全三回
ネクタイの色や柄の選び方
よく雑誌なんかを見ていると、「フレッシュな気分を思わせる紺のネクタイがおすすめ」「赤のレジメンタルは情熱的!」といった感じで書かれていますが、 まあそういう選び方は失敗することが多い。
ネクタイはシャツとスーツの色によって決めるか、さもなくばネクタイの色に合わせてシャツとスーツの色を決める必要があります。普通は前者を取るでしょう。「ネクタイが明るいブルーだからスーツはブラウンにしよう!」なんていう強者は、流石に新入社員にはいないでしょう。
そういうわけで手持ちのスーツを見てみましょう。
黒スーツには何色も合わない??
黒いスーツですか? 黒いスーツはどんな色とも相性が良くコーデしやすい、とおすすめされて買ったのかもしれませんが、その実「どんな色とも相性が悪く、全く着こなしにくい唯一のスーツ」です。
黒いスーツはそもそもフォーマルに使われるもので、ビジネスには使わないものというのは有名な話ですね。そんな理屈は抜きにしても、黒は存在感があるために、黒にはどんな色を合わせてもその色が負けてしまったり、浮いてしまったりして良くありません。
あげくに黒スーツの場合、全身が黒で、Vゾーンというごく狭い一部分にシャツやネクタイの色が集まることになる。より色が分離しやすくて、浮いてしまいやすいのです。
ですから黒に合う色は、黒と対局にある白と、それらを影で支えるグレー(シルバー)だけです。フォーマルで着る、黒スーツに白シャツにシルバーのネクタイというのは理にかなっているわけですね。
もし出来るのであれば、紺やグレーのスーツを買いましょう。無理な場合には、織柄の入った白シャツなどを用意し、ネクタイはグレー系で選ぶのがおすすめです。
紺やグレーのスーツには何でも合う
逆に紺やグレーのスーツというのは、驚くほど何にでも合います。紺のスーツに赤のネクタイもいけるし、グレーのスーツに至っては、もう合わない色が存在しないといってもいいでしょう。
ただし、グレーのスーツに関しては注意があります。それは「スーツと同じような明るさ、色合いのネクタイを選ばない」ということ。グレーはそもそもが落ち着き、印象の薄い色ですから、そこに同じようなトーンのネクタイを合わせてしまうと、あまりにもインパクトに欠けて、ぼんやりとしたスーツスタイルになってしまう場合があります。
ライトグレーやミディアムグレーの場合には、基本的にスーツより濃い色のネクタイを選ぶと失敗がありません。チャコールグレーはそれほど気にすることはありませんが、むしろ黒に近い色のため、あまりに鮮やかな色を合わせると浮いてしまいやすい。少しトーンを押さえた方がかっこ良く決まります。
ちなみに紺やグレーはどんな色でも合うと書きましたが、これはシャツが白の場合の話です。実際には、白いシャツばかり着ていると中々お洒落のレベルが上がっていかないので、ライトブルーやライトグレーなどにも挑戦していきたいところ。
そこで、色選びが重要になります。
例えば紺スーツにライトブルーのシャツを合わせる場合、ネクタイまで青系だと全体が青系になりくどくなってしまいます。そこで少し明るめのオレンジやブラウンなど、暖色を入れてあげると全体が華やぐ。
反対にブルーの持つ知的で洗練された印象を生かしたければ、シルバー系のネクタイを入れてみましょう。より鋭く知性的なコーディネートになります。
グレーにはライトブルーのシャツがよく似合います。そのような着こなしにする場合、ネクタイは青系で揃えてもよし、またチャコールグレーで冷静な印象にしても良し。あるいは少し艶のある茶系のネクタイを入れるとお洒落な印象です。
選ぶべきネクタイの柄
さて、それではネクタイの柄についても考えてみましょう。ネクタイには様々な柄がありますが、共通して言えることがあります。それは「極端なものは難しい」そして「シンプルで、凝った物がお洒落」ということです。
同じ色でまとめているけれど、ギンガムチェックになったこのネクタイ。お洒落ですね。
もちろん正式な場や、かしこまったビジネスの場ではチェック柄は避けた方が無難ですが、シンプルなチェック柄にはちょっとした可愛さがあり、女子ウケも良いです。
このようにシンプルなもの、そしてシンプルだけれど色やモチーフに凝った物を選ぶのがお勧めです。具体的には下のような柄。
①小紋柄
遠目ではどっとに見えるけれど、近づくと花柄だったりする小紋柄は、上品さと可愛さを兼ね備えているため非常におすすめです。特に小紋柄の種類は様々なので、そこで自分だけのこだわりを演出することもできますね。
②織柄
一見するとソリッドでありながら、近づくと織柄。
と同じパターンで紹介しますが、いやそれよりもこの織柄の良さはネクタイの光沢感に落ち着きが出て高級感があること、また立体的で表情豊かであることなんです。
無地のネクタイでもサテン地のものは光沢が強くフォーマルな印象になりがちですが、こういった織柄の入ったネクタイであれば、正式な場でも使いやすいが、カジュアルにも合わせやすい万能さがあります。
何よりストライプなど、柄のシャツやスーツに合わせてお洒落に決まるのはありがたいですね。セレクトショップの店員さん達の十八番とも言える着こなしが、ギンガムチェックのシャツに織柄のネクタイ、無地のスーツってやつです。
③ピンドット(細かいドット柄)
やや無難すぎるきらいはありますが、それでもお勧めなのがピンドット。無難と言いながらも、これをお洒落に着こなしている人は少なく、新入社員が質の良いピンドットネクタイを美しく締めていたら、注目度が高いのは間違い無しです。
いかがでしたか?
今回は3回に渡って、新入社員のネクタイの選び方を解説していきました。
是非、スーツ姿を一層際立たせるようなセンスの良いネクタイを選びましょう。