先日の「シャトー・ソシアンド・マレ事件」からしばらく経ち、喉元過ぎればなんとやら精神で性懲りも無くリカーマウンテンに通う私。リカーマウンテンって何か楽しいんですよね、激ヤバ外れ商品もありますが、ごくまれに本当に美味しいワインが安く売られているのでエンターテイメント性が高いんです。予算が許されれば初めからエノテカで確実に美味しいボルドーワインを選ぶのですが、5,000円以下という限られた予算だとリカマンを漁るしかないのです。
今回の人柱ワインはこちらの4本!!
左から
Sichel Pauillac 2014(メゾン・シシェル ポイヤック)5,000円
Le Marquis de Calon Ségur 2017(ル・マルキ・ド・カロン・セギュール)4,800円
La Grande Demoiselle d’Hosten 2010(ラ・グランド・モワゼル・ドスタン) 3,600円
Saint-Emilion de Quintus 2017(サンテミリオン・ド・クインタス)5,000円
イカれたメンバーを紹介するぜ〜!
ボーカルの「メゾン・シシェル・ポイヤック〜!」こいつは、パルメのオーナー会社シシェルが、ポイヤックのグランヴァンから出来損ないのサードワインを引き上げてきたものだ!
1本10万円のワインにしようと育ったブドウだから、腐ってもウマい。
ギターの「ル・マルキ・ド・カロン・セギュール」みんなも知ってる通り、お兄さんが超人気売れっ子シャトーで、こいつは次男だけど兄に似てウマい。ちょっと経験が浅いのが玉に瑕。
お次はベースの「ラ・グランド・モワゼル・ドスタン」こいつは、二言目には「ま、俺はエルメスファミリーの一員だからさ」と自慢するキザな奴だ。確かにエルメス所有のシャトーだけど味は不味い!
最後はドラムの「サンテミリオン ド クィンタス シャトークィンタス」こいつはシャトー・オーブリオン、ラ・ミッションオー・ブリオンと肩を並べる5番目のワイン「シャトークィンタス」の三男だ!まあ福山雅治の親戚の兄弟の三男みたいなものだ。味はウマい。
以上だ!ドーゾヨロシク!
真面目な感想、エルメス所有とか偉そうに宣伝してある「ラ グラン ド モワゼル ドスタン 2010」が不味すぎる!グレートヴィンテージなのに1本飲み切るのが苦行になるくらいに不味い。
「ル・マルキ・ド・カロン・セギュール」は、あ!!カロン・セギュールみたいなニオイする〜〜!不思議〜〜〜!!という、まあ、本来セカンドワインってこうあるべきだよな?って見本みたいなワインです。タンニンも固く、ボディの厚みや余韻はファーストラベルと全く異なりますが、スケールを小さくしてまとめて値段も安くした感じです。
コレ4千円切ってるなら結構いいんじゃない?って思ってしまう。
「サンテミリオン ド クィンタス」、これめちゃウマい!ボルドー左岸ばかり飲んでたけど、右岸のメルロー主体って、こんなに柔らかく田舎臭く、深みのある味なんだ〜と感動してしまった。例にごとく6本買って内3本はブショネ、1本はなんとなく不味かったです。腐った牛乳みたいなブショネに出会って驚きました。ウマい1本はウマいです。
最後にシシェル・ポイヤック、これまじで沼ですよ。
メゾン・シシェルはシャトー・パルメのオーナー会社ですが、人脈やツテがあるのかメドック格付け1級シャトーや2級シャトーのバレル落ちを、名前を伏せて販売しています。ちょっと違いますが、ブルゴーニュの仲田晃司氏のレアセレクションみたいに美味しいワインを買い付けています。シシェルの場合はボトルを買うのではなく、樽のまま購入するみたいですけど。
初めて飲んだのはこちら
サンジュリアンの2010年。グレートヴィンテージということもありますが、酒屋で7,000円という強気の価格で売られていて飲んでみました。
驚くことに2万円級の味わいで、サンジュリアンのシャトー・ラグランジュのファーストラベルが比じゃないくらいに美味しかったです。本当に2級シャトーのバレル落ちが詰まっているんだなぁと関心してしまいました。
それから、シシェルのポイヤックにドハマリしたのですが、飲んでみると年数によって味がバラバラ。2014年はラトゥール、2010年はムートン、2007年はラフィット?2017年はプティムートン?とにかく、1級シャトーのセカンド並に美味しいワインから、こりゃあ酷い!!シャバシャバで香りも低いというワインまで玉石混交です。
しかも数本に1本の割合でめちゃめちゃ美味しいものと、めちゃめちゃ状態悪いものが混ざっていて、マジもんのワインガチャです!
結局、シシェルは現在販売している全シリーズを飲んで見みて、「分からない」ということが分かりました。「サンテミリオン ド クィンタス」も大感動したので、気分が高揚してセカンドワインの「ル ドラゴン ド クィンタス」を1万円も出して購入してみたものの、先日買った2017年のサードの方が美味しいという肩透かしを食いました。
めちゃ簡単で極端な図解ですがボルドーワインとは一般的に次のようになります。
格付けのない無名なシャトーでも美味しいワインはもちろん存在します。
ただ、今回は格付けが高い=美味しいという構図で書いてみます。
最も美味しいのは、1級シャトーのファーストラベル、当たり年で熟成していて保管状態が良い。
これは確実に美味しいですよね!ただ値段が10万円以上してしまいます。
そこで、どこかを妥協して美味しいワインを探すことになります。
格付けを下げて4級や5級、ひどいとそれらのセカンドワインやサードワイン。
それも5千円を切るとなると、グレートヴィンテージではなくオフヴィンテージに。
しかもワインセラーではなくエアコンや直射日光が当たるような量販店に並んでいることもあります。
こうなると玉石混交なのは仕方ないことです。
年数や瓶の差によって、値段が倍のセカンドワインよりサードワインの方が美味しいなんてこともあったのです。
ボルドーワインは2万円出せば一旦は美味しいワインに出会えますが、1万円前後だと結構怪しい戦いです。そして5千円台で美味しいボルドーワインに出会うというのは、オマハ・ビーチ上陸とまではいいませんが、ガダルカナル島の攻防戦くらい厳しい戦いになりそうです。