QLS QA350 レビュー

HifiMAN?いや、そんなたいそうなものじゃございません。
なんと！世界的にも希少な！？WAV専用プレーヤー！
時代を逆行しているのは間違いないです。
ポータブルで音質を追求するパイオニアQLS
世界には不思議なメーカーもあるのです。

QA350 ポータブル機なのに何故・・・。

秋になり、近所の美術館の公園での散歩が気持ち良い季節となり
外で音楽を聴きながら歩くことが多くなりました。
なんともまあ、もっともらしい購入の言い訳ですが。
こいつQA350にはなんとWolfson WM8740 DACが搭載されてるではありませんか！
WM8740といえばサウンドカードでも有名なオンキョーのSE-200PCIのDACと同じ！
もうこの時点で反射的にポチってました。
そして光デジタル出力＋同軸デジタル出力の２系統！・・・これは。すごい！
そんでもってヘッドフォンアンプICがAX9722AというSONY　D50という機種と同じIC
D50といえば詳しい人はご存知でしょうが、フラッグシップの超高性能PCMレコーダー
（のヘッドフォンアンプ部分）と、大変ミラクルな仕様なのです。

ポータブルプレーヤーのシェアはウォークマンとipodが殆ど占めて、MP3プレーヤーから撤退する国内メーカーもちらほらあります。
ごく一部ハイファイポータブルプレーヤーがありますが、低価格で超高音質を目指すポータブルプレーヤーはなかなか見あたらないと思います。
もちろんWAV専用プレーヤーというのは初めて聞きました。

QA350とらやは音質はどうなのよ

驚くことにQA350はスペックだけの机上の空論ではなく確かに音が良いです。
先日買ったポータブルアンプのibasso D10 cobraより空間の広がりがあり自然に鳴っている気がします。
なにしろ、音の解像度が非常に高く、一つ一つの音が粒になっているように聞こえる。
CDとSACDを比べた時のように再生される音の幅が格段と広がり、力強さも感じられる。
楽器ごとの音がつぶれる事無く位相がばっちりと合う、ジャズのコントラバスのうねりもリアルに聞こえて、このWAVプレーヤーのレベルの高さが実感できます。

ですが、このQA350。操作性は非常に悪く、15年前のMDプレーヤーのようなフォルダ分けで電源をONにしてから再生準備までが３０秒も掛かるので快適性皆無。
それでもネガティブな要素全てを帳消しにできる程音質が良くて気持ちよい。

公式ページではQA350はインピーダンスが600Ωまで対応していると、むちゃくちゃな事が掛かれているのでHD650を鳴らせるか試したところ、鳴らせる・鳴らせないどころでなくエネルギッシュに生き生きとした音がなる。こればかりは圧倒させられました。

HP-A7のヘッドフォンアンプ部分より断然解像度が高く、切れ込みも早くスピード感がある。
なのに音が固すぎずに初期のデジタルアンプのような冷たい固さもない。
まるで社員のように絶賛しているけれど、本当に”音は”良いです。

ユーザーを無視した、この10年以上前の操作性としょぼい８文×２段の英語表示、謎のバッテリー。ぷるぷる震えるチープなボタン類。時代錯誤のトグルスイッチなどなど
そんなのは気にしないからいい音で聞きたい人がいたならば是非購入をお勧めします。

追記：起動に３０秒掛かると書きましたが、なにらやSDカードとの相性があるらしく、他のメーカーのSDカードを使用したところ３秒ほどでスタンバイになりました。
入手される予定の場合はご注意下さい。
追記：英語表示のみと書きましたが、どうやら半角のカタカナは表示されるようです。

ホームオーディオとしてのQA350

実はこのQA350はACアダプターが２種類付属していて、片方は充電用、もう片方は再生専用と謎な仕様になっています。
そして、ポータブル機としては使うことのないリモコン。
どういうことか、ホームオーディオとしても考えられているようです。
同軸か光出力でQA350に入っている曲を再生するだけでなく、LINE OUTからプリメインアンプに繋いでもとても良い音質で再生できるので自宅に置きっぱなしというのもありかもしれません。
リモコンはチープですが、電源ON/OFF・フォルダ・曲目選択はできるのでデノンのとんちんかんなリモコンよりは格段と便利です。

QA350の入所方法

QLSのホームページより注文できます。EMS送料込みで１万８千～。
またヤフーオークションで出品しているHaichunさんでも入手できます。
suiさんは発送も早く日本語のメールも丁寧に返事をしてくれるのでお勧めです。
予備バッテリーなどパーツも入手できますので、相談してみて下さい。