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イタリア製高級デニム対決!PT05×ヤコブコーエン

イタリア製“テーラードデニム”の魅力

ジャケットスタイルをこよなく愛する人々にとって、ボトムスのシルエットは命とも言えるものですよね。そのため多くのイタリアファッションファンが、インコテックスにGTA、PT01などのチノパンを求め、日々セレクトショップを右往左往歩き回っているわけです。

さて、そしてチノパンの方がひとしきり落ち着いてくると、今度はデニムが欲しくなる。何故って、ジャケットスタイルにデニムのジャケデニはイタリアおやじの定番で、ファンとしてはやらんわけにはいかないからですね。

では美しいシルエットのテーラードジャケットに、どんなデニムを合わせるべきか?

リーバイスという選択肢もありますが、シルエットをイタリア系でまとめあげて綺麗に決めたいなら違います。ディーゼルも良いですね、しかし少し若さが強調され過ぎてしまう。

そこで登場したのが、テーラードデニムともいうべきジャンルです。ジャケットスタイルのために作られたこれらのデニムは上質な生地を使い、上品なアクセントや大人びたダメージ加工が施され、インコテックスのチノパンも顔が真っ青になるほど美しいテーパードシルエットを持つ。

今回はこのテーラードデニムという言葉を作りだしたJacob Cohen ヤコブコーエンのデニムと、PT01から派生しイタリア一流のデニムファクトリーで製造を行うPT05 ピーティーゼロチンクエのデニムを、比較しながら紹介していきましょう。

徹底した上質さ – Jacob Cohen ヤコブコーエン

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まずはテーラードデニムという言葉を作り出した、ヤコブコーエンのデニムです。そもそもテーラードというのは、構築的に仕立てられたスーツに使われる言葉です。

身体のラインにぴったりと合わせ、立体的に裁断・縫製して作り上げる。この言葉をデニムに用いるということは、生半可な作りではイタリア全土のサルトリア(仕立て屋)が黙っていないでしょう。それを踏まえた上で、少し怪訝な目でヤコブコーエンのデニムを手に取ったとしましょう。

次に出る言葉はこれです。

「素晴らしい」

デニムというのはワークウェアという出で立ちであることもあって、縫製やら生地やらで云々言われるようなアイテムではありませんでした。しかしこのヤコブコーエンのデニムは、それこそジャケットのような丁寧さを感じさせる作り、細い番手の糸による繊細なステッチワーク、上質で滑らかな生地など、確かにテーラードデニムという言葉に値する作りになっています。

お店でヤコブコーエンを手にした時の繊細な趣は、まるきりウールのスラックスと変わらないものがありますね。

実際に試着してみれば、どうでしょう。ヤコブコーエンのデニムはプレスの入ったパンタローネにも勝るとも劣らない立体的なテーパードシルエットです。もはや完璧に計算されつくしているとしか言いようのない、絶妙なバランスになり、日本人の足をもまた美脚に見せてくれます。

ちなみにこのヤコブコーエン、知っている人にはおなじみですが良い?匂いがします。

「姿かたちは見えないが、ヤコブコーエンの匂いがする」

という迷フレーズをご存知の方は多いでしょう。(注:姿かたちは見えないが、ロシア人の匂いがする – スラブ民話『バーバヤガー』より)

工場で毎回同じフレグランスをつけてから出荷しているんですね。これは面白いマーケティングです。匂いは感情に直結しており、また記憶に残りやすい。

そんなこともあって、セレクトショップでその匂いがほのかにしてくるだけで「あー」とヤコブコーエンに吸い込まれてしまい、とりあえず手に取ってしまう人が続出しています。

遊び心のある大人のデニム – PT05

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PT05は先ほども少し触れましたが、PT01の派生バージョンで、5ポケットであることから、PT05と名付けられています。

PT05もまた上質なデニムで、そのステッチワークにも生地感にも、はたまたテーパードのシルエットにも大人びた品質の良さを感じます。テーラードジャケットに合わせた時、もっとも美しく決まるバランスを知り尽くしたPT01のチノパンを、デニム生地で再構築したという印象です。

しかしだからといって、このPT05のデニムがJacob Cohen ヤコブコーエンのついた餅を食おうとしたパチもののデニムなのかといえば、まったくそうではない。Pt05のデニムには、オリジナリティ=遊び心があるからですね。

もちろんデニムというのは自由度が高く、色々な装飾やら演出やらのされやすいアイテムですが、PT05のそれはどうでしょう。非常に上品でありながらただのデニムではとどまらず、「遊ぶことを知っている」大人の風格を絶妙な線で表現している。

この辺のさじ加減というやら、塩梅というやらがPT05のデニムが支持されている大きな理由ではないでしょうか。

繊細さでは、ヤコブコーエンがリード

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さあ、それを踏まえた上でこの二つのデニムをしっかりと見比べてみましょう。まずはアップでステッチとデニム生地の風合い、写真で伝わる限りの滑らかさの比較です。もちろん上がヤコブコーエンで、下がPT05のデニムになっています。

写真で見ても、ヤコブコーエンのステッチや生地の繊細さがよく伝わってきますね。PT05も生地やステッチで劣っているというわけではありませんし、むしろ普通のデニムから比べたら抜群の良さです。それでもなお、ヤコブコーエンはテーラードデニムたるプライドがあるのか、繊細さで一歩リードしています。

ちなみに特に生地に関しては、ヤコブコーエンは日本のデニム生地をわざわざイタリアまで取り寄せているようです。日本の生地は実は世界一と言われていますが、特にデニムに関しては岡山県倉敷市児島地区のデニムを筆頭に、数多くの素晴らしい生地が生み出されています。

高温多湿の日本で開発された春夏用のスーツ生地は高く評価されており、インドや東南アジアのセレブ達はイタリアの生地よりも日本の生地を指定してスーツを作らせるのだ、というのは馴染みのテーラーさんで聞いた話です。

そういうわけで繊細さと生地感では、ヤコブコーエンが一歩リードと言えるでしょう。

ディティールと表現力のPT05

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それではよりデニムらしいディティールに注目していきましょう。当たり前のようにどちらのデニムもボタンフライになっていますが、ここではPT05のボタンにぱっと目がいくでしょう。

まずはそのカラーリングです。カラフルになっているね!と言ってしまうのは簡単ですが、もう少し踏みいって見てみると、その色合いがまた上品で、大人っぽさを捨てていないことに気づきます。特に一番下の赤とその上の緑はイタリアのトリコロールを連想させ、PT05の意図が感じられますね。

さらにその上のブルーですが、イタリア人の大好きな青空色です。しかし、あくまで一番メインのボタンはクールに金属色のグレーとなっている。このあたりに、品格と遊び心のバランス感を見ます。

ボタンの造形や仕上げ、文字のデザインも美しい。普通のボタンとは違い、中央に向かってくぼんでいくようなデザイン、そしてエッジの立ったシルバーのリム。ボタンだけでも集めたくなるほど美しいデザインですね。

次にポケットのステッチワークも見てみましょう。

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ヤコブコーエンはわりと控えめで、Jという文字が入っていますね。それに対し、PT05はもちろん倒れた5の文字です。もちろんこのあたりは好みですがPT05のステッチには遊び心があります。

次にデニムの顔とも言える、パッチのデザインです。

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おなじみもさもさのJacob Coen ヤコブコーエンは少しアバンギャルドでちょいワルな雰囲気を感じさせます。物によっては白のもさもさやベージュのもさもさのこともあり、それはもうもさもさもさもさしています。

それに対しPT05の計算されつくされたデザインのパッチと言ったら、ちょっとミーハーな感じもなくはありませんが、非常にお洒落です。

こだわりのデニムを一本

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これまでジャケパンスタイルに合うちょうどいいデニムが見つからずに苦労していた人にも、はたまたイタリア的な雰囲気を感じさせる大人なデニムが欲しい人にも。

テーラードデニムたるプライドを見せつけてくれる、圧倒的な品質と繊細さが魅力のJacob Cohen ヤコブコーエン。それから大人に似合う落ち着いた風格とイタリア的な遊び心を絶妙なバランスで表現するPT05 ピーティーゼロチンクエ。

それぞれに魅力があり、フィーリングにどちらが合うかはあなたにしか分からないでしょう。まずはセレクトショップに行って、どちらも履いてみるのがおすすめ。

なぜって、Jacob Cohen ヤコブコーエンを知らなければPT05 ピーティーゼロチンクエは履けないし、その逆もまたしかりだからです。
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