てきますが、カジュアルにジャケットを着こなしたいのであればグレーのウールスラックスほど使い方の難しいアイテムはありません。
それでは何が良いかというと、テーパードシルエットのチノパンですね。テーパードというのは先に向かって細くなっていくシルエットのことで、現在の主流となっています。脚の形に沿うため、無理なく細身に見えるというメリットがあります。
では何色のパンツが良いか?
実は殆どどんな色のジャケットにも合わせることのできる魔法のパンツとも呼べるパンツがある。それがクリーム色の綿パンです。この薄いベージュのチノパンは白パンにも近いアイテムなので、非常にお洒落な印象があります。単体ではインパクトが無い分、紺やグレーのジャケットはもちろん、果てはジャケットがピンクや水色になっても合わせられるので最初に一本買うのであれば間違いなクリーム色がおすすめ。
その他にはライトグレー、ベージュ、紺などのパンツがあればジャケパンに使いやすいですね。
デニムを使ったジャケパン着こなしは、メンズ雑誌レオンなんかでは「ジャケデニ」と呼んでいて、これまたお洒落な着こなしです。ジャケットの持つ綺麗目な印象とデニムのワイルドな印象を組み合わせると、かなり伊達男な雰囲気になります。
ジャケットとパンツの色合わせで気をつけるべきなのは、近い色合いの物を選んでしまわないこと。例えばベージュにベージュなどを組み合わせてしまうと、上級者ならともかくこれから挑戦する人は失敗してしまいやすい。まずはメリハリをつけ、コントラストを効かせてあげるのが重要です。
②シルエットはタイト目を選ぶ
ジャケットとパンツの色の組み合わせが分かったら、次はサイジングに気をつけましょう。先ほどチノパンはテーパードが良いということを話しましたが、ついでに言うのであれば丈は少し短めの方がスマートに決まります。
特に現在では9部丈にも見えるような丈感がトレンドとなっていますが、これはまあ同じ色のチノパンを3本も4本も持っているようなシャレ者達に任せておけば良いでしょう。私たちは「ノークッション」を目安にするのが、無難でありながらすっきりとした印象になるのでおすすめです。つまり普通の丈からマイナス2〜3センチほどですね。
さらには、パンツに理想のシルエットがあるように、ジャケットにも理想のシルエットやディティールがあります。以下の通りです。
・肩パットが無いor薄い
・ややタイトなサイジング
肩パットが厚いジャケットというのは、がっちりとした印象があり、軽快なジャケパンスタイルには使いにくいです。もちろん今セレクトショップに買いにいけば肩パットが厚いようなジャケットは売っていないと思うので問題ありませんが、古着などは注意が必要です。
また軽快さを求めるジャケパンの場合は、クラシックで堂々とした雰囲気が求められるスーツよりも少しタイトなサイジングのものを選ぶと良いですね。特に重要なのはウエストと袖丈です。ウエストは細身で身体に沿うようなラインになっている物を選びましょう。
袖丈はスーツと同じく、シャツが1.5cmほど出るのがベストです。少し長い分には構いませんが、極端に袖が長過ぎて親指の第一関節にかぶってしまっているような場合には、お直し屋さんで詰めてもらいましょう。特にこの袖丈が合っているかどうかで、お洒落な人とにわかの人と大きな差がつきます。ぜひ意識してみてください。
着丈に関しては、少し長い分にはそれほど気にする必要がありません。しかし極端に着丈の短いジャケットには注意しましょう。尻が半分以上見えてしまうようなジャケットは恥ずかしいと言われています。
ジャケットのサイズ選び
ちなみにジャケットのサイズは少しでも良いものになると44 46 48といった表記になってきます。順にS M L ですが、これは自分がいつも着ているサイズよりも一つ下も着てみると良いでしょう。私なんかは肩幅が広いため国産のジャケットでは48をウエストなど直して着ることが多いですが、わりと肩が広い海外ブランドのジャケットの場合には44を着たりします。
シャツのサイズ選び
サイジングついでに話をしておくのであれば、シャツはサイズ表記が38 39 40 41というような首回りを基準とした表記になっています。
しかしシャツを首回りの実寸+2cmで選ぶというのは間違っています。極端な例を出すのであれば、その選び方では、身長160cmで首の筋肉が発達している人がいて、首の実寸が39cmだとしたら41というサイズ、すなわちXLを着ることになってしまいます。
まずは首回りの実寸に一番近いシャツを着てみましょう。38.7cmなら39cmです。そして全体を見て、大きすぎないかをチェックする。今度は腕を上げたり動いてみたりして、逆に窮屈すぎないかをチェックする。そして第一ボタンを絞めてみましょう。少し苦しいくらいならボタンを買った後につけ直すことで対応できます。具体的には、人差し指がぎりぎり一本入るくらいがベストです。
③ポケットチーフは場所を選んで
