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バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」で聴くべきアルバム

弦楽器の音と対峙するとき、息を飲むような緊張感に包まれます。
しかし緊張がありながらヴァイオリンの持つ透明感は、濁った日常の疲れを癒やしてくれます。
協奏曲の中のソロパートでも美しいのですが、今回は贅沢なヴァイオリンだけという”無伴奏”のバッハに絞ってお勧めのアルバムを紹介してみます。

「バッハは一挺のヴァイオリンで宇宙を描いた」
<シャコンヌ>(「パルティータ第二番」の終曲)について語る時、私はいつもこのような表現を用いる。六曲からなるこの曲集が生まれたのが一七二〇年頃。以来三百年に近い歳月が流れたが、人類はこの分野でバッハを超える作品を生み出していない。(中野雄)

こんなカッコいいセリフ言って見たいですね〜。
氏によると”バッハの凄さはもともとが旋律楽器であるヴァイオリンに和声感を持つ音楽を演奏させようと試み、得意斧対位法を駆使して、それが見事に成功させたところにある。”そうです。
私は音楽的知識が無いので分からないのですが、ハーモニー(調和)ということでしょうか。数あるヴァイオリン曲のなかでも完成された曲集であることは確かです。

Amazonミュージックで様々なアルバムが聞ける!

今まで数多くのクラシックのCDを買っていたのですが、アマゾンのプライム会員になってからネット配信ばかり聞いています。同じ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」でも10枚以上アルバムがあるので様々なヴァイオリニストの演奏を比較して聞けるので楽しめます。クラシックだけでなくジャズやロック・ポップスの曲も非常に多いです。

無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第 1番 ト短調, BWV 1001: 2. Fuga. Allegro
堀米ゆず子『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ

東京都生まれのヴァイオリン奏者でベルギー、ブリュッセルに在住。
教科書的とも言える王道な演奏です。驚くほど音が安定していて打ち込みの音楽とも思えるほど機械的です。
同じ日本人演奏家の加藤知子というヴァイオリニストも同じ年齢で桐朋学園大学を卒業していますが、演奏もコンクール向けという雰囲気があります。初めて無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータを聞くのであればお勧めです。

J.S.Bach: Sonatas & Partitas for Solo Violin 五嶋みどり

アメリカ合衆国を拠点に活躍する日本のヴァイオリニストです。
丁寧に一音ずつ手で確かめるようにして音を出します。段々と早くなるスピッカートの部分も丁寧に追いかけるように演奏しています。少々テンポは早めで走るような雰囲気があります。
Violin Sonata No.1 in G Minor, BWV 1001: II. Fuga – Allegro

Bach: Sonatas & Partitas for solo violin イザベル・ファウスト

1972年ドイツのエスリンゲン生まれのヴァイオリニストです。パガニーニ国際コンクール第1位という素晴らしい功績を持ちます。
まるでヴァイオリンというより、無伴奏チェロ組曲を聴いているような朗らかで柔らかい演奏です。
レコーディング環境からか音の反響も低音がゆったり出るようにして録音されているのが特徴です。
演奏スピードも少々遅めで、たっぷり空気が含んでいるような演奏で聴いていてとても気持ちが良いです。

Bach, J.S.: Sonatas and Partitas for Solo Violin, Bwv 1001-1006
Ilya Kaler

ロシアのヴァイオリン奏者で、パガニーニ国際コンクール(1981年)、シベリウス国際ヴァイオリン・コンクール(1985年)、チャイコフスキー国際コンクール(1986年)という世界的に重要な3つのコンクールにおいて第1位を受賞した経歴を持ちます。
音が溶けてしまうような、次の音と完全に融合しているような他の奏者とは異なった演奏をします。繊細で、有機的な不安定さを持ちます。しばしばジャズではビル・エヴァンスがリリカル(叙情詩的)と言われますが、彼よりもはるかに感情を持った音です。JBLのようなゆったりとしたスピーカーで聞くのがお勧めです。

J.S. Bach: Sonatas & Partitas for Solo Violin, BWV 1001-1003 ルーシー・ファン・ダール

トルコ風?とも思える奏法で、酔っ払っているフィドルのような演奏です。とても上手とは言えませんが、ネタとして聴いてみるのは面白いかもしれません。こんなアルバムもあるのか…となります。この先までしっかり演奏できるのか不安になる演奏です。

Bach, J.S.: Sonatas and Partitas for Solo Violin, Vol. 2 Christiane Edinger

クリスティアーネ・エディンガーというドイツのヴァイオリニストです。今年で73歳だそうです。
バッハではなくモーツァルトのレクイエムを聴いているような気分になります。宗教的というか受難曲のような神妙で畏怖を感じる重さがあります。怖さの中にも美しさがあり、バッハ以外の演奏も聞きたくなるようなヴァイオリニストです。

まとめ

演奏家によって全く違う曲に聞こえるほどに差があります。
またヴァイオリン自体の音の違いもあるので、じっくり様々なアルバムを聴き比べるのは本当に楽しく、曲を覚えてしまったら実際にリサイタルなどに行くと今までとは違った楽しみ方ができます。

はっしー

静岡市1989年生まれ 勉強が苦手 コーヒーと紅茶をよく飲みます