ジャポニスムの先駆的芸術家ホイッスラーの大回顧展が京都国立近代美術館で開催!

ジャポニスムの先駆的芸術家ホイッスラーの大回顧展が京都国立近代美術館で開催!

出典http://www.momak.go.jp/

19世紀後半に活躍したホイッスラーの展覧会が京都国立近代美術館で2014年9月13日(土)から 11月16日(日)の約2ヵ月間開催されることになりました!約130点もの作品が展示される他に、イギリスのグラスゴー大学美術史講師の講演会やシンポジウムも関連イベントといて開催されます。

ホイッスラーって?

ホイッスラーの本名はジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー(James Abbott McNeill Whistler)と少し長め。1834年7月11日に誕生し、1903年7月17日に没したアメリカ人の画家であり、版画家としてもその名は有名です。19世紀後半に活躍し、現在では19世紀の巨匠とも呼ばれています。モネやドガ、セザンヌ、ゴーギャンなどのパリの印象派の画家たちと同世代であり、彼らと交流をもちつつもロンドンを拠点に活躍しました。しかし印象派とは一線を画した画風であり、そこには日本美術の影響が濃く見られます。実は私達日本人の絵が、彼の作品に影響していたのです。そうして独自の画風を確立した為に、ジャポニスムの先駆的芸術家としても世界的に知られています。また、彼はその絵の意味は美そのものであり存在することが存在理由であるという耽美主義の代表画家としても知られています。

ホイッスラーの画風

19世紀は絵の中に歴史や教訓、宗教的意味を持たせて人々に伝えていく子言う役割を持っていました。画家たちもそういった描き方が一般的でしたが、ホイッスラーはそういった役割も持つ絵画ではなく、絵画そのものが持つ美や魅力、表現力を説き純粋な視覚的効果を追い求めました。その為ホイッスラーの作品は色彩や形に重きを置いています。彼を一躍有名にさせた『白のシンフォニー第1番-白の少女』は白の色調が対比されている作品です。作品タイトルに音楽用語が多いのは、色彩の調和をタイトルでも表す為でもあります。

130点の作品

ホイッスラーがまだパリにいた頃は写実主義で絵画をかいていました。そこから独自のスタイルを確立していく様子を人物画と風景画で観ることが出来るようになっているそうです。そして最も重要な契機であるジャポニスムがどのような形で影響を与え確立されていくのかを紹介されます。
アメリカ・イギリス・フランスから、ホイッスラーの油彩画・水彩画そして版画の代表作の他、ホイッスラーに影響を与えた浮世絵や資料も含めた130点の、大回顧展です。これだけの点数はなかなか観ることは出来ません。さらに、絵画の変化を感じながら回れるので、より一層ホイッスラーに近づくことが出来ます。

開催日時

開催日:2014年9月13日(土)~ 11月16日(日)
開館時間:午前9時30分 ~ 午後5時(入館は午後4時30分まで)※9月20日(土)・21日(日)は午後8時まで開館(入館はいずれも午後7時30分まで)
休館日毎週月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は翌火曜日)
(ただし、9月22日(月)、10月14日(火)、11月4日(火)は開館)

イベント

講演会「ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834-1903)――芸術のコスモポリタン」

講師:パトリシア・ド・モントフォールト氏
(グラスゴー大学文化芸術学部 美術史講師)
日時:9月13日(土)午後2時~3時30分
会場:京都国立近代美術館1F講堂
定員:100名(午前11時から1Fインフォメーションにて整理券を配布します)
※聴講無料、逐次通訳あり
※マーガレット・F・マクドナルド氏の来日は事情により叶わなくなりました。
そのため、パトリシア・ド・モントフォールト氏に講師が変更となりました。
どうぞご了承ください。

ホイッスラーが拠点としていた国イギリス。そのイギリスの大学美術史講師の講演会はこのような機会がなければ聞くことはできません。今回は聴講無料に加え通訳もある講演会なので、今回の展覧会をみて興味が出た方でも安心して参加できます。しかし定員があるので注意です。参加希望の方は早めに整理券配布を行う場所へ行くことをおススメします。

第4回畠山公開シンポジウム

「ジャポニスムの全貌~ホイッスラーから何が始まったのか?」
日時:10月4日(土)午前10時~午後5時
会場:京都国立近代美術館1F講堂
主催:ジャポニスム学会
共催:公益財団法人畠山文化財団・京都国立近代美術館・京都市美術館
定員:100名 ※聴講無料、事前申込み制

ジャポニスムの先駆者であるホイッスラーの作品には、いったいどのようなジャポニスムがあるのか。異国趣味、モチーフ、画中画、空間表現、画面構成、色彩や筆触、装飾性、署名や額縁など、このシンポジウムではホイッスラーの作品とジャポニスムが関連するあらゆる要素を見ることができるそうです。シンポジウムは事前に予約が必要なので、一度京都国立近代美術館のHPをのぞいてみてくださいね!

ホイッスラーを知っている方はもちろん、今までも知らなかったという方でも、私達が住む日本の文化と取り入れた画家である版画家の大回顧展を見にいってみませんか?130点という規模で見ることが出来る機会は、今後ないかもしれません。是非足を運んでみてくださいね!

(ライター:霜月アミ)

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