なぜスーパードライはマズイのか

年に1回ほど偶然スーパードライを飲む機会がありますが、いつ飲んでもびっくりするほど不味い。筆者は10年以上アサヒ スーパードライの熱心なアンチですが、たまに居酒屋で「生ビール」を頼むとスーパードライが勝手に出てきて味で気づく事があります。メニューやグラスに名前がどこにも書いてなくても、「うおっ!スーパードライやんけ!!」となるのです。

ビールを炭酸水で薄めて石鹸の香りを足したような味わいです。
炭酸も雑で泡が大きいです。きめ細かさはありません。
居酒屋で提供される生ビールでさえ不味いのに、缶ビールを購入するのはどんな人なのか謎に思えるほどです。安ければまだ分かりますが、競合他社と対して変わらない価格帯です。
しかしスーパードライのシェアは大きく、どのスーパーやコンビニに行っても必ず売られていまし、お祭りなどのイベントでも必ず提供されています。

なぜスーパードライはまずいのか

なぜ不味いか何年も考えて居たのですが、一つの結論が出ました。
それは不味い料理に合わせるからです。不味い料理というと失礼ですが、チープな料理に”合う”のです。例えばコンビニの焼き鳥やコロッケ。フライドポテトなどのチープな油にとても合います。それらに、エビスやキリンなどを合わせると料理が負けてしまって釣り合いがあいません。
例えば夏のイベント会場で、汗をかいて安いつまみに合わせるのなら、エビスの生ビールなんて全然合いません。コクや深い味わいを立ち飲みのプラスチックカップで飲んでも喉を通りません。エビスなどの高級ビールはむしろ、座席で無垢の一枚板のテーブルで薄いクリスタルグラスで飲むものです。

つまり百パーセントの美味しさを、どこでも提供すればいいという訳ではなく、カジュアルに乾杯したいときに”スーパードライ”は最適なのです。またコクが無いので、ゴクゴク水のように飲めるというのも利点かもしれません。
他社の濃厚なビールは、ある程度ゆっくり、例えば中ジョッキであれば10分〜20分程度掛けて飲むことを想定されています。乾杯で一気飲みするようなシチュエーションではスーパードライの喉越しのほうが優れていると言えます。

大手各社のビールの特徴

とても個人的な感想ですが、各社のビールの感想も合わせて書き残したいと思います。缶ビールでも飲食店のビールサーバーで提供するビールでも、どちらも”生ビール”ですが、分かりやすいように缶ビールは缶ビール、飲食店の樽でサーバーで提供されるものを生ビールとして紹介しています。

キリン一番搾り
筆者は、地ビールやクラフトビールを除いた大手のビール中で、最も飲む銘柄です。エビスの方が優れていると言われますが、のど越しと香り、コクのバランスが取れていて、天ぷらや唐揚げなどの油ものに合わせるのには最適です。
特に2017年にパッケージ変わってから、味がガラっと変わって劇的に改善されました。複雑さは無いのですが、単調で美味しい味わいです。缶ビールは少し物足りないですが、コンビニではコレを選びます。

エビス
次点で飲みます。ビアサーバーで飲む生だと本当に偉大です。和食を食べに行くと高い確率でエビスの生が用意されていますが、それはエビスが和食に合うからです。高級料亭や割烹で”スーパードライ”しかないなんて店はまずありません。むしろスーパードライが無くて、エビスしかありません。という店を見かけます。
そうは言っても缶だと味が少し劣ります。香りが弱くなり、炭酸が荒くなります。
もう少し泡が細かく味にボリューム感があれば素晴らしい缶ビールになるはずです。

エビス マイスター
エビスをよりリッチに高級に丁寧に作ったそうですが、端的に言うと地ビールをしょぼくした感じです。確かに極端にコクが増し、ホップの苦味なども強く出ています。泡の細かさも立派なのですが、なんとも立ち位置が微妙です。
これなら製造後、数週間〜2ヶ月の地ビールを1本500円出して買ったほうが満足度が高いです。車であれば、スポーツカーとスーパーカーの中間のようで、どっちつかずな企画に思えます。ビールサーバーからの生は飲んだことないので、出来たてを飲めば感想が変わるかもしれません…。

