この日は同僚が見つけた英国風パブで生ギネスを引っ掛けて帰ることにしました。あまりの立派な外観から、陽気な男たちがビアグラス片手にアイリッシュフィドルを演奏して踊っていそうな雰囲気さえあります。GUINESSのカンバンが眩ばかりに光輝き、男たちをドアの向こうへと誘います。
お好きな席へどうぞ〜
本格的な造形の店内に似つかわしくないジャージ姿の店員が出てきて拍子抜けでした。
店主が急病で倒れて、通りすがりのジョギング中の人が店番してるんじゃないかってほどカジュアルな格好。
席に通されてメニューをみると、何やら怪しい空気に…。
ハギスどころか、フィッシュ・アンド・チップスさえないのです!
ビーフジャーキー1,000円と乾燥おつまみが2~3種類あるだけ。なんとなくおかしい。
ギネスをパインと2つで!
すでに着席してしまった私達は、生ギネスで喉を潤すことしか頭になく、さっそくギネスを注文してしまいました。
店主はわたしたちに「あ〜3/4パイントですがいいですか?」と聞き、なんとなくおかしいと思いつつも待つこと1分
1パイント(473.176ml)とハーフパイント(284.131ml)以外にもサイズってあるんだ〜と関心してしまいました。
背後のポスターには”Lovely day for a GUINESS” (ギネスの素敵な一日)とオオハシが2つのグラスを乗せてこちらに向かってくる絵が。
プシュッ….(カウンターで缶の開く音)
!?
あ….
やっちまった
ジャージの男が、缶から取り出したギネスをグラスに注ぎ、したり顔でテーブルに持ってきます。
「2分待ってから飲んでね!」
こうして、アイリッシュパブで気の抜けた缶のギネスを飲まされた男二人は夜の街へと消えていったのだった。
生ギネス詐欺に合わないために
・店舗外に大きなギネス看板があっても生ギネスが出るとは限らない
・巧妙な居抜きアイリッシュパブを再利用したインチキバーが実在する
・3/4パイントと告げられたら注文前に退店して損切りする
・店員がジャージの店は警戒する
・カウンターに生ギネスのサーバーがあるか確認する
これだけで被害にあわずに済みます。