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Salvatore Piccolo サルバトーレ・ピッコロ 〜手縫いシャツの魅力①

イタリア南部の街ナポリには、世界最高峰と呼ばれる紳士服のブランドが数多くあります。ラグジュアリーで繊細な生地を思い切りリラックスした仕立てで魅力的に仕上げるKiton キートン、ナポリ仕立てを美しく体現するCesare Attolini チェザレ・アットリーニ。洒落者がこぞって買い求めるネクタイのMarinella マリネッラ。

マシンメイド最高と呼ばれるFRAY フライのシャツに、手縫いの柔らかさとナポリ仕立ての技で対抗するLuigi Borrelli ルイジ・ボレッリ。しかしそのルイジ・ボレッリを何着も持っている人でさえも、見かける度に心を踊らせてしまう隠れた名シャツブランドがSalvatore Piccolo サルバトーレ・ピッコロです。

今回はそんなサルバトーレ・ピッコロのシャツの魅力を紹介します。

ナポリの独創性と職人技のシャツ

世界中の人たちが着ているシャツというアイテムは、実に多用です。シャツの中からメンズのドレスシャツにジャンルを絞り、それをイタリアの高級シャツに絞ったとしても、まだシャツのバラエティの豊かさは驚くべきものです。

そしてそのシャツの作り方については、そのブランドの哲学によってずいぶん変わります。例えば先ほど少し名前の出たイタリア北部の街ボローニャのFRAY フライというシャツのブランドは、恐ろしく精巧なミシン縫いとカッティングの妙による立体的で無駄のないシルエット、それから贅沢なスイスもしくはイタリア製の生地を用いていることで世界中のエクスクリューシヴ達の心を掴みました。

他にもローマ仕立てのBrioni ブリオーニが作るシャツなんかも、同じような理念のもとで作られています。

それは美しさや着心地を追求した結果、「ミシン縫い」が答えであるならばマシンメイドがハンドメイドに劣るわけではない。という哲学です。

それに対し、サルバトーレ・ピッコロのシャツ。こちらはイタリア南部の街ナポリにされるハンドメイドシャツの系譜です。多くのナポリシャツに見られるような手縫いを多用した作りで、これが着心地の良さを生み出している。

そもそもイタリア南部のナポリというのは、仕立てにおいては少し特異な場所です。この場所の職人たちは伝統的なものに敬意を払い、常に美意識を持ちながら、新しいことに挑戦し着心地の良さやエレガンテを追求してきたと言います。

例えばリラックスした着心地をスーツに求めたら、普通は少しゆったりとしたサイズにすることを考えてしまうでしょう。しかしナポリの職人は違う。アームホールを小さく、位置を高くすることで肩の動きが楽になることに気づき、肩をマニカ・カミーチャ(雨降らし袖)というギャザー入りのものにすることでより着心地が軽くなることに気づき実践した。

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他にも現在のスーツに当たり前のように用いられているディティールの多くがナポリ発祥だったりします。ナポリにはそういった独創性と柔軟さ、そして圧倒的な経験量から生まれる職人技が存在するわけです。

そしてそんなナポリのハンドメイドシャツであるサルバトーレピッコロもまた、ナポリの職人技が感じられるシャツです。

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このシャツは襟付け、袖付け、肩、ガゼットなど考えられる部分のほとんどが手縫いにて行われている。そしてその手縫いの具合にもまるっきりナポリらしさを感じさせる「甘さ」があります。

次の回ではこの「甘さ」とサルバトーレピッコロの生地について解説します。

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