「AirPods Max」と「SONY MDR-Z1R」—究極のヘッドホン対決

皆さんご存知ないかもしれませんが、実は以前「大人になれる本」を運営する前に、オーディオ機器を中心に紹介するブログを執筆していました。2010年前後のことで、当時はヘッドホンやオーディオ機器のレビューを毎日のように行っていたものです。時が経ち、現在はワインや旅行、ライフスタイルに関する記事が多くなりましたが、最近再び高級なヘッドホンを手にする機会があり、久々にその魅力を体験しました。

今回取り上げるのは、「AirPods Max」と「SONY MDR-Z1R」。どちらもオーディオファンにとっては注目すべき製品ですが、実際のところ用途が真逆で、両者を比較するのは少々無理があります。とはいえ、それぞれに強みがあり、使用するシーンに応じて選ぶべきヘッドホンですので、今回はその魅力について解説していきます。

AirPods Max – モダンでスマートなヘッドホン

まず、Appleの「AirPods Max」から紹介しましょう。Appleのフラグシップモデルであるこのヘッドホンは、ワイヤレスヘッドホンとしては非常に優秀です。特に注目すべきは、その圧倒的なノイズキャンセリング性能。地下鉄や混雑した街中でも、周囲の雑音をしっかりとカットし、クリアな音楽体験を提供してくれます。さらには音楽を再生していないときでも、外界のノイズを強力に遮断するため、静かな空間を確保するのにもうってつけです 。

デザインもAppleらしくシンプルで洗練されており、外出先でもスタイリッシュに使うことができるのが特徴です。軽量で長時間の装着にも適しており、ワイヤレスという利便性から、外出先での利用にぴったり。音質は全体的にバランスが取れていて、特に低音が力強く響き、ポップスやEDMなどの音楽ジャンルに相性抜群です。例えば、星野源や米津玄師といった日本の人気アーティストの楽曲も、立体的な音響で楽しむことができます 。

2024年の最新モデルでは、USB-Cポートが追加され、充電の利便性が向上しています。さらに、新しいカラーオプションとして、ミッドナイトやスターライトなどが登場しており、スタイルに合わせて選べる楽しみが増えました 。また、最大20時間のバッテリー駆動時間があり、5分間の充電で1.5時間使用できる急速充電機能も備えています。

SONY MDR-Z1R – オーディオ愛好家のための究極のヘッドホン

一方で、ソニーの「MDR-Z1R」は、まさに本格的なオーディオ愛好家向けの製品です。こちらは有線接続を前提としており、専用のヘッドホンアンプを用いた駆動が推奨されています。AirPods Maxと違い、ノイズキャンセリング機能は搭載されていませんが、その代わりに徹底的に音質にこだわり抜いた製品となっています。

MDR-Z1Rの音は非常にフラットで、余計な味付けが一切なく、まるでスタジオで直接聴いているかのような生々しい音を再現します。バイオリンやピアノ、アコースティックギターといった生楽器の音が特に際立ち、細部まで正確に表現されるのが特徴です。例えば、弦楽器の音が張り詰める緊張感や、ボーカルの息遣いまで鮮明に感じ取れるほどの繊細さがあります 。

また、AirPods Maxに比べて音漏れを防ぐ設計がされているものの、外出先での使用にはやや不便かもしれません。どちらかと言えば、静かな室内でじっくりと音楽に向き合う時間にふさわしいヘッドホンです。

どちらを選ぶべきか？

ここで「AirPods Max」と「SONY MDR-Z1R」を比較してみると、それぞれ異なる方向性を持った製品であることが明らかです。AirPods Maxは、現代的なワイヤレス技術とノイズキャンセリングを駆使して、外出先でも高品質な音楽体験を提供する一方、MDR-Z1Rは、音質の忠実さを追求した製品で、室内でのじっくりとしたリスニングに最適です。

もしあなたが、通勤や外出時に使うためのヘッドホンを探しているなら、AirPods Maxが最適でしょう。特にApple製品との親和性が高く、シームレスにiPhoneやMacと連携できる点も魅力です。一方で、静かな環境で最高の音質を求めるなら、MDR-Z1Rがその答えです。どちらのヘッドホンも価格帯は8万円から22万円と高価ですが、それだけの価値がある製品です  。

音楽をどのように楽しみたいかに応じて、AirPods MaxかMDR-Z1Rを選ぶのが賢明です。ぜひ一度実際に視聴して、その音の違いを体感してみてください。