ちょっと調べる、ということの大切さを今まさに実感しました。
初めて知ったのですが、このパッケージに書いてある「フルール・ド・セル」は実はメーカー名でもブランド名でもなく、「美味しい塩」程度の意味しかないのです。
危うく誰かに「美味しい塩ない?」と聞かれたときに、「フルール・ド・セルってブランドがお勧めだよ」と答えて恥をかいてしまうところでした。
フルール・ド・セル Fleur de selというのはwikipediaによると「塩の精華/精髄」を意味するフランス語と書かれています。精華や精髄という言葉さえ知らなかったので、再び「精華」だけで検索してみます。するとコトバンクには「そのものの本質をなす、最もすぐれている点。真髄。」と書かれています。うう〜ん、分かるような分からないような。
今度はイタリア語に変換してみます。Fiore di sale. まあなんと簡単!「塩の花」という意味のようです。英語でも良いのですが、一度別の言語に変換してみると元の意味に近づける気がします。
話がそれてしまいましたがフルール・ド・セルとは天日製塩法にて作られる塩で、海水を塩田に引き込んで天日干しで乾燥させます。フランスのゲランドやレ島が有名なようで、この岩塩はゲランドで作られているので、「Fleur de sel de Guerande」と書いてあります。
実際に食べてみると、精製塩のような舌に刺さる刺激は皆無で、優しいジワジワとした塩味がゆっくりと現れます。私は普段、石川県能登半島の輪島の塩を愛用して、これ以上に美味しい塩は無いと思っていますが、このフルール・ド・セルは輪島の塩と比べると、直接噛んでも口の中が辛くならないほどです。
輪島の塩のようにミネラル感が充分にあるけど、塩気が足りないかな?と思っていたのですが、実際に鴨のオーブン焼きなどに付け合わせると、これがまた信じられないほどに味が合うのです!
輪島の塩は、旨味と塩味のバランスは極めて良いのですが、自己主張が激しすぎて具材との相性が悪いときがあります。
このフルール・ド・セルは、塩単体では個性が少なく優しいだけに感じましたが、油が多い肉と合わせると豹変して食材本来の旨みを更に引き立ててくれるのです。
こりゃフランス人凄いな……。と思いつつ”鴨ねぎ”を食したというわけです。
フルール・ド・セル塩レモン
んん〜。フルール・ド・セル塩レモンだと、サハラ砂漠やチゲ鍋みたいに、「花の塩塩」になってしまう気がしますが、塩が付かないと意味不明ですので、フルール・ド・セル塩レモンと呼ぶことにします。
準備は美味しい塩と、美味しいレモンの調達!これだけです。
産地はどこでも良いのですが、無農薬の瀬戸内が特にお勧めです。アメリカ産などの格安レモンはポストハーベスト農薬(収穫後農薬)やワックス、防カビ剤(イマザリル、TBZ、OPP)が用いられていることが多く、果汁を絞るだけならまだしも、果皮を漬け込むのには向いていません。
今どきは楽天市場やメルカリ、ヤフーオークションなどで産地直送の無農薬レモンを入手できるので、1~2キロほど購入するのをお勧めします。
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レモンを水で丁寧に洗い流し、スライスして瓶に詰めていきます。
雑に敷いても味に変化はありませんが、ガラス面に沿って貼り付ければ、ディーン&デルーカのお洒落な瓶詰めのように見えます。瓶は煮沸消毒するか、エタノールなどをスプレーして殺菌しておくと長期間の保存が可能です。
レモンに塩がしっかりと触れるように、まんべんなく塩を振りかけます。
料理に慣れている人であれば、生のローズマリーなどハーブをミックスしても良いですね。
こうして数分でフルール・ド・セル塩レモン作りが完成!
インスタ映えしますよ!
常温で1週間ほど放置するのですが、1日最低1回は瓶を振って中身を撹拌します。
浸透圧の原理で塩がレモンに染み、レモンの果汁が外に出ます。そしてレモン自身の酵素で発酵するという原理です。
完成した塩レモンは、サラダに掛けてオリーブオイルを回せば最高に美味しい夏サラダになりますし、炭酸で薄めて自家製のスポーツドリンク、きゅうりのスライスと混ぜてローフードダイエットにも。
皮は加工してお酒のカクテルにも使えて、実の方は煮込み料理の隠し味や、鶏肉のスペイン風グリルに用いたり、様々な用途に使えます。塩レモンに蒸留酒と炭酸水を加えて塩レモンサワーなんてレシピもあるそうです。
レモンの活用方法はそれだけでなく、塩の代わりに上白糖で漬け込むとオリジナル・レモンスカッシュが簡単にできます。この場合はオレガノやスペアミントを少量使うことで、本格的なカフェのようなレモネード&レモンスカッシュができます。
それだけでなく砂糖の量を調整して常温で保管しておくと、1週間程度でグレープフルーツのような爽やかな香りが漂ってくることがあります。このまま放置すると、美味しいレモンのシュワシュワドリンクが完成!
果実と果実の酵母、砂糖の偉大な出会いは、私たちに感動をもたらすのです。(売ってはいけませんよ)
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