サッポロ黒ラベル
コクも苦味も無い飲みやすいビールです。満足する”最低限”のコクです。スーパードライよりはコクがあり飲んでいる実感を覚えます。しかし缶ビールだとやはり薄く、焼きたて餃子が手元にあっても飲むか悩みます。年に数回コンビニで買いますが、積極的には買い求めません。

サントリー プレミアムモルツ
昔、気に入って頻繁に飲んだのですが、最近のむと桃臭さが受け付けません。
味わいやコクなどは良いのですが、人工香料のような”桃”の香りがキツく出過ぎています。例えばヤッホーブルーイングのペールエール系の柑橘香を無理やり添加したよなニュアンスを受けます。生ビールは、その点香りが自然に仕上がっていて、飲んでも「美味しい!」と思うことも多いです。

サントリー モルツ
コクがあって結構ウマいです。しかし昔のパッケージの時の方が好みでした。
ホップの苦味もあるのですが、それが強すぎず、近年流行の「ホップ3倍」などといった苦すぎるビールよりも自然でバランス良く仕上がっています。マスターズドリームよりも”モルツ”の生ビールの方が料理にも合い美味しいと思います。
少なくとも味の繊細な出汁を基本とした会席料理やコース料理であれば、プレミアム・モルツよりもモルツを選んだ方が良いと思います。

アサヒ スーパードライ
騙された場合以外は絶対に飲みませんし、缶にも触れません。
まれにメニューに「生ビール」とだけ書いてあって、スーパードライの旗やチラシも貼ってない店がありますが、そういった店で誤注文してしまいます。出てきてグラスにスーパードライとなくても一瞬で香りで分かります。好んで飲むことはありません。

オリオン
中身がほぼスーパードライですが、樽生オリオンの思い出で飲んでしまいます。暑い夏の沖縄で飲んだ樽生のオリオンビールは泣けるほどうまいです。沖縄に最適化されすぎて、沖縄ではオリオンの樽生ビール以外は絶対に飲みません。
ビーチで飲むオリオン缶ビールも最高です。しっかり冷やしましょう。

アサヒ ザ マスター
アサヒなのに「何でこんなに美味いの〜〜」と、月に2〜3本飲んでいました。
筆者は熱心なスーパードライの”アンチ”ですが、アサヒは嫌いではありません。ウマいものはウマい。「ザ・マスター」とても良かったのですが2015年位に終売してしまいました。

アサヒ 熟撰(じゅくせん)
笑えるくらいに”ウマい”です!コクと香りと炭酸のバランスが神がかっています。
昔は熟撰の缶ビールが売られていて、一番搾りなんか見向きもせずに買っていたのですが、最近めっきり見かけなくなってしまい飲めていません。
特にしめ鯖や押し寿司などとも相性が良く、アサヒなのに本当に美味しいビールです。スーパードライの売り場の5分の1を”熟撰”のコーナーに変えてほしいです。
それがまた缶ビールしか飲んだことないのに感動したので、樽生はさぞかし素晴らしいんだろうな〜と思いながら、まだ提供するお店に出会えていません…。

という訳で、過激なアンチ・スーパードライですが、アサヒのビールには非常に期待しています。なんてザ・マスターや熟撰がメジャーにならないんだろう…。と世の中おかしいと思っている位です。きっと同じ意見のビールマニアがいるはず!

読者の皆様、「熟撰」見かけたら飲んで下さい!美味しいですし、みんなが飲んでくれればもっとメジャーになるはず。

今回はクラフトビールや小さなブリュワリー、地ビールを無視して大手だけで書いてみました。スーパードライ一党の人、一度他のビールと美味しい料理を合わせて、別の体験してもらいたいです。そして、より美味しいアサヒが出るのを切に願っています…。