セレオリって、正直品質とかデザインどうなの……??と気になっている人は多いはず。
今回は代表的なセレクトショップのオリジナル商品の特徴や品質、コストパフォーマンスなどをブランドごとに詳しく紹介します!
1P……セレクトショップ御三家
2P……コスパ重視のセレクトショップ
3P……ちょっと高級なセレクトショップ
の3ページ構成です。
セレオリの意味は「セレクトショップのオリジナル商品」
セレオリというのは、セレクトショップのオリジナル商品のことですね。
もともとビームスはユナイテッドアローズなどは輸入のアイテムや有名ブランドのアイテムを取り揃える、自分たちでは商品を作らないブランド=セレクトショップでした。
ですが市場が安くて無難にお洒落なものを望むようになったとき、個性的で値段の高いインポートやデザイナーズの服ばかりでは経営が保てなくなってきた。
そういうわけでより需要があり、且つインポートやデザイナーズに比べ「売れなかった」ときのリスクが低く単価が安い、自社ブランドの商品を扱うようになったわけです。それがセレオリです。
一般的にはお洒落なアイテムだと言われているアイテムですが、販売価格を安くするため縫製や生地のレベルなどを下げており、また没個性な無難お洒落を狙っていることもあって一部のファッション好きからはかなり嫌われている存在。
ネット上では否定的な意見も多数出回っているけど、実際どうなの??
ということで、ブランド別にセレオリの傾向や実際の品質を詳しく紹介することにしました。
ビームス
BEAMS (メインライン)
ビームスのセレオリはブランドラインと、アイテムのジャンルに寄るところがあります。これはビームスがフォーマルウェアから雑貨まで幅広く扱うブランドであることが要因ですね。
まずBEAMS ビームスのメインラインですが、このラインのセレオリにはバラツキがある。例えばテーラードジャケットに関しては生地感や縫製などのレベルがやや低く、言い換えれば素材も仕立てもカジュアルすぎるために高級感が足りない印象。
ビームスがアメカジをメインにしていることもあり、メインライン・セレオリのドレス寄りのアイテムはあまりおすすめしません。
また、カーディガン等のニット類も生地がややボリューム不足、固めで貧相なイメージがあることも。
逆にメインラインで注目したいのはカジュアルシャツやブルゾン、それにボトムス。繰り返しになりますがビームスはアメカジをメインにしているので、カジュアルシャツなどのアイテムはそれっぽい熟れた雰囲気があり、おすすめです。
BEAMS F
ビームスFは、カジュアルなイメージのあるビームスの中でテーラードジャケットやドレスシャツ、スーツなどを扱うドレスライン。
セレオリで日本製とはいえイタリア製のインポート生地を使用したりと、インポートアイテムに限りなく近いディティールを持っているのが特徴です。また生地が良いのはもちろん仕立てにもこだわっており、高級ジャケットにしか見られない細部の仕立てが際立っています。
その代わり値段はインポートに近い物も。
このあたりになるとセレオリという概念も薄くなってくるので、良いと思ったら買って間違いなしです。
BEAMS F のジャケットをいくつか所有していますが、俗にマルイ系と呼ばれるmonsieur NICOLE ムッシュニコルのジャケットなどに比べると断然仕立てのレベルが高い。また、同じような立ち位置にあるEDIFICE エディフィスのオリジナルジャケットに比べても、やや値段が高くなる分レベルが高いですね。
International Gallery BEAMS
インターナショナルギャラリービームスは基本的にインポートやデザイナーズをメインにしているブランドラインですが、実はオリジナル商品もあります。例えばカットソーが1枚10000円など値段的には高級ですが、セレオリでありながらイタリア製だったりと全体的にレベルが高いですね。このブランドラインのものはどれをとっても値段相応の価値があるので、ハイエンドな服が欲しい人にはお勧めできます。
ユナイテッドアローズ
UNITED ARROWS (メインライン)
ユナイテッドアローズ・メインラインのセレオリは、質にこだわった物が多く日本製であることも多々あるので基本的には信頼できると思います。ただコストパフォーマンスの面で言うと、廉価ラインであるgreen label relaxing グリーンレーベルリラクシングなどにやや適わない印象も。
例えばオリジナルの生地を使った中国製のジャケットで7万円というものがあります。
確かに品質は良いのですが、中国製であればナノユニバースのオリジナルがイタリア製生地使用のもので4万円などで買うことができ、BEAMS F のイタリア製生地使用の日本製ジャケットも6万円代後半で買えるので、やや「分かりやすい満足感」が足りない印象。
もちろん不当に高いのではなく、生地の素材や仕立てにこだわった結果の値段だとは思います。
逆にメインラインでおすすめなのは、ドレス仕立てのカジュアルシャツ。
これらはシェイプがしっかりとしており着たときにお洒落に見えるのはもちろん、日本製のものが多い。また生地も良いものを使っているので高級感があり、上品な大人のカジュアル着こなしができます。
