ATH-AD700レビュー

ミュージック

万能ではないもののコストパフォーマンスは高い。ATH-AD700

数年前にコジマ電気で良さそうなヘッドフォンを探したところ、AD700が一番自分の好みの傾向なので入手しました。
近所のコジマだとオーディオテクニカかソニーしか扱っていないため、選択が限られましたが今聞いても十分に良いヘッドフォンだと思います。

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ATH-AD700の音の傾向と特徴

まず購入直後に驚いたことは、新品だと音が非常に硬い。
おろしたてのブーツのようにがちがちで本来の音がでません。
そのため、購入した物のAD700の出番は少なく、しばらくは寂しい思いをさせていました。
そしてしばらく経ち少しづつ耳に刺さる音が少なくなり、マイルドな傾向になりました。
エージングというのはにわかにも信じがたいですが、新車を購入したときに慣らし運転をするのと同じように本来の性能を発揮するまでに時間が掛かるのかもしれません。

AD700の音の特徴ですが、アコーディオン・笛・ドラムのハイハットやシンバルが綺麗。
ドラムの高音は綺麗に再現されるが、打ち込みの高音は輪郭がくすんでぼんやりしてしまう。
どの音も低音も輪郭がはっきりとせず、パンチが無い。
そのためアコースティックギターの音は壊滅状態で、弦を弾いたときの振動にリアリティが無く素っ気ない。
中高域はベイヤーダイナミックDT-990PROのようなウォームでふんわり膨らむ音で、曲によってはとても心地がよい。
楽器は分離はしないものの、ヴォーカルの声はある程度離れて聞こえる。
オープンタイプなので、高音がキンキンする事もなくマイルドな味付け。

ケーブルは同社のアートリンクのチタンが採用されており、しなやかで色・質感とも良い。
ジャックの部分もねじ込み式となっているので、紛失する事がなく必要な時に外せばよい。
ここら辺の設計は流石オーディオテクニカだと思う。
今回パッケージは用意できなかったものの、パッケージングも高級感があり音だけでないプレミアム感も体感できるかと思う。

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ATH-AD700の装着感

柔らかい素材でできていて、装着感はとても良好。
上のパッドも3D設計ということで、装着感が良く軽量である。
ゼンハイザーのHD650は圧迫感があり、固めの仕様なのでゆっくり長時間聞くのであればAD700は非常にお勧めできる。
ただし、開放型という点から音がよく漏れるので屋外や静まった他に人がいる環境では使わない方がよいと思う。

ATH-AD700の総評

4千円~6千円ほどのヘッドフォンを買う予定ならば、少し背伸びしてでもAD700をお勧めしたい。
ATH-W5000からHD800やベイヤーT1など10万円以上する高級機も聞いてきたものの、AD700は実売価格が1万円弱という事を考えると、とても良いヘッドフォンだと言える。
ポータブル環境では少し力不足ではあるが、アンプに付属したヘッドフォン端子などでも十分に対応できるので安いヘッドセットやオーディオファンではない一般の人にもお勧めできる性能・価格帯である。

 

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