ホテルディナーの詳細、ちょっとしたパーティなどでふと招待状を見ると、「スマートカジュアル」との記載が。
え?ドレスコード?何それスーツですか?
日本ではあまりドレスコードを指定される機会というのは西洋に比べ多くなく、また基本的な服装の意識もそれほど高くありませんので、いきなり「スマートカジュアル」と言われても、何を着たら良いかまるきり分からない!という人は少なくないですね。
今回はそんな人のために、スマートカジュアルの定義と基本を、具体例を見ながら徹底的に解説していきましょう。
スマートカジュアルの基本はジャケパンスタイル
スマートカジュアルのことについて調べてみると、いろいろな情報が出てくると思います。TシャツGパンで無ければ良い、ダメージジーンズでなければ良い。ポロシャツはだめだけど、襟付きのシャツなら良い……。
しかしこれらの情報を読んでも、混乱は増すばかりですよね。じゃあ、何を着ればいいの?という感じです。ですからここであえて言い切ってしまうこととしましょう。
スマートカジュアル=ジャケパンスタイル
これが基本的な定義です。
ヨーロッパの一流ホテルに泊まったりすると、そこにいるヨーロッパの上流階級の家族は、お父さんがジャケットを着ているのはもちろんのこと、小さな子供もブレザーを着ていたりしていますね。
ちなみにヨーロッパの子供たちは日曜日にブレザーを着て教会のミサに行く週間があったりと、ジャケットに幼い頃から慣れ親しんでおり、そのおかげで大人になって「何着れば良いんだろう?」と悩むことなく当たり前のようにそのシチュエーションにあった服装を出来るのだと言いますね。
日本では何かにつけてジャケットを着る、という文化はありません。そのためいざスマートカジュアルなどドレスコードが指定されると、焦ってしまうのです。
大人のドレスコードの基本はタキシード、スーツとジャケットです。スマートカジュアルと指定がある場合には、それは男のドレススタイルの中でもっともカジュアル度の高い「ジャケパン」になります。
ホテルやイベント主催者としては、お客様を困らせてしまっても仕方がありませんし、最低限会場の雰囲気を維持できれば良いので「〜でなければ大丈夫」と言います。
しかしスマートカジュアルと指定されたときには、さらりとジャケパンを着こなしていけるのが、大人の男性の基本ですので、是非覚えておきましょう。
↑
スマートカジュアルにも似合う、唯一のシルバーリング。
超おすすめです。
それは本当にテーラードジャケット?
さて、では実際にジャケパンスタイルで着こなしていくということで、まずはジャケットの準備です。ジャケパンスタイルがテーラードジャケット+パンツの着こなし、というのは皆さんもご存知のところかと思います。
しかし要チェックなのは、それが本当にテーラードジャケットなの?というところ。
大人が着るテーラードジャケットは、下の画像のような雰囲気です。
ジャケット自体の雰囲気が全く異なるのが分かりますね。上はぺったりとしていて貧相な雰囲気ですが、下のジャケットは立体感があり、生地も上質で色合いも美しいですよね。
ジャケットの色は紺やグレーでも構いませんが、仕立てが良く生地の品質も良いものを選びましょう。品質の良いジャケットは大人の品格となり、レストランやパーティに似合う装いの第一歩となります。
スマートカジュアルなインナーは?
さて、それではスマートカジュアルのジャケパンスタイルに合わせるインナーですが、これはどういったものを選ぶのが良いでしょうか。
スマートカジュアルのインナーの条件は簡単。襟付きのシャツであること。基本的にはスーツに合わせるような襟のしっかりしたシャツであるのが、スマートカジュアルになります。
ちなみに写真のシャツを見ていて、なんとなく違和感を覚えた人もいるはずです。この分類のシャツはドレスシャツと呼ばれますが、多くの人にとってはあまり親しみがないものですね。
これらはすなわち、スーツで着るようなワイシャツと同じ仕立てだけれど、カジュアルな色柄や生地だったりするという、微妙な立ち位置のシャツです。
しかしもうピンと来た人もいるかもしれませんが、その微妙な立ち位置こそ、まさにスマートカジュアルのポジションと全く同じなのですね。
スマートカジュアルで履くべきパンツは?
スマートカジュアルの場合、ジャケットに合わせるパンツはかなりドレッシーなジャケパンになりやすいウールのスラックス(写真右)でも良いですが、コットンや麻のパンツがおすすめ。
特にコットン素材で出来たスラックス(写真上)、一チノパンと呼ばれているようなものは、少しリラックスした雰囲気のあるジャケパン着こなしになるので、スマートカジュアルでは特におすすめですね。
というのも個人的にはレストランに食事に行ったり、20代の同窓会に行ったりするときにウールのグレースラックス+紺ジャケットという着こなしでは、流石に畏まりすぎているのでは?と思いうのです。そういった着こなしはもちろん押さえておくべきスタイルですが、そこは「楽しむこと」をもう少し全面に打ち出しても良いと思います。
そういうわけで、コットン素材のスラックスをジャケットと合わせてジャケパンにしましょう。
ちなみにスマートカジュアルの場合には、場合によってはジャケット+デニムでも問題ないことがあります。リジットのデニムやテーパードシルエットで品のあるデニムを、しっかりとしたスタイルで履きこなしていれば、その「デニム」だけを見て「ドレスコード」に適さないと判断することは無いからです。
勘違いしてしまう人も多いですが、ドレスコードは「このアイテムはだめ、このアイテムはOK」というだけの話ではなく、全体的なスタイルと雰囲気の話なのです。