今日はワインが傷んだときの特徴としてメモを残してみます。
ソシアンドマレ 2013
1本目は謎の白いカビがコルクに付着。抜栓直後に微かに香る梅酢の香りが不吉な気配を予感させる。
口に含むと豊かな果実味のあとにブショネ特有のエグ味の洗礼。
色自体は健全だか確かに傷んでいる。
2本目に向かう。
#りんりんワインメモ
空気に触れると徐々に木苺のようなエレガントな香りが出てくるが、イザマリルのような柑橘系の農薬やしめじ、濡れた古本のような香りがある。
2本目の同一ボトルは健康な状態でコルクの香りもバニラ香があり良好。
2013というヴィンテージがやや水っぽいものの、軽めのボディで口あたりが良い酸とタンニン。
シャルロパン マルサネ2018
スクリューを刺した瞬間にカシッとした感覚がしてあまりに気分が悪い
抜栓したときにふわりと鼻腔を刺す不吉な予感
3年ものとは思えないほど、舌にまとわりつくような不快な酸の存在は明らかな醸造過程での熱変性
さらには軽度のブショネ、救えない。
#りんりんワインメモ
あとシャルロパンは2017年以前と2018年以降でコルクの質を変え過ぎ。圧倒的な劣化。
17年以前のスターアニスとレユニオン島産のブルボンバニラのような甘くて上質で官能的な香りの喪失。
いくら酒質が良かろうと、これでは長期熟成に向いてないとしか言いようがない。
抜栓して12時間。
すらりと立ったラズベリーの酸のような印象の香りが、健全であった場合のエレガントな立ち振る舞いを垣間見させる。
ソシアンドマレ 2012
1本目はコルクの状態を見た上で香りを嗅ぎ、錆びた銅の香りと不快なカビ臭をキャッチ。ブショネと判断、抜栓せず。
2本目はコルクの状態を見た上で香りを嗅ぎ、1本目は程ではないがこれもブショネと判断。抜栓するもやはりブショネ。(写真付き)
#りんりんワインメモ
ソシアンドマレの2012は良いヴィンテージでエネルギッシュな赤いベリーの果実味の応酬、ミネラルの縦方向に立体的なストラクチャーをもたらす、ダイナミックながらも絞るところは絞られているボディ感が特徴的で、確かにその資質はトップノートに備えられているがミドルやラストにかけて徐々に死ぬ。
グラスのなかに確かにブショネの不快な香りが横たわっていて、口に含むと意外とイケるタイプのブショネかも!と思わせておいて後半から怒涛のカビ臭が追い上げる。
ラストになるころには既に飲み込むことができないボルドーと化す。
クラレンス ディロン サンテミリオン 2016
コルクを観察した上で特にブショネではないとして抜栓。
コルクの裏の香りからはややツンとした酸のニュアンスはあるがブショネに特有の香りはないと判断。
ブショネではないが酸に問題があるワインだと予想。
#りんりんワインメモ
ボトリングの段階で元々酸化してたような気がする。
ラッカーやマホガニーの香りに、角材に切り立ての杉の木から漂う香りは明らかにコルクや樽からも影響を受けている。新樽率高め?
アルコールのアタックがキツくて円熟味に欠ける……と思ったら15%もあるのか。
生まれつき体が弱くて、体育の時にみんなと参加せずに教室で本を読んでいるだけの細くて青白い女の子みたいな不健康さがあるのと、ルドンの絵を見ているような凶々しい気分になる。
何かとてつもなく不安定な要素との邂逅。
令和3年4月17日追記
3日前の抜栓当日に「ブショネ」と判断したワインは例外なく全てブショネだった。
3日後になるとボトル内に泡が発生してカビが繁殖していた。夏に外で放置した生ゴミの袋、放置した飲みかけのペットボトル、とにかく咳き込むほどに臭い、異臭。
コルクを抜いた瞬間は怪しく見逃しそうになるときもあるけれど、時間が経つと劣化は際立つ。
不安になったらグラスに入れてスワリングすると、ブショネだと濡れた紙やダンボールのようなネガティブな要素が強くなる。良好で硬いだけのワインは、スワリングすると花やフルーツの健康的な香りが出てくる。レストランでのワイン注文の参考にしてみてください。