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美術館で絵画を見るときに注意する5つのこと

超初心者ですが、美術館で気になったことを書いてみます。

1.本当に見たい作品は一人で行く

デートでバンクシー展に行って「これ可愛いね?」とおしゃべりするなら二人でも良いですが、本当に見たい作品の場合は一人で行くことをお勧めします。
なぜなら例え仲の良い友人や家族だとしても見るペースが異なるからです。実際に私が美術館の展示でじっくり観ていると、夫婦が後ろから来て片方は「さっさと次に行きたい」オーラを出しています。二人ともじっくり見るタイプだとしても、ある作品を10分見たい、次の作品は1分で十分などとペースが合わないことがおおいのです。

特にキュレーターが優れている場合は、その絵画の時系列や関連した作家を並べて展示しています。そうなると「先ほどみた作品をもう一度見直してみたい」と思うこともあるのです。
興味のある作品は一人で行くのがお勧めですね。

2.期間中の中盤、平日の午前中を狙う

一番行ってはイケないタイミングは公開初日です。イベント盛りだくさんで貴重なインタビューや関係者が来るので、それを目的としているなら良いのですが、初日は激混雑するのが普通なので作品をじっくりなんてのは絶対に不可能です。
通勤時間の山手線になることが目に見えるので期間中の半ば、それも午前中の早い時間がお勧めです。
展示終了間際も滑り込みで見に行く人が予想されるので、何もない平日の朝が一番良いです。特に雨天で、みなさんが家を出るのがダルいなぁと思うような日は抜群の美術館日和です。

混雑すると一つの作品を集中して見るのが極めて難しくなります。お爺さんお婆さんが、「あーコレすごいね〜」「あーコレもすごい」と10秒ごとに横にズレたり、私がじっくり観ている作品が特に優れているとでも思ったのか「早くどかないかなー」というオーラを出して後ろが詰まってしまうこともあります。

人間の心理とは不思議で、誰かが絵の前でじっくり真剣に見ていると、その作品があたかも希少で偉大なもののように感じてしまうのです。私がじっくり真剣に見ている作品に限って人だかりができるので、うざったいのでさっき見た絵画に戻って、空いたら続きをみるようにしています。

3.解説より先に絵を見る

信じられないことに絵画を見ずに「解説」だけじっくり読んで次に行く人がいます。
それも結構な数の人がそれをしているので驚きです。おまえさんは横の文字を見にきたんかい!とツッコミたくなります。
「うーん、ふむふむ、○○の生まれで、○○○の弟子をして○○アカデミーに入賞」ハイ!次!
作品の前にたって5秒くらい見たらどうだい?と諭してしまいたくなります。

決まりは無いのですが、私が思うに作品を先にみて自分なりのインスピレーションを脳内でまとめてみた方が良いです。
先に解説を見てしまうと、解説の内容が頭から離れずに画一的な見方しかできなくなってしまいます。

あるマンガ本を読むときに、この漫画は…とネタバレを読んでから本編を読むようなものです。
自分なりに感想を持ったあとに解説を読むのがお勧めです。

4.絵画の中央に立って観察してみる

「う〜んコレは良い絵だ」と声に出そうなほど、真剣に見ている女性。
どう見ても角度45度から、離れて自動販売機のジュースを選んでる人にしかみえません。

「斜めからだけでいいの?」
世の中を斜めに見ているのは私の方ですが、絵画くらいは真ん前で見ましょうよ。
しっかり前から見た後に、少し下がってみる、また近づいて細部を見てみる、その後に横から見てみるのは良い方法です。

絵画のサイズによっても適切な距離が異なります。キャンバスが100号以上の大きな油絵であればたっぷり距離をとって鑑賞しても躍動感があります。一方でA4サイズ以下の小さな絵画の場合は近づいてじっくり観察しないと良く見えないものもあります。
額装の色やトーン、彫刻の有無、額のそとの背景の色さえ意識しつつ中央に立ってみてください。

5.細部まで注意して観察する

例えば偉大な有名絵画を見て「おーこれがピカソか」「これが本物のモネか〜」と、それだけで済ましても良いのですが、細部を観察するのは実物でないとできないことです。

初めて出会った絵画でも、なぜ?を繰り返すことで、自分なりの意見を出すことができます。

・ぱっと見たときに、どこに焦点が行ったか?
・なぜそこに目が行ったか?色か細かさか、あるいは他の理由?
・それは明るい絵?暗い絵?
・風景の場合は季節は?何月?天気は?時間はいつ頃に見える?
・どこが細かく描き込んであって、どこがぼんやりボケて描かれている?

少ししゃがんで光の角度を変えると、同じ作者でも絵の具の質感が年代によって異なることが分かります。
近づいて見ると、暗い部分にも実は濃い絵の具で細かく書き込んであることが分かります。

自分で推測するのも絵画観察の楽しさです。フカフカの土に2本の轍があれば、きっと馬車が通った跡だろうと推測できますし、広い道であれば幹線道路のように日常的に使われている道だと分かります。
光の方向が横に向いていて、強い影が出ていたら、それは朝か夕方の可能性が高いです。西日かもしれません。
草花が息吹いているのであれば3~5月頃に描かれたものかもしれません。現実をモチーフにしている作品であれば、作者がそこで何を思ったのか、追体験することができます。

絵画というのは面白く、人の夢に入るという疑似体験ができます。
だからこそ空いているときに、じっくり観察してその作品をしっかりと体験することをお勧めします。

追記:感動した展示の場合は展覧会図録(カタログ)を買うと良い

基本的に展示会の作品の順番通りに図録に収録されています。
そこに時代背景など細かな情報が掲載されているので、作品を思い出しながら勉強するのにとても便利です。
じっくり観察していると、図録で絵を見ただけでも「この作品のこの部分が細かった」など脳内で補完できるので感動を追体験できますし、好き嫌いもハッキリと分かります。
「この作品はじっくり見たけれど好きではなかった」それもまた一つの感想だと思います。

もしかしたら年を取って好きになるかもしれませんが、そういった体験を繰り返すことで好きな作品を見つけることができたり、絵画について見識を深めることに繋がるはずです。

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