ジャケパンスタイルに必須のアイテムとされているポケットチーフ。ネクタイ無しの時にはジャケットスタイルの良いアクセントにもなってくれるので、非常に便利なアイテムです。
しかしポケットチーフというのは、よくも悪くも目立ちます。お洒落な人が沢山集まる場所であれば是非積極的に取り入れていきたいアイテムですが、片田舎でポケットチーフなんか差していたら「気取った勘違い男」だと思われてしまう場合もある。このあたりは場所やシチュエーションを選んでいくのが重要です。
具体的に考えてみましょう。
ポケットチーフが必須なのは、まずフォーマルのシーンです。結婚式などではホワイトのポケットチーフを必ずしていきましょう。また、結婚式の二次会やホテルを会場とした婚活パーティなど少しドレッシーなジャケパンを着こなすときにもポケットチーフがあったほうが良いですね。
また自分が主役として、お客様として招待される場合には華やかに差したポケットチーフが目印になりますから、積極的にするようにしましょう。これは私の話で恐縮ですが、あるデパートの外商イベントに招待されたとき、私はポケットチーフをしていきませんでした。
しかし外商のイベントは一日で数百万円以上買い物をする御得意様だけを集めたパーティですので、私のような若者が客だとは誰も思わなかったようで、逆に「接客すべき客なのかスタッフなのか分からない」という状態になりスタッフの人に迷惑を掛けてしまうことになりました。
しかしどうでしょう、ここで私が華やかなポケットチーフをクラッシュドなど目立つスタイルで差していたならば、誰もが「スタッフじゃないな」と思うはずです。ポケットチーフはこのような「目印」としても使うことができるわけですね。
逆に、レストランで女性と食事をするときにはポケットチーフを外すこともあります。これは例えば女性が緊張してしまっているとき。慣れない高級レストランで緊張するのに、さらには向かいに座る男がきっちりジャケットを着込んでネクタイにシルクのポケットチーフでは追い打ちを掛けられている気分になってしまいます。
イタリア随一の洒落者と言われているフランコミヌッチという男性がいますが、この方は女性と食事するときネクタイを外してラフにジャケットの胸ポケットにしまうと言います。これも同じ理由で、女性が緊張してしまわないためです。
お洒落はこういう気配りがあるとよりレベルが上がっていきますが、特に象徴性と主張の強いポケットチーフというアイテムに関しては、この辺りをよく考えると良いですね。また普通の日にお洒落として、カジュアルに使う場合には綿や柄の入った麻などシルク以外の素材のポケットチーフを使うと、気取った印象にならずおすすめです。
④ベルトと靴は同系色で
ジャケパンに限らず、スーツにも言えることですが、ベルトと靴は同系色にそろえることによってお洒落に決まります。
特に注意すべきは茶色と黒。例えば靴が茶色でベルトが黒だったりすると、非常にちぐはぐな印象になってしまいがちですね。茶色の靴には茶色、黒の靴には黒のベルトが良いですね。ただし上でも同系色と書いてあるように、厳密に同じ色にする必要はありません。
例えば下の靴を見てください。
綺麗な色の靴ではありますが、これと同じ色のベルトを探そうと思っても、なかなか見つかりません。しかしなんのことはない、同系色であれば良いのです。この靴であれば、ブラウンからベージュまで茶系のベルトであれば何でも問題ないでしょう。その他靴がグレーだった場合にはベルトはグレーでも黒でも良いですし、靴が下のような色だったら、ベルトはグレー、ブルー寄りのグリーン、あるいは紺などでも良いでしょう。
ちなみに「あえて外している」というような組み合わせであれば、同系色でなくても問題ありません。靴が茶色でベルトが遊び心のあるマルチカラーだったりしても全く問題ありません。例えば下のようなベルトですね。
「同系色で合わせる」というのは統一感を出すためのコツであって、厳守すべきルールではありません。お洒落に見える組み合わせが思いついたら、気にせず積極的に。自信がなければ同系色で。
ちなみにベルトでアクセサリーの話をせっかくしたので、ついでに他のアクセサリーの話も。
皆さんはブレスレットやネックレスなどのアクセサリーを身につけているんでしょうか?
そういったアイテムはちょっと着崩した雰囲気のあるジャケパン、イタリアファッションとの相性がいいこともあって、取り入れている人も少なくないはずです。
もちろんブレスレットやネックレスも良いのですが、おすすめはリング。シルバーの上品なリングは、ネックレスなど他のアクセサリーに比べて「お洒落している」という感じが少なく、むしろ「好きだからしている」という感じが強いため、さりげなくておすすめなんです。
アクセサリーを身につけるときには、とにかくさりげなさが大事。そう考えると、やっぱりおすすめはシルバーリングですね。
中でもおすすめなのが、イタリアファッションに合わせるためにデザインされた唯一のシルバーリングブランド、カヴァリエリ。
大人っぽい色気とエレガントな雰囲気で、女子受けも抜群です。