green label relaxing グリーンレーベルリラクシング
グリーンレーベルリラクシングは、ユナイテッドアローズの中でも比較的リーズナブルな服を展開するブランドライン。このラインのセレオリは何よりコストパフォーマンスに優れ、これからお洒落な服が欲しい人には最もおすすめできるセレオリの一つです。
一番の良さは、若年層向けの服と同じような値段帯でありながら、大人が着てもまったく違和感のない品のあるカジュアルウェアを扱っていること。
TAKEO KIKUCHI タケオキクチなどと同等の生地を使っていることも多く、それが半額以下だったりということも多いので、セレオリとしてのメリットを最大限活かせていると言えるでしょう。
特におすすめなのはジャケット、ドレスシャツ、ブランド生地使用のスーツなどフォーマル寄りのアイテムです。
BEAUTY & YOUTH ビューティーアンドユース
ビューティーアンドユースは、トラッドに縛られず自由な発想を元にデザイン、チョイスした服を扱うライン。
このラインのセレオリはメインラインよりもやや安い値段で、中国製がメインになり生地のグレードもやや落ちます。その代わり一見しただけでは普通のお洒落な服なので、品質にこだわる人でなければ問題のないセレオリですね。
BEAUTY & YOUTH の中で人気なのはカジュアルシャツで、1万円そこそこの値段で見た感じの質感も良いのが支持を得ています。ただ、1万4000円ほどになるとメインラインの日本製で質の良いシャツも買えるので、ちょっと迷うところ。
着こなしにちょっとした若さが欲しければBEAUTY & YOUTH、品質を重視したいならメインラインという選び方がおすすめです。
District
ディストリクトは同名のコンセプトショップ他、都内のごく一部の店舗でしか扱っていないレアなブランドラインです。
ここのセレオリに関しては、見分けられる人が得をするという印象。
例えば非常に質の良いオリジナル生地を使い、ディティールにこだわって仕立てられた一流ブランドさながらのジャケットが〜5万円で買えることもありますし、逆にデザイン性がメインとなっていて品質に関してはそれほどこだわりのないアイテムもある。
ただ基本的に新しいコンセプトを持った実験的なアイテムや、鋭い感性のアイテムが多いので、セレオリというよりはデザイナーズに近い感覚ですね。むしろファッション好きにおすすめです。
シップス
SHIPS (メインライン)
シップスのメインラインは、ビームスやユナイテッドアローズよりもやや高い年齢層の人たちからも支持を得ているだけあり、大人も納得させる品質の良さが特徴です。
シップスのセレオリはユナイテッドアローズのメインラインに近いものがあり、日本製や生地縫製にこだわったアイテムが多く、着ている人をやや上品に際立てるような魅力があります。
ただドレス寄りのアイテムに関しては特に、ややトラッドな雰囲気があるので若さが欲しい人は別のセレオリを探した方がかも知れません。SHIPS メインラインで若者向けなデザインにしてあるものは、正直それほど品質が良くないものも多いです。
SHIPS JET BLUE シップスジェットブルー
シップスジェットブルーは、上で書いたようにややトラッドなイメージがあり高い年齢層の人にも人気なSHIPSが若年層のために立ち上げたブランドライン。
ここのセレオリは確かに若者向けで、お洒落なデザインのものが多いです。その反面、品質に関しては他の若年層向けのセレクトショップ、例えばアーバンリサーチやナノユニバース、ビームスのメインラインなどとそれほど変わらなくなってくる。
シップスらしさを楽しむにはちょっと不向きなセレオリでしょう。あえてシップスで若者向けカジュアルを血眼になって探す必要はないんじゃないか、という感想です。
もちろん気に入った物があれば買って間違いないかと思いますが、キレイめが好きならユナイテッドアローズ、ドレッシーな感じならナノユニバース、アウトドアな雰囲気ならジャーナルスタンダードなどというように色々なブランドを見るのが良いでしょう。
シップスの持つオーセンティックでちょっとクラシカルな雰囲気が欲しければ、おすすめは断然メインラインです。
Valditaro ヴァルディターロ
ヴァルディターロはSHIPSがイタリアの有名ジャケットブランドであるCARUSOを運営するMACO社とコラボレートして立ち上げた、エクスクリューシブ・ブランド。
ほとんどインポートの別注に近い位置づけなのでセレオリと言うのにはやや語弊がありますが、ただしValditaro ヴァルディターロ自体はシップスが立ち上げ、シップスでしか扱っていないブランドラインなのでオリジナルということになりますね。
ここのジャケットは完全にCARUSO譲りのクオリティを持っており、生地の質、縫製のレベルや仕立ての丁寧さなど、どれをとっても文句なし。10万円という高級ジャケットとしては控えめな値段ながら、随所にハンドメイドであることが感じられる素晴らしいブランドラインです。