【完全版】PRS ポールリードスミスのギターの話

 

Custom22はCustom24に劣るのか??

ポールリードスミスのラインナップの中でも、常にCustom24の影に隠れてしまいなかなかレビューされることのないCustom22について、レビューしてみましょう。

◯外観

 

やっぱり外観のレベルはさすがのPRSポールリードスミス。他の追従をなかなか許さない、派手でゴージャスな外見です。

いつも思うことなのですが、豪華な虎目や派手なインレイをおごったギターはたくさんあるのにPRSポールリードスミスだけはいつも、何となく違う雰囲気を持っている。

どうしてなんだろう、といつも考えていたのですが最近ちょっと分かった気がします。あくまで個人的な考えです。

PRSのギターは非常に立体的で奥行きがある。

 

これはまず一つには造形です。これでもかというほど美しく、滑らかに削り込まれたボディ。カービングといっても良いほど大胆な削り込みがボディを立体的にしているため、光の当たり具合によって表情を変える。これがギターに光と陰の部分を作り、独特の深みと芸術的な雰囲気を作っているのではないでしょうか。

もちろん個人的な考えですが、やっぱり立体的に形状を作られたものというのは独特な雰囲気を持ちます。一般的なコップより円形で複雑な曲線を持つワイングラスの方がなんとなく神聖な感じがある。ボックス基調の平面的な車よりも、削りだされた流線型の車の方が芸術的な雰囲気を持ちやすい。

もう一つは木材の奥行き。

 

杢目にしろ木の質感にしろ、PRSポールリードスミスのギターは、奥行きがあって見る角度を変えるとキラキラと光るような木材を使ってます。

これも同じ理由で、PRSのギターを特別な存在にしているのかもしれません。

一つの考えですが、PRSポールリードスミスのギターの外観について、ちょっと語ってみました。

で、Custom22についてもう少し言えば、Custom24との外見の差はほとんどありません。ぱっと見では分からないけど、ヘッド部分を見れば分かる。そんな感じ。

◯機能

機能もほとんど変わらないと思います。

5wayロータリー装備。

この5wayロータリーについては、使いにくい使いやすいといろいろ言われていますが、個人的には慣れの問題だと思います。

インターフェイスは変わるが、やることは他のギターと同じです。PRS Custom22の音のバリエーションは多い。

ペグはおなじみ、PRSオリジナルのロックペグ。PRS Phase II Low Mass Locking Tuner

抜群の安定性と、完璧な弦の張りやすさを誇ります。もう他のペグはいらない、と思ってしまいます。

PRS Custom22 アームはPRSオリジナル構造。

シンクロよりも少し使える幅が大きい。フロイトローズまではいきませんが、かなり実用的です。

 

◯サウンド

良くも悪くも無難と言われるPRSポールリードスミスのサウンド。優等生過ぎて面白くないという意見が散見されます。

このPRS Custom22もそうなのか??

まあ、そうとも言えるでしょう。なにしろどのポジションも、シングルもハムも「究極」ではないけど「凄く」良い音。

例えば、望遠専用のレンズやマクロ専用のレンズに、いろいろ使えるズームレンズは最終的に適いません。

いろいろ使える最高のズームレンズがPRSポールリードスミスのギター。固定倍率の超特化した専用レンズ、つまりハムのギブソンとシングルのフェンダーにそれぞれの分野では勝てない。

この辺が無難と言われる所以でしょうか。

 

そしてPRS custom24との比較。

これに関してはやっぱり違います。

まずはピックアップの違い。PRS Custom22は、Dragon II Treble & Bass PUを採用しています。

 

Custom 22, CE 22, Standard 22に装着。

「ニッケル・シルバー・カバー付のアルニコ・ピックアップです。McCartyに似たトーンですが、若干出力が上がっています。5ポジション・ロータリー・ピックアップ・セレクターに対応しています。」

というのが公式サイトのコメントです。

 

温かく、それでいて煌びやかで、ストレートな音です。

Custom24のHFSはもっとパワーがあって、押し出し感と飽和感がありますが、このDragon IIにはちょと違った魅力があります。

空気を含んだような自然なコンプレッションと、芯のある金属的な煌びやかさ。

なんとなくアコースティックギター的な雰囲気もあり非常に気持ちがいい。

 

それでいてパワーはあり、太い音。

ピックアップ自体がちょっとだけ控えめのパワーでありながら、若干大きめのネックヒールや少し短めのネックを採用している。

またネックも若干硬めで、ピックアップの位置も違う。

このあたりが絶妙のバランスで成り立ち、「メロウだけど太く力強い音」を作っているのではないでしょうか。

 

これはPRS Custom24ほど華やかではないものの、メロウで深みのある個性的な音です。

またPRS Custom22をシングルにしたときの存在感は、そこらのハム/シングル兼用ギターでは適わないでしょう。

もとのピックアップが素晴らしく、且つギター側が太さと深みを支えているからなし得る、コシがあって地に足がついたシングルです。

◯総評

正直PRS Custom24とPRS Custom22のどちらかを選べと言われたらPRS Custom22の方を選んじゃいます。

まずはピックアップが凄くいい。

公式サイトにMcCartyより若干出力アップと書いてありますが、McCartyモデルのピックアップが大好きで、時々パワーが足りないと感じる自分には本当にピッタリです。

そしてそのDragon IIのサウンドと相性抜群のボディ。もう個人的には最高の組み合わせだと思います。

 

もちろん皆さんの好みは、比べて弾いてみないと分からないでしょう。

是非お店で2本を並べて、じっくりと弾き比べてみてください。

次のページではポールリードスミスの中でもちょっとマイナーなシングルカットSC250の実力を検証!

 

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