PRS ポールリードスミスってどんなギター??
生涯つきあっていける自分だけの一本が欲しい!こう思ったギタリストには実にたくさんの選択肢があります。さて、そんな一生の一本になるかもしれないハイエンドギターの中でもひと際異彩を放っているのがPRSポールリードスミスというメーカーです。
様々なジャンルから支持を受け、「ギブソンもフェンダーもみんな使っているから嫌だ!」という人から「とにかく美しい」という人までたくさんのファンを集めています。
今回はそんなPRSポールリードスミスについて紹介していきましょう。
◯主なPRSポールリードスミス使用アーティスト
海外アーティスト(使用機材)
・Al Di Meola アル・ディメオラ
・Alex Gaskarth オールタイムロウ
・Billy Martin グッド・シャーロット
・Bob Babiera ボン・ジョヴィ
・Richie Sambora ボン・ジョヴィ
・Brad Delson リンキン・パーク
・Mike Shinoda リンキン・パーク
・Brian Craddock ドラウティ
・Joey Barnes ドラウティ
・Carlos Santana サンタナ
・Chris Henderson 3ドアーズダウン
・Dan Estrin フーバスタンク
・Dave Young スティーヴ・ヴァイ
・Dizzy Reed ガンズ・アンド・ローゼス
・George Pajon ブラックアイドピース
・Mark Tremonti オルターブリッジ
・Mick Mars モトレークルー
・Mikael Akerfeldt オーペス
・Mike Lewis ロストプロフェッツ
・Monte Pitman マドンナ
・Orianthi オリアンティ
・Paul Phillips パドル・オブ・マッド
・Stuart Smith イーグルス
国内アーティスト(使用機材)
・福山雅治
・Toru ONE OK ROCK
・高中正義
・克哉、彰 UVERworld
・安藤正容 T-SQUARE
・渡辺香津美
・降谷建志 Dragon Ash
などなど…まだ他にもたくさんのプロアーティストがPRSのギターを使っています。
ちなみに洋楽を見てみると分かりますが、PRSは結構ラウドロックやメタル系にも人気ですね。
それではこれから、PRSギターの特徴をみていきましょう。
◯美しい外見
PRSポールリードスミスの作るギター最大の特徴と言えば、なんといってもそのため息の出るほど美しい外見です。定番となっているのはアバロンでかたどられる精巧なバードインレイ。飛翔する鳥をモチーフにした動的なインレイですが、これに憧れてPRSポールリードスミスを買う人がたくさんいます。
また、見る角度によって表情を変えるフレイムトップも人気の秘密です。綺麗に揃った杢目から、ワイルドで大胆なキルト模様まで。PRSポールリードスミス独自の塗装が相まって非常に美しく見えます。また、10本に1本の美しさとして讃えられる特選の杢目を持ったメイプルを使用したギターには10topというグレード名が付きます。
バードインレイ(2008年以降のデザイン)
以前は全体がパールでしたが、今はアウトラインだけがくりぬかれた形です。
昔の方がゴージャスだった!という声も聞かれますが、これはこれで芸術的で好きです。
10topのフレイムメイプル。
ちなみにこの10topというのは、10本に1本の美しさという意味らしいです。
深みのある色と相まって本当に綺麗。
ちなみに杢目は杢目でも、いろいろあります。
PRSポールリードスミスは特に上のようなフレイムメイプルと、このあと紹介するPRS SEのようなキルトメイプルがメインです。
○素直な音
PRSは基本的に自社でピックアップを作っています。様々な用途に使える5wayロータリースイッチを採用していたり、タップ機能を持っていたりと多くのモデルが多機能です。
音はギブソンやフェンダーのように華やかでいかにも、という感じではありません。粘り気があって温かい歪みや、ガラスのように透き通ったクリーンを奏でるギターです。「音に個性が無い」という声も聞かれますが、弾き手や音の出口によって個性を作るギターという方が適しているのではないでしょうか。アンプやエフェクターに対して素直で、様々な音色が作りやすいですね。
○プレミアム感
PRSのギターは誰もが使っているというわけではありません。本当にギターが好きで、こだわりがある人が購入するハイエンドギターです。このギターを使っていること自体がステータスであり、その人の音楽のスタイルにも影響を与えるはずです。何より、人と同じギターよりも自分だけのギターが良いと思う人は少なくないはずです。
◯PRSギターおすすめ機種
PRSのギターはどのモデルを買っても素晴らしいクオリティーで満足できること間違いありません。でもどれを選んで良いか分からない人のために、代表的なモデルを紹介します。
・custom24 / custom22
PRSといえばカスタム24、という人が多いですね。ダブルカッタウェイのボディはストラトっぽくもありながら表面に美しいカーブを持っていて、立体的です。
様々な音色を一瞬にして切り替える5wayロータリースイッチを採用しているものが多く、多機能で人気なモデルです。
・Singlecut
レスポールに近い形をした、シングルカットのモデルです。SC245、SC250、SC58などのモデルがあり、それぞれヴィンテージサウンドやモダンサウンドを意識した音に仕上がっています。これらはcustom24の影に隠れて、ちょっとマニアックな存在になっています。その分、他人が使っていないギターを欲しい人には向いています。
・McCart
ギブソンで輝かしい功績を残したTed McCartyの名を冠すこのモデルは、確かにギブソン寄りのヴィンテージで煌びやかなトーンを持っています。ハムバッカーで使えば甘く溶けるような温かい音、タップをしてシングルにしたときにはある意味ストラトよりもクリアで透明なトーンを出します。
custom24のように万能ではないかもしれませんが、個人的にはすごくオススメなモデルです。
ボディのふっくらとしたシェイプがPRS Custom24よりさらに美しく、サウンドホールと相まってヴァイオリンのような美しさを持っています。
色もなんとなく、ナチュラル系やアンバーが似合いますね。
・PRS S2
本家USA版SEとも言える待望のモデルPRSポールリードスミスS2が発売されました。
PRS CEに変わるポールリードスミス本家USAと、ポールリードスミス韓国製SEの中間にあたる値段帯のモデルをほしがっていた方はとても多いのではないでしょうか。そのニーズを満たす製品が来ました。
それがPRS S2シリーズです。
ベベルドトップですね。ちょっと前だったらSEがフラットトップだったので「歓喜!!!」となったと思いますが、今ではPRS SE Customもこのベベルドなので、ちょっと感動は薄いかも。フラットの角を削った形です。
写真のものはメイプルトップ、マホガニーバック、マホガニーネック。
木材ですが、本家USAには劣ります。以前PRS CEのオプションでフレイムメイプルがありましたが、それよりもさらにちょっと安い木材というかんじでしょうか。
ピックアップはS2 Vintage BassとS2 HFS Trebleを専用に開発して載せましたね。
ブリッジやペグが専用設計のものになっています。PRS S2 TremoloとPRS S2 Locking Tunersつまりロックペグです。これはやはり、製造が本家と同じUSAになるということもあり、パーツで差別化したかったのだと思います。
コントロール類がワンボリュームワントーンとちょっと寂しいですが笑
必要最低限な感じは良いと思います。
Top Wood:Asymmetric Beveled, Bookmatched Figured Maple
Back Wood:Mahogany
Number of Frets:24
Scale Length:25″
Neck Wood:Mahogany
Fretboard Wood:Rosewood
Neck Shape:Pattern Regular
Fretboard Inlays:PRS S2 Birds
Bridge:PRS Tremolo
Tuners:PRS S2 Locking Tuners
Truss Rod Cover:”Custom”
Hardware Type:Nickel
Treble Pickup:S2 HFS Treble
Bass Pickups:S2 Vintage Bass
Pickup Switching:Volume and Push/Pull Tone Control with 3-Way Blade Pickup Switch
Fretboard Inlay Option:None (Birds Standard)
PRSポールリードスミス SEってどうなの??
高嶺の花であったPRSが韓国で製造することによってコストダウンし、学生にも使える値段でというコンセプトの元発売したのがPRS SEです。
が、このギターが非常に賛否両論なのですね。定価5万~10万、この価格帯のギターの中では特に選ぶ理由がないだとか、さすがPRSだけあって良いとか。
私は実際にPRSポールリードスミス SEのcustom24を使っていました。
結論から言ってしまうと確かに音の良さだけを求めるのなら他にも選択肢はあります。
◯PRS SEの良いところはこんなところ!
外見がかっこいい
一応PRSブランド
品質がまあまあ良い
確かにPRSっぽい音
最近のPRS SEは特に、バードインレイ+立体加工のされたトップという組み合わせでかなり本家USAのPRSへと外見的に近くなってきました。
なのでPRSに憧れているけど、とりあえず安い値段で買いたいという人にはこのギターはかなり良いです。それなりの音、そしてあの外見ですから。
音もなんとなくPRSっぽさがあります。粘りがあって温かい。
◯SEのだめなところ
デッドポイントがある
ペグが良くない
純正ピックアップの音が薄い
これらがかなりの問題です。ベグは結構ズレが多く、なかなかピッタリと決まってくれません。また純正ピックアップの音は結構薄い感じです。これは単体でそう思ったというよりは、最初は満足していたけど本家USAのピックアップに交換したときに「音にものすごく深みが出た」と強烈に感じたという方が正しいでしょう。
もしかするとこの値段帯のギターの中ではそこそこの音なのかもしれませんが、やっぱり純正ピックアップには限界がありそうです。
しかし、ということはです。もう考えている方もいるかと思いますが、
・ピックアップを本家USAにして
・ペグをマグナムロックにすれば
だいぶ使えるギターなんじゃないか?という疑問ですね。
使えます。私も最終的にそのような仕様にしましたが、値段からは考えられない良い音のギターになります。ただ、ところどころデッドポイントがあったりするのでそこには目を瞑らなければなりません。
でも、本家USAは高くて買えない、という人は是非PRS SEを買ってピックアップをUSAのモノに、ペグをマグナムロックに交換して使ってください。
これは本当にオススメです。
次のページでは、PRSポールリードスミスのギターが海外でどんな評価を受けているのかを調査します!