ナポリのパスタは美味しい!
イタリア南部、地中海に面した街ナポリはまるでトルコのイスタンブールのように様々な人種に溢れ、喧噪に満ちた街。
車線の無いような道を、至るところがへこんだ古いアルファロメオがぶっ飛ばし、その横をバイクが走り抜け、その合間を縫ってジャケパンのおやじがタバコを吸いながら道路を横断する。
そんなナポリですが、その美しい風景と世界一美味しいとされるナポリ式ピッツァ、そしてエスプレッソでは大変有名です。
ヨーロッパの各地から観光客が訪れ言う「ナポリピッツァを食べに来たんだ」。
まあ良いさ、ナポリピッツァはうまい。だけど俺はパスタが好きなんだ。なぜかって?ピッツァは口の中が乾いちゃうからね!
そういうわけで、今回はナポリの超美味しいパスタを自宅で再現する方法を紹介します!
ナポリのパスタの特徴とは?
さて、気になるナポリパスタの特徴ですが、これはいくつかあります。最も基本的なレシピである、「スパゲッティ・ポモドーロ」すなわりトマトのスパゲッティで考えてみましょう。
①フレッシュなトマトがごろりと入っていること
ナポリのトラットリアで出るスパゲッティ・ポモドーロの多くは、フレッシュなトマトを使っています。
しかもちょうどトマトの酸味で塩気が隠れるくらいの生っぽさと、柔らかくとろけるような火の通った食感の両方を、ちょうどいい加減でモノにしている。
これがナポリのトマト系パスタがとんでもなく美味しい理由の一つですね。
②やや太めの生麺がベスト
ナポリの危険地区と言われ、観光客は近づくなとさえ言われているスペイン地区という場所に、一件の有名なトラットリアがあります。トラットリア・ネネッラというトラットリアで、すぐに大行列の出来てしまう人気店ですね。
そんなトラットリア・ネネッラのスパゲッティ・ポモドーロはやや太めの生麺を使っています。
他にもナポリで美味しいトラットリアの多くは、同じような麺を使っている。トマトソースのパスタといえば少し細めの麺を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ここは太麺で行くのがナポリ風の特徴です。
③素材は極めてシンプル
ここで5種ミックスのハーブソルトを入れて、ここでチキンベースを入れて、ここでワインを少々、隠し味の……なんていうのはちょっと凝り過ぎですね。
ナポリのパスタの美味しさは究極の引き算にあります。材料はニンニク、オリーブオイル、パスタ、トマト、塩、最後にトッピングする生バジル。これだけです!
料理をしているとついつい色々なものを足していきたくなってしまいますが、本当の美味しさはこのように洗練されたシンプルさにあるようですね。
④たっぷりのオリーブオイル
ナポリのスパゲッティはまるっきり油が多めです。
先ほども書いたようにナポリのスパゲッティ・ポモドーロは太麺なので、オリーブオイルをたっぷりと使って、麺とソースの絡み具合を良くしています。
ちなみに個人的にはさらにテーブル用のオリーブオイルを貰い、少しかけて食べることが多いですが、その辺りはお好みで。
ナポリのパスタを再現する方法
そういうわけで、ナポリのパスタを再現する方法です。
用意するものは以下の通り。
ナポリ風トマトパスタ 2人前
・パスタ生麺 250g
・ニンニク 少々
・オリーブオイル 大量
・塩 適量
・トマト一缶
まずはオリーブオイルを適量フライパンにしきます。ニンニクをまな板で包丁の側面を使って潰し、そのオリーブオイルで揚げるようにします。この際、中弱火で油が熱くなる前からニンニクを入れましょう。
これはオリーブオイルにニンニクの香りを移す作業です。ニンニクがきつね色になったら、焦げる直前で全て取り出します。
同時に麺をゆでます。お湯にはちょうど海水と同じ程度の塩気をつけてゆでましょう。
アルデンテで上げた麺を投下する直前に、トマト缶をフライパンにあけ、一煮立ちさせます。
このトマト缶はホールのもので、必ずイタリア産のものにしましょう。イタリアのトマト缶はトマトの種類が違うので、他のものにするとコクが足りなくなってしまったり、硬さが残ってしまったりします。また、このとき水気が多すぎるようだったら、少し水気を切ってからフライパンに出します。
一煮立ちしたトマトソースに麺を加え、塩を振って塩気を付けます。これはお好みですが、あまり薄いと太麺が活きないので、遠慮しすぎないよう。最後に生のオリーブオイルを少し加え、バジルの葉をそえて盛りつければ完成です。お好みで白身魚やエビを加えるのも良いですし、アサリを加えればボンゴレ・ロッソになりますね。
ナポリ風トマトパスタを作るときの注意点を少し。
まず日本人がパスタを作る上で不足しがちなのが、オリーブオイル。
油の取り過ぎは健康に良くないというイメージもあり、オリーブオイルを控えめにパスタを作る人も多いでしょう。しかしこのパスタは太麺なので、油が少なくトマトの水気が多かったりすると、味気なく美味しくなく出来上がってしまう。
これはあまり遠慮せず。
またオリーブオイルもあまり安いものではなく、少し良いエキストラバージンのイタリアかスペイン産のものを選ぶと香りが出ます。特に最後に少しかける生のオリーブオイルが良い物であればあるほど、パスタのランクがあがります。
いかがでしたか?
ぜひチャレンジしてみてくださいね!