年利10%近いJPMorganの高配当ETF「JEPQ」とは何か?メリットとデメリットを解説

経済・投資

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投資信託やETFの選択肢が増える中、高配当を求める投資家にとって魅力的な選択肢として注目を集めているのが「JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF(JEPQ)」です。

このETFは、高い配当利回りを誇り、特に毎月の分配金を得たいというインカム投資家に人気があります。本記事では、JEPQの特徴、メリット、デメリット(リスク)について詳しく解説します。

※カバー写真 https://am.jpmorgan.com/us/en/asset-management/adv/products/jpmorgan-nasdaq-equity-premium-income-etf-etf-shares-46654q203

JEPQとは?

「JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF(JEPQ)」は、JPモルガンによって提供されているETFで、NASDAQ 100指数に連動した企業への投資を基本としています。しかし、単なるインデックス型ETFではなく、カバードコール戦略を使用して追加のプレミアム収入を得ることで、毎月の配当金を高めている点が特徴です。この戦略を活用することで、年間利回りは約9〜10%と非常に高く、安定した収入を得ることが期待できます。

カバードコール戦略とは?

保有する株式に対してコールオプションを売る「カバードコール戦略」を採用しています。これは、ETFが株式を保有しつつ、特定の価格で買い手に売る権利を提供する代わりに、プレミアム(収益)を得る方法です。このプレミアム収入が高い配当利回りの源となっています。

JEPQの価格推移と動向は?

2022年5月から価格動向を分析すると、最初の基準価額は約50ドルからスタートし、その後、上下動を繰り返しながら50〜55ドル前後で推移しています。市場のボラティリティやNASDAQ 100に連動したテクノロジー株の影響が大きく、価格は高値と安値の範囲内で動いていることが分かります。

特に2022年後半から2023年初頭にかけて価格が大きく変動しており、これは米国株式市場全体やテクノロジー株の動向と密接に関連していると考えられます。株価が大きく下落する局面もありましたが、その後回復傾向を見せており、全体としては安定的な動きを保っています。JEPQは毎月の配当を目的としたETFであり、カバードコール戦略を用いることで市場の下落リスクを軽減しつつ、一定の収益を維持しています。

JEPQのメリット

1. 高配当利回り

JEPQの最大のメリットは、年間約10%に達する高い配当利回りです。特に、毎月の分配金が得られるため、安定したキャッシュフローを確保したい投資家には非常に魅力的です。2024年10月時点で、配当利回りは9.60%とされています 。この利回りは、他の多くのETFと比較しても高水準であり、特に引退後の生活費補填や長期的なインカム投資に適しています。

2. NASDAQ 100の成長株に投資

JEPQはNASDAQ 100に連動するETFであり、主にテクノロジー企業や成長株が多く含まれています。これにより、配当だけでなく、株式の価格上昇によるキャピタルゲインも期待できる可能性があります 。Apple、Microsoft、Amazon、Alphabetなどの大手テクノロジー企業に分散投資をしており、長期的な成長を狙う投資家にとってもメリットとなりそうです。

3. カバードコール戦略によるリスクヘッジ

カバードコール戦略を使用することで、株価が横ばいまたは緩やかに下落する場合でも、オプションのプレミアム収入が得られるため、収益の安定性が高まります。また、この戦略により、下落リスクの一部が緩和されるという点もメリットです 。

4. 毎月の分配金

JEPQは、毎月の分配金を支払う点も大きな特徴です。これにより、安定した収入を得ることができるため、配当再投資戦略を用いる投資家や、定期的な現金フローを必要とする投資家にとって理想的な選択肢となります 。

JEPQのデメリット

1. 上昇時の利益制限

カバードコール戦略の最大のデメリットは、株価が大きく上昇した際にその利益が制限されることです。コールオプションを売却することで、特定の価格(ストライク価格)を超えた場合、その株式を手放す必要があるため、大きなキャピタルゲインを得るチャンスが減少します。

2. ボラティリティの影響

JEPQの配当利回りは、株式市場のボラティリティに依存しています。市場が不安定でボラティリティが高い場合、オプションのプレミアムが上昇し、配当利回りも高くなります。しかし、逆にボラティリティが低い時期には、オプションプレミアムが低下し、配当収入も減少するリスクがあります。

3. テクノロジー株への依存

JEPQはNASDAQ 100に連動しているため、テクノロジー株の影響を大きく受けます。特に、金利上昇局面や規制強化があると、ハイテク株が打撃を受ける可能性があります。これにより、JEPQ全体のパフォーマンスにも影響が出る可能性があるため、テクノロジー株に偏ったリスクを認識しておく必要があります。

4. 短い運用履歴

JEPQは2022年に運用が開始されたばかりのETFであり、長期的なパフォーマンス実績がまだ少ないです。長期的な投資対象としての信頼性を判断するには、さらに時間が必要です。このため、将来のパフォーマンスの不確実性が存在します。

JPMorganの高配当ETF「JEPQ」とは

JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF(JEPQ)は、毎月の安定した配当収入を提供する魅力的なETFであり、特に高配当を重視する投資家に適しています。カバードコール戦略により、高い配当利回りを維持しながらもリスクを一定程度抑えることができますが、株価上昇時の利益制限や市場のボラティリティに対する依存といったデメリットもあります。

そのため、JEPQを購入する前に、自分の投資スタイルやリスク許容度をしっかりと見極め、長期的な視点での資産配分を検討することが重要です。高配当と成長株への分散投資を求める投資家にとっては、魅力的な選択肢となるかもしれませんが、上昇時の利益制限に注意しながら運用する必要があります。

テクノロジー株のリスクやカバードコール戦略の特性をしっかり理解した上で、投資検討するのが良さそうです。Twitterなどには資産を全額費やしている人もいますが、リスクを考慮しつつ挑戦してみてください。

公式サイト https://am.jpmorgan.com/us/en/asset-management/adv/products/jpmorgan-nasdaq-equity-premium-income-etf-etf-shares-46654q203

 

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