二日間かけてテーブルを塗装してクタクタだった私とえなこは近くの和食屋でパーティーをする予定でした。
その和食屋も問題があり、塗装の休憩がてらランチに行ったところ、美味しかったはずが作り置きで味が劣化しているじゃあないですか。アンガールズ田中をムキムキ筋肉にしたようなストイックな男がシェフなんですが、大混雑の昼ピークに店内をウロウロ。どういうこと!? キッチンはどうなってるの??と心配していると…
女子大生のようなバイトの女の子に手取り足取り教えているじゃあないですか!!
アンガールズ「4人のときはテーブルを2つくっつけてね」
女子大生「はあい!」
はあい!じゃあねえよ、キッチンどうなってん!
こりゃダメだ!近年はジェンダーうんぬんアホみたいに騒いでいるけど、一流のシェフでも若い女のコが店内に居ると気が散る気が散る。
ラストオーダーや、午後の空いている時間ならまだしも、土曜日の11時30分で外に4~5組も客が待っているような状態でやることじゃないでしょ。
などと、味が落ちた理由が分かってしまいました。
そんな昼の休憩を過ごしたので、夕食からアンガールズは除外することに。
わたし「アンガールズはやめとくか、まだ女子大生いるかも」
えなこ「わかる」
わたし「イタリアンとか行く?」
えなこ「いいね!」
そんなワケで地獄への扉を開いたのでした。
脅威の不味さ!これ以上ひどい店は少ない(あるけど)
前提条件は決まっていて酒と料理で二人で2万円以下。
さすがにテーブルを塗ってくれたとはいえ、ムショクが金に余裕があるわけがなく何とか捻出しました。
以前散歩で見つけた雰囲気の良いイタリアンをグーグルマップに登録してあり、そこに電話すると即入れることになりました。
「楽しみだね!」
外にオリーブの木や木製テーブルがあって雰囲気はバッチリ。
メニューの値段は高く、うにのパスタは4千円するというナポリよりもボッタクリ価格だけど、それだけの価値があるでしょう!と思い込み色々と注文してみます。
ここにも20代前半の研修中バッヂをつけた女のコが登場。
なんか嫌な予感が……。
郷土ワインのブラインドテスト
プーリア州郷土ワインの「ヴェルデカ・サイレント・クラシッカ2019/レ・ヴィニェ・ディ・サンマルコ」と「ノッテテンポ・シャルドネ・サレント・リネア・クリュ・2019/レ・ヴィニェ・ディ・サンマルコ」を注文しました。
えなこ「これ、シャルドネじゃない」
ほう、ブラインドテストですか……。
女子大生がシャルドネです〜と提供したワインが、えなこはシャルドネではないというのです。
実際にグラスを交換してみると、「コレ間違ってるやんけー!」
注ぐ時にボトルを間違えたみたいです。
グラスの形状が違うのに、どうしてこうなった。
そして、えなこが「このワイン柔軟剤みたいなニオイしない?」と言うので確認してみると、洗剤のようなニオイが…。
数分で気にならなくなったのですが、どうやら柔軟剤のキツイにおいのタオルで拭いているようです。
居酒屋ならまだしもグラス1杯1,000円取るんだから、「もうちょっと緊張感持とうよ」という気持ちでした。
えなこが若い店員さんに「コレってどっちがシャルドネですか?」と再び聞くと、「ん????」と意味不明な顔をされたので、「なんでも無いです大丈夫です」と諦めてしまいました。
20~30種類のグラスワインを出しているならまだしも、赤白で4~5種類なんだから自分が何をグラスに入れているかくらいは知っておいた方がいいですね。
待たせて不味い地獄の前菜
女子大生「前菜出るまで15分ほど頂きます。」
はい分かりました。たたきキュウリじゃあないので時間がかかるのは仕方ないとして、ワインでも飲んで待つことに。
待つこと20分後…..
女子大生「魚のマリネでーす」
わたし&えなこ「前菜より先にマリネ来るんかい!」(ズッコケ)
なんちゅ〜店だ!しかも高級
中国産ニンニクのチューブのような臭さに耐えながらマリネをつつきます。
あまりの苦しさに、えなこと私で「この皿ってきっと石を敷き詰めて型抜いているよね〜」と虚無感を覚えながら雑談を進めます。
注文から30分近く経ちやっと前菜が来ました。
アサリが生焼けでヌルイくて生臭い。味塩のような化調の味。
貝の数と身の数が合ってないやんけー!
成城石井とかスーパーで売っている厚切りベーコン、しかもヌルイしオーブン処理や焼いてさえいない。
空腹で楽しみに来たのに、全然ハシが進まないわたしたち。
「うお〜!!まっず!!!」
外席なので通行人が振り返ってしまいました。
営業妨害と言われようと構わない、本当にまずいのだから。
中でもタコのジュレは格別マズイ。
繊維が崩れて冷凍焼けしていて、ジュレは酸味も風味もない。
わたし「コレ、作ったやつミモか?(味盲人)」
えなこ「いや〜コロってるだけだよ!(コロナ)」
ドンキホーテの惣菜の方がウマイレベルでした。こんなに不味い料理を出せるのがすごい。
あの、花見とかで出てる縁日の出店?の屋台の方がはるかに美味しい。
どうなってんだ、ヤ○ザの新手のしのぎか?って思えるほどでした。
空腹なのに残してしまった。
地獄をしゃぶり尽くそうじゃないの!
スキエット 2018 パントゥン(品種プリミティーヴォ)をボトルで頼むことに。
グラスで頼むと数日前の酸化ワインを提供されたり、YABAI予感がしたので、抜栓前であればさすがに安心でしょと思いボトルをぶち込みました。
というのも、「メインの料理は60分ほどかかります」と女子大生が言ってたので、きっと長い長い時間を待たされてブチギレてしまわないようにと大量のワインが私達には必要だったのです。
今夜は! (はい!) 美味しく(はい!) シャンパン 飲めるのは (わっしょい)
えなこ姫の !(はい!) 塗装の!お陰です (わっしょい)!
あまりにもガン萎えしすぎてやばかったので、二人でホストのシャンパンコールを真似ながらスキエットを飲むことに。
わたし&えなこ「臭くね?」
あ……。ケモノを焼いたニオイ。粉瘤除去の電気メスで皮膚が焦げるようなニオイ。
グラスが完全に肉の油が酸化したニオイが固着しています。
クレーマーと思われるのもアレなので、ボトル付属のタオルで拭いてみるのですが油脂性で固着して取れないので、洗ってもらうことに。
女子大生「すみませんでしたっ!今すぐ交換します」
待つこと5分(長い)
ホカホカの柔軟剤のニオイがするグラスが到着。ありがとう!女子大生!
えなことわたしは柔軟剤臭は数分で取れるコトをさっき学習したので、つい心から感謝してしまいました。
さあ、スキエット2018。お前は何を見せてくれる…。
梅じゅ〜すやんけ!
コレはボトルの固有現象なので店には過失はありません。
あ、でもナンデこれボトルでお勧めするのかは謎です。
「あ、梅でた」「あ、しんだ」「あ、梅でた」「あ、しんだ」
脱力しきって黙々と飲む私達。
女子大生「お待たせしました〜パスタです!」
1時間以上待たされて、ついに出てきたのがパスタ。
鹿肉の質はよく脂の香りも言うほど悪くない。
ただ麺が固く2枚がひっついていた。390円の蕎麦ゆで太郎でも麺はくっついていない。
パルメザンは市販の緑のクラフトチーズ。
1時間以上待ってこれはない。
来客数が、席数のキャパの4分の1以下でした。
つまり半分以上の席が空いていてガラガラ、スタッフは4~5人居るのにクソミモなパスタ1個作るのに何分掛かってんだ。
おまえんとこの店員は、外食行って1皿2,000円のパスタ頼んで1時間待たされてコレが出たら何も思わないのか?マジでブチギレお通夜状態でした。
CMの後は感動のフィナーレ!
そこから待つこと40分。
わたし「前にあるラーメン屋で豚骨ラーメン食ってこようぜ」
えなこ「わかる」
スタートから2時間ついに!やっとメインの熊本赤牛が出る。
小皿は冷蔵庫並みに冷えている。
肉は良いのに如何せん調理方法が悪い。次にソースが絶望的にまずい。
アホだよ、アホ。何が低温調理だ。
こんだけ元の牛肉よかったら、鉄板に牛脂敷いて数分焼けば済むから。
ソースもクソマズ。何もかもがヌルい。高齢者向けイタリア料理サービスかよ。
塩を持参して味付けなしで提供して欲しいレベル。
2~3分でパクパクと食べてお会計。
ハイ、1万6千円。ご馳走さまでした。
謎のイタリア料理店「はい、今日の料理は終わり。お疲れさまでした」
ワイ「うぅ……あ、ありがとうございました……」
サービスも悪く、料理もまずい、この店を選んでしまった私も悪い。
もうね、ロイヤルホスト行ったら涙流して喜ぶレベルだよ。
あぁ〜〜オマール海老のグリル&アンガスサーロインステーキ
オマール海老のグリル&アンガスサーロインステーキ
おしゃれなイタリア料理店”大”失敗記まとめ
ヤバイと思ったら負けを重ねるな。
「店内が不衛生」「油や煙に充満している」「可愛いJDスタッフが豊富」などなど何らかの事情で”ヤバイ”と思ったら
1.グラスワインを注文する
2.会社からの突然の呼び出しを装う(もしくは急患対応、おじいちゃんの死など)
3.最小限の負けで済む
パチンコ打って今日は出ないなと思ったら即切り上げて、えなこと一番搾り飲みながら”ネットフリックスする”のが正解ですが、同じようにレストランで失敗したなら最小限の負けで逃げるようにするのが本当に大切です。
でないと大枚はたいて、肌寒いテラス席で2時間以上にも渡る乱暴をされることになりますよ。おわり