日本の人口増加率が「世界ランキング」で低いのは本当なのか

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ツイッターを眺めていると、ある人が「日本の人口増加率は世界で最も低い部類に入っていて、ウクライナについで少ない」とツイートしていました。
確かに日本の人口増加率は低いとは思いますが、さすがにそんなに少ないわけがない!と思い、具体的に調べてみました。

用いたのは以下の2つのサイトです。

Population Growth
Explore global and country data on population growth, demography, and how this is changing.
Population by Country (2024) - Worldometer
List of countries and dependencies in the world ranked by population, from the most populated. Growth rate, median age, ...

どちらも国連の情報を基にして、各国の人口の増加率をわかりやすくグラフにしています。元のサイトは英語なのですが、分かりやすくGoogle翻訳を利用して日本語に簡易的に変換してみます。

こちらが1950年から2023年までの 各国の人口増加率です。
例えば、インドと中国が1950年から右肩上がりで人口が伸び続けていますが、 アメリカやインドネシア、パキスタンはそこまで人口が増えていないように見えます。

ここにツイートの情報となる日本とウクライナの人口を追加してみます。確かに信じられないほど、人口増加率が低いことがわかります。ウクライナは成人男性の大半がロシアとの戦争によって徴兵されてしまったので死亡率が高くなり、グラフに有意な差が出ています。

https://www.worldometers.info/world-population/population-by-country/

もう一つのサイトも日本語に翻訳して確認しています。
このサイトは、人口や年間変化率など様々な数値で、昇順・降順に変更できます。

初期の設定は、人口が多い国から順番に表示されるようになっています。この表を見ると日本が人口が12位ということで なんだ意外に多いじゃんと感心してしまいました。

ところが、人口の年間変化率でソートすると、意外なことがわかります。

最も人口が減ってしまったのは、やはりウクライナです。 年間変化率7.45%と、多くの人が死亡してしまったことがわかります。また、レバノンやブルガリア、リトアニアなど中東や東南ヨーロッパが入ってきます。

レバノンは政治や経済が不安定であり、周辺の国が内戦や紛争など移住の原因となっているため移住が目立ちます。ブルガリアも日本のように少子高齢化が進み、経済成長が停滞しているため、 EU諸国に移住する人が目立ちます。

リトアニアも収入が低いために、 EU諸国のイギリスやアイルランド、ドイツなどに移住する人が後を絶ちません。もともとこれらの国は人口も少ないですし、例えばセント・ヘレナやオリス・フツナなどは約1万人以下の国ですので除外したとします。

すると、ウクライナに次いで2番目に人口減少が激しいというのは厳密には間違っているのですが、 現在の人口の総数から考えると、過度に誇張された表現とは言えないのではないでしょうか。
2番目とは言えませんが、数番目であることは確かです。

日本の人口増加率が「世界ランキング」で低いのは本当なのか、調べてみたのですが、どうやらツイートの内容は概ね本当のようです。「日本の去年1年間の名目GDP ドイツに抜かれ世界4位に後退」のニュースにもあるように、ドイツに抜かされて、その下にはインドやイギリスが差し迫っています。

日本の人口動態を見ると、生産年齢人口が急減していき、さらなる少子高齢化が進むことから、日本の経済成長はより厳しい時代となりそうです。

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