DENONハイコンポシステムの新モデル「M38シリーズ」 RCD-M38
Lapisia(ラピシア)といえばピンとくる方も多いのでは?
高級なミニコンが高嶺の花だったので、D-MG33など昔は憧れの的でオンキヨーのFRシリーズと悩んでいた時期もありました。
そしてヨーロピアンサウンドを謳ったRCD-M33+SC-M53のあと、RCD-M37と続き発表されました。
RCD-M38はオンキヨーのCRシリーズと同じようにCD再生に割り切ってあり、新型のM38はUSBメモリのMP3を再生したり、USB接続のipod&iphoneを再生できます。
外観はデノンらしいラウンドが特徴でフロントパネルが緩やかに傾斜しています。
視野性の高いLEDで曲名なども表示されます。
RCD-M38はハイエンドコンポということもあり、PMAに始まる同社のプリメインアンプについているソースダイレクトボタンなどもあり高音質再生と位置づけられています。
RCD-M38の音質
RCD-M38の音質の傾向は、デノンらしく中域に膨らみがありボワッと膨らんだ感じがします。
ジャンルで言えばJPOPやROCK向きで、元気のある音が楽しむことができます。
ipodやiphoneを接続したときは、プレーヤー本体からライン出力されるのではなく、しっかりとデジタルデータをRCD-M38で処理して内蔵のDACを通すためCDと同じように綺麗な音で聞くことができます。
ケーブルも延長することができるので、机などで作業しながらでも操作できてとても便利です。
接続の時間などもあまりかからないので、ipodやiphoneをメインに接続することを考えている人にもお勧めできます。
また、他にもポータブルインというジャックもありますので、ラインイン扱いになってしまいますがウォークマンやパソコンを接続することもできます。
ポータブルインを利用した場合は内蔵のアンプで増幅させるだけですので、プレーヤーの性能が顕著に出てしまい音質が悪く聞こえる場合があると思います。
バックパネルにラインINが2系統用意されているので、パソコンから接続したい場合は別途サウンドカード(ONKYO SE90PCIなど)を用意すると高音質で楽しむことができます。
RCD-M38の操作感
操作感はボリュームが固く、プリメインアンプに慣れてしまうと不満に思えてしまいます。
ボリュームノブ自体は高級感があるのですが、どうも気に入りません。
ただリモコンで操作できるので、近くに居てもリモコンで音量を変えれば問題ありません。
また音量が段階的(ステップ)で上下するのでスムース感はありません。
必要最低限のボタンとデザインですが、操作性はCR-シリーズやX-HM50に劣る気がします。
特にジョグダイヤルのような右に回すかクリックで次曲、左で全曲に一瞬で変り適度な手応えがあるCR-D1と比べるとUIはまだまだ改良の余地がありそうです。
RCD-M38とX-HM50の比較性
RCD-M38とX-HM50。同じようなサイズのミニコンポがあるので、せっかくですのでこの2台の特徴と比較したときの音質の傾向などを書きたいとおもいます。
RCD-M38自体の音は悪くなく、ミニコンにしては十分高音質といえますが、X-HM50と比較して聞いてしまうと少し低音の不足感は否めません。
またデノンよりX-HM50の方が音に立体感があるので、同じスピーカーでテストしたいにも関わらず違いを実感しました。
操作性やデザインなども好みがあるので、一概には言えませんが若干X-HM50の方が洗練されているように感じてしまいます。
RCD-M38とオンキヨーのCR-D1LTDと比べるとM38の方がウォームな傾向にあるので、ポップスやロックを聴くのであればM38で十分かもしれません。
もし家電量販店などに行く機会があればX-HM50も合わせて視聴してみて下さい。
RCD-M38の総評
何曲か聞いていても、あまり特出した良さを感じられなかったですが
他の2機種と比べてドラムの緊張感がしっかりと表現されています。
静寂の部分の音の引き締まりや震えるような声のウォームな厚みはデノンのPMAシリーズまでグレードアップしなければ実感できないかもしれません。
ただ実売価格を考えると手軽なのと「ipod」「CD]「ラジオ」「AUX」「アラーム」などと普段よく使う機能を凝縮してあり、ライン入力でPS3やDVDなど繋ぐことも出来るので気軽に高音質を求めるユーザーにとっては貴重な一台になると思います。
SONYやパナソニックにはない、オーディオヴィジュアル専門メーカー。デノンを使っているというだけでもおじさま達から一目置かれると思います。
飛び抜けて良いという感じはしませんが、エントリー機として検討する価値はあります。