現代人は自室で”無意識”に脳を疲れさせているのか

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最近、SNSで自分の部屋をオシャレにデコレーションしている人をよく見かけます。ポスターや写真、お土産やフィギュア、たくさんの雑誌やマンガなどで彩られた部屋は、見た目には楽しくて個性が表現されています。

しかし、情報が多すぎると脳に負担がかかることがあります。部屋がどれほど整頓されていても、情報があふれていると脳が疲弊してしまう場合があるのです。

この事を脳科学的に「認知的負荷(認知負荷)」と表現するそうです。
「チームの教科書」というサイトでは、次のように紹介しています。

「認知的負荷(認知負荷)」の理論は、オーストラリアの教育心理学者、ジョン・スウェラー(John Sweller)氏によって1980年代に開発・確立された理論だ。この論でいう認知負荷とは、脳のワーキングメモリが常に処理している「情報量」を指し、脳への情報のインプットが私たちの認知能力にどのような負担をかけるかを表している。
出典元:https://atlassian-teambook.jp/_ct/17574839

脳は常にリスク付けをしている

例えば、キッチンに包丁が出しっぱなしだとします。
安定した場所に置かれて、一見危険はなさそうに見えるかもしれませんが、脳は無意識にそれを危険だと感じます。視界の中にあるものは、意識せずとも脳が情報として処理し続けるのです。

同じように、閉め切った窓の外に蜂が飛んでいても、実際には部屋に入ってこないとわかっていても、脳は「危険かもしれない」と反応します。

一時期「大阪万博『石のパーゴラ』が危なすぎる」とネットで話題になりました。
高い安全基準で作られたと言われている石の日除けも、下に座ったらきっと脳はリラックスして休むことは難しいかもしれません。

750個の石をネックレスのようにつるす万博休憩所、若手20組の1組である工藤浩平氏

現代人社会は情報の塊

現代では、部屋の中に多くの情報源があります。ポスターや玩具、チラシ、テレビのCM、SNSの通知、さらには部屋に置かれたスマートスピーカーやスマートフォンまで。これらは日常生活に不可欠なものかもしれませんが、脳が情報を処理する量は増えるばかりです。

一方、ホテルや旅館に泊まって、何も物がないシンプルな部屋で過ごすと、脳が驚くほど休まる経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。これは、日々過剰な情報に晒されている私たちの脳が、一時的にその負担から解放されるためです。普段から情報が溢れている環境にいると、少しずつ脳が疲れてしまい、知らないうちにストレスや疲労感が蓄積されてしまうのです。

情報を減らす工夫

そのため、日常生活でも部屋の中の情報を減らす工夫が大切です。使っていない雑誌やチラシ、不要な書類を処分することから始め、部屋を整理整頓することで、脳がリラックスできる環境を作りましょう。

ミニマリストになる必要はありませんが、不要な情報を捨ててシンプルに生活することで、無意識に受け取る情報の量を減らし、結果的に心身ともにリフレッシュできるかもしれません。

一部の人々が、ホテルライクな生活を好んでいるのも、おしゃれさだけが理由ではないでしょう。彼らは、脳に余計な情報を詰め込むことがどれほど疲れるかを本能的に理解し、その負担を減らすために意識的にシンプルな生活を選んでいるのかもしれませんね。

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