高級スピーカー試聴リスト
今回はオーディオ専門誌にも良く紹介される、高級メーカーより定番のモデルをピックアップしました。
高級輸入スピーカーでも特に人気の高いB&Wの805Diamond , PM1の比較も含めレビューしていきたいと思います。
スピーカー機材
B&W 805 Diamond
DALI EPICON2
dynaudio focus160
KEF LS50
CDプレーヤー&プリメインアンプ
試聴CD
Port rait in Jazz / Bill Evans
Viva La Vida Or Death And All His Friends / Coldpay
Chopin Ballade and Scherzo/ Artur Rubinstein
Parth / Bon Iver
Night Food / Ego-Wrappin’
B&W 805 Diamond
スピーカーメーカーとして不変的な地位を確立するB&Wのフラッグシップモデル。
ロードオブザリングやハリーポッターのサウンドトラック、ビートルズにピンクフロイドと世界のあらゆる音楽を生み出した世界最高峰のレコーディングスタジオ「アビーロードスタジオ」に採用されている英国のメーカーです。
モニターサウンドを得意とし「何も足さない何も引かない」という理念を通しています。
試聴して直ぐに気がついたのは、805 diamond、これはまさに世界でもトップクラスのスピーカーと言うことです。
まさに何も足さず何も引かず。空気感とか音場とか語るのが、当てはまらないプロダクトです。
つまりもう目の前で演奏しているのと殆ど同じという事です。
何度かバイオリンの演奏をスタジオルームで聴く機会がありましたが、そこで体感したホールのリバーブに脚色されないバイオリン本来の音は非常に素朴で美しいものでした。
805 Diamondではその本来の素朴さや美しさがしっかりと再現されているために、まるで演奏者が自分の前で弓を動かしているような、そんな風景が見えるのです。
また、このスピーカーは奥行きの表現が飛び抜けて素晴らしいです。
Bill Evansの名演集「Come Rain Or Come Shine」を聴けばベースが奥に立ち、ピアノが右手前、ドラムが左少し奥としっかり配置されます。
つまり、スピーカーから音を出すというよりは、アーティストが演奏していたその場の状況や空間を目の前に作り出し、そこで実際に演奏させるようなイメージです。
もっとも真価を発揮するのはオーケストラによる演奏でした。
扇形に配置されるオーケストラの楽器一つ一つがしっかりと場所を定め、距離感を表現し、その上で生演奏をしていく。
オーボエのソロは力強くダブルリードの振動さえも伝わりそうな細かさであり、左手前第一バイオリンの旋律はひとつにしっかりまとまりながら楽器一つ一つの弦の音をしっかりと芯に残している。
奥でフォルテのティンパニや大太鼓がなれば会場全体がその音圧に包まれ、左中間ストップ奏法のホルンとステージ真ん中フォルテシモのトロンボーンがスピーカー越しに部屋を一瞬で制圧する。
オーケストラが部屋に「ホールを作り」、そこで「演奏をする」この感じです。
ただエディットされた音楽、例えばポピュラーミュージックなど録音してから位置を決めたり音を作ったりしている音楽は僅かに不自然になってしまうことがあります。
楽器の位置関係がそもそもあまり意識されていない音源なのにスピーカーが厳密に位置を再現しようとするからでしょうか。
もし真剣にスピーカーと対峙するのであれば、ステレオ録音されて手の加えられていない管弦楽が一番楽しめるでしょう。
Experience the B&W 805 Diamond (公式ページ)
垂直方向 | 10°以上 |
感度 | (2.83V, 1m) |
高調波歪 | 2次、3次高調波 (90dB, 1m)<1% 100Hz ~22kHz<0.5% 150Hz ~20kHz |
公称インピーダンス | 8Ω (最小 4.7Ω) |
クロスオーバー周波数 | 4kHz |
推奨アンプ出力 | 50W ~120W (8Ωノンクリッピング) |
最大推奨ケーブルインピーダンス | 0.1Ω |
高さ | 418mm |
幅 | 238mm |
奥行 | 351mm |
質量 | 12kg |
キャビネット | チェリーウッドローズナットピアノ・ブラック・グロス |
グリル | ブラック・クロス |
B&W PM1
805Diamondと比べると、少し小柄なモデルです。
他のスピーカーのシリーズは全て、フロアタイプやブックシェルフタイプなどと種類が多彩に用意されていますが、このPM1に関して言えば1種類の唯一のモデル名となっています。
これは装飾的な意味も含み、ウェッジウッドであればジャスパーウェアのC/Sのように、本来の目的だけでなく、裝飾を視覚的にも楽しめるというコンセプトとなっています。
もちろん、ジャスパーウェアがテーブルウェアとしての妥協があるか?と聞かれれば否と言えるように、PM1もまた音質に一切の妥協無き設計が施されています。
PM1に採用されているカーボン・ブレースト・トゥイーターは既存のアルミニウム・ドゥーム・トゥイーターと異なり、ドームの周りをフィラメント巻きカーボンファイバーで覆うことによって、今まで30kHzの高域共振周波数だったものを40kHzまで引き上げることに成功しました。
オーケストラ演奏前のチューニング後に訪れる、特有の静寂。はっきりした音でなくとも会場ではしっかりと、その静寂性が伝わってきます。そういった僅かな高温域の振動が、このPM1であれば再現できます。
また、805diamondも同じく音の鳴っていた空間を再現するのが得意で、オーケストラ音楽が際立ってよく思われます。
外見はとても美しく、モカグロスの仕上げパネルはまさに芸術的です。
過去の805Sにも様々な木目やフィニッシュのバリエーションが用意されましたが、そのどれとも似ておらず、完璧な光沢面での木目のラインとなっています。
また専用のスタンドもスピーカー本体のモカグロスとぴったりと合った色味なので、ごく自然にシームレスに揃える事ができます。
PM1 – Bowers & Wilkins B&W スピーカー
形式 | 2ウェイ・バスレフ型 |
技術的特徴 | ノーチラス™チューブ・ローデッド・トゥイーター カーボンファイバー・強化アルミニウム・ドーム ケブラー® 繊維コーン・バス/ミッドレンジフローポート™ |
使用ユニット | 1x ø25mm強化アルミニウム・ドームトゥイーター 1x ø130mmウォーブンケブラー®コーンバス/ミッドレンジ |
再生周波数レスポンス | 48Hz – 22kHz ±3dB 基準軸上 |
再生周波数帯域 | -6dB at 42Hz ~ 60kHz |
指向性 | 2dB 基準軸上水平方向:60°以上垂直方向:10°以上 |
感度 | 84dB (2.83V,1M) |
高調波歪 | 2次、3次高調波 (90dB,1m)<1% 110Hz-22kHz |
インピーダンス | 8Ω(最小5.1Ω) |
クロスオーバー周波数 | 4kHz |
推奨アンプ出力 | 30W~100W 8Ωノンクリッピング |
最大推奨ケーブルインピーダンス | 0.1Ω |
質量 | 9.3kg |
仕上げ | キャビネット・リアル・ウッド化粧板・モカ・グロス |
グリル | ブラック |
高さ | 620.5mm スパイク除く |
幅 | 268mm |
奥行 | 300